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なぜ“急に思い出せない”のに数時間後にふっと思い出すのか?脳の不思議な検索システム

脳科学
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 あのアニメに出てくるあのキャラクター……名前なんだっけ? また、昨日食べたおいしいお店の名前、喉まで出かかっているのにどうしても出てこない! こんな風に「すぐそこまで名前が出ているのに、急に思い出せないこと」ってあります。それは、スマホで検索すればすぐ分かる。しかし、なんだか悔しくて「ええっと、確か最初の文字は『あ』で……」と必死に頭をひねります。それでも思い出せず、諦めて仕事や家事に戻り、そのことすら完全に忘れて数時間。そして、お風呂でシャワーを浴びているときやボーッとしている瞬間に、それは突然やってきます。「あ、〇〇だ!!!」求めていないときに限って、脳裏にパッと降ってくるあの不思議な現象が起きます。あまりに時間差がありすぎて、「なんで今さら?」となることもあります。

 しかし、これはあなたの脳がバグっているわけでも、衰えているわけでもないようです。それどころか、あなたが諦めて考えるのをやめた後も、あなたの脳が「裏方」で必死に働き続けてくれていた証拠です。また、心理学では、この現象を鳥が卵を温める姿に例えて「インキュベーション効果」と呼んでいます。

 このブログでは、なぜ「必死なとき」ほど思い出せない。それにもかかわらず、「忘れた頃にふっと思い出す」ときの脳内の驚くべきメカニズムに注目しました。そこで、必死な時ほど思い出せない理由、忘れたころに思い出す理由、その間の脳の動き、対応策について調べましたので以下に説明します。そして、最後には、ド忘れのイライラが笑えることを目指しています。

喉まで出かかっているのに!必死なときほど思い出せない理由

脳の引き出しの前で起きる大渋滞「ブロッキング」

 思い出したいのに思い出せない、まさに「喉まで出かかっている状態」があります。そして、心理学では、この現象をTOT現象(Tip of the Tongue / 舌先現象)と呼びます。このとき、脳の中では「記憶の住所(どこにあるか)」は分かっています。しかし、引き出しを開けるルートが一時的に通行止めになっています。

 そして、その原因こそが、あなたの「思い出そう!」という強い必死さ、つまり「焦り」です。「思い出さなきゃ」と強く意識すると、脳の前頭葉という部分に過剰なストレス(負荷)がかかります。すると、ターゲットの手前にある「別の似たような記憶」や「焦りの感情」がルートを塞ぎます。そして、これにより、脳内で情報の大渋滞(ブロッキング)が起きてしまいます。つまり、必死になればなるほど、脳の引き出しのロックは強固になってしまうことになります。

忘れた頃にパッと降ってくる!脳の裏方仕事「2つの科学的理由」

 なぜ諦めて数時間経つと、突然ひらめくように思い出すのかという疑問が浮かびます。そして、そこには脳の驚くべき2つのシステムが関係しています。以下に説明します。

あなたが諦めても、脳は諦めない「インキュベーション効果」

 心理学には、一度直面した問題をあえて放棄して時間を置くと、無意識のうちに解決策や記憶が導き出される「インキュベーション(孵化:ふか)効果」という現象があります。つまり、鳥が卵をじっと抱いて温め、ヒナを孵化させるようなものです。つまり、人間の脳もまた、意識(表舞台)が別の方向を向いている間に、潜在意識(舞台裏)の奥底で、お目当ての記憶をじっと温めて大捜索し続けています

 あなたが考えるのをやめた瞬間、脳内ではバックグラウンド検索のスイッチがオンになります。そして、数時間、脳は裏で静かに記憶のネットワークを巡ります。そこで、ついに目的の記憶を見つけ出したとき、意識の表舞台へ「あったよ!」とパスを出します。これが「ふっと思い出す」の正体です。

脳のリラックスタイムに起動する「デフォルト・モード・ネットワーク」

 もうひとつの理由は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の働きです。まず、私たちが仕事や勉強に集中しているとき、このDMNは眠っています。しかし、以下のような「ぼんやりした瞬間」に、DMNは一斉に活動を開始します。

  • シャワーを浴びているとき
  • 散歩をしているとき
  • ベッドに横たわっているとき
  • 単純な皿洗いや歯磨きをしているとき

 そして、DMNが起動すると、脳はそれまで散らかっていた情報を整理整頓します。続いて、記憶の引き出しへのアクセスルートを綺麗に掃除してくれます。そこで、リラックスしたことで脳の渋滞(ブロッキング)が解消されます。そして、裏方(インキュベーション)が見つけた記憶が、ノーブロックでパッと脳裏に飛び込んできます。

「思い出せない」から「ひらめく」までの脳の動き

ステップ1:思い出そうと必死なとき 〜前頭葉の「無茶振り」とアクセス拒否〜

  • 脳内の状況: 前頭葉(ぜんとうよう)の過剰な興奮 ➔ 「ブロッキング(干渉)」の発生
説明:

 あなたが「思い出したい!」と強く念じています。その時、脳の司令塔である前頭葉は、記憶の保管庫である海馬に向かっています。そして、「おい、アレを今すぐ出せ!」と命令を出しています。 しかし、必死になればなるほど前頭葉にストレスがかかります。そこでは、ターゲットの記憶の周りにある「別の似たような記憶」や「焦りの感情」まで一緒に引き寄せてしまいます。その結果、記憶の引き出しの前が大渋滞(ブロッキング)を起こし、アクセスルートが完全に塞がれてしまいます。これが「出かかっているのに出ない(TOT現象)」の正体です。

ステップ2:諦めた瞬間 〜「バックグラウンド検索」の命令完了〜

  • 脳内の状況: 意識の切り替え ➔ 潜在意識(無意識)へのタスク委譲
説明:

 「あーもう諦めた!」と考えるのをやめると、前頭葉の過剰な興奮がスーッと収まります。しかし、脳のすごいところはここからです。前頭葉が諦めても、脳の裏方(潜在意識)には「未解決のタスク」としてしっかり登録されます。つまり、スマホのアプリを閉じた後も、裏で通知チェックが走り続けているのと同じ状態です。そして、脳の奥深くで「静かな大捜索」がスタートします。心理学でいう「インキュベーション(孵化)効果」のスイッチが入る瞬間です。

ステップ3:数時間後(作業中・リラックス中) 〜脳内ネットワークの総当たり捜索〜

  • 脳内の状況: デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の起動 ➔ 記憶の整理
説明:

 別の仕事に集中したり、お風呂やベッドでボーッとリラックスしているとき、脳内では「DMN」という広大なネットワークが活発になります。また、DMNは、脳内の散らかった情報を整理整頓する役割を持っています。

 前頭葉からのストレスから解放された脳は、リラックスした状態です。そして、網の目のように張り巡らされた「記憶のネットワーク(意味ネットワーク)」を隅々まで探索します。障害物(渋滞)がなくなったため、裏方たちは「あ、これじゃないな」「これでもないな」と、高速で総当たり検索を行っています。

ステップ4:思い出した瞬間 〜「Aha!(アハ)」の瞬間と快楽物質のバースト〜

  • 脳内の状況: 正解ルートの開通 ➔ ドーパミンの大量分泌
説明:

 裏方の捜索隊が、ついに目的の記憶(例:あの俳優の名前)を発見します。すると、海馬から前頭葉へと繋がるルートがパッと開通し、意識の表舞台にその情報が放り投げられます。そこで、このとき、脳内では「アハ・エクスペリエンス(アハ体験)」が起きます。そして、一瞬で「脳全体の神経細胞が同期して激しく発火」します。同時に、謎が解けたご褒美として快楽物質のドーパミンがドバッと分泌されます。その結果、あの「あぁ、スッキリした!」という脳がとろけるような最高の快感が生まれます。

対応策:もう数時間も待たない!ド忘れを最速で解決する「脳ユルめ術」

 脳が「リラックスしている時」に記憶を探すのが得意です。そのため、その環境を意図的に作ってあげれば、数時間も待つ必要はなくなります。

「3回考えてダメなら、完全に諦める」

 ダラダラと考え続けるのは脳の渋滞を長引かせるだけです。「脳の裏方さんよろしく!」と声に出すくらいの気持ちで、あえてきっぱり考えるのをやめます。そして、全く別の作業に没頭してバックグラウンド検索を起動させます。

「5分間だけ目を閉じて、頭をカラッポにする」

 目を閉じて視覚情報を遮断し、ぼんやりすることでDMNを強制起動させます。

「あえて『4つのB』のアクションを起こす」

 昔からアイデアや記憶が降りてきやすい場所として「4つのB」があります。

 そのため、ド忘れしたら、お茶を一杯飲む、少し歩く、顔を洗うなど、意図的に「4つのB」に近い状態を身体に作ってあげます。

まとめ

 ここまで、必死な時ほど思い出せない理由、忘れたころに思い出す理由、その間の脳の動き、対応策について説明しました。まず、必死な時ほど思い出せない理由について、脳の引き出しの前で起きる大渋滞「ブロッキング」説明しました。次に、忘れたころに思い出す理由について、あなたが諦めても、脳は諦めない「インキュベーション効果」脳のリラックスタイムに起動する「デフォルト・モード・ネットワーク」を説明しました。続いて、脳の動きについて、思い出そうと必死なとき諦めた瞬間数時間後思い出した瞬間の状態について説明しました。最後に、対応策について、3回考えてダメなら、完全に諦める5分間だけ目を閉じて、頭をカラッポにするあえて『4つのB』のアクションを起こすを説明しました。

 まず、必死な時ほど思い出せない、忘れたころに思い出すのはあなたの脳がバグっているわけでも、衰えているわけでもありませんでした。まず、思う出そうとして前頭葉に過剰なストレスがかかりました。続いて、「別の似たような記憶」や「焦りの感情」がルートを塞ぎました。そして、その結果、脳内で情報のブロッキングが起きていました。

 私には、このような現象が頻繁にあり、すぐには思い出すことができないことがありました。そして、何となくリラックスしたときに思い浮かぶという感覚はありました。しかし、対策「4つのB」と呼ばれているものがあることについては知りませんでした。Bar:バー、Bath:お風呂、Bus:移動中、Bed:寝床などのリラックスする場面でした。そして、なんとなく裏付けが取れたような気がしました。

 

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