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歩くだけでグッタリ:なぜ人混みはあんなに疲れるのか?脳科学で迫る疲労の正体

脳科学
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 休日にちょっと大きめのショッピングモールに出かて、店を見て回ります。また、平日の通勤ラッシュに揉まれたりしただけです。それなのに、家に帰ると一歩も動けないほど疲れていることはありませんか?そして、周りの人は平気そうなのに、どうして自分だけこんなに疲れるんだろう……。または、体力がなさすぎるのかななどと考えてしまいそうです。そんな風に、自分の体力のなさやメンタルの弱さを責めてしまう人も少なくないようです。

 しかし、人混みでドッと疲れるのは、あなたの体力の問題ではないようです。これは、ただ単に、脳が正しく「危険信号」を出している証拠のようです。つまり、脳は、大量の人間がひしめく空間に入るだけで自覚している以上のフル回転を強いられいます。

 そこで、このブログでは、人混みが私たちの心と体を削る理由に注目することにしました。そして、疲れてしまう理由、HSPと人混みの関係、対応策について調べましたので以下に説明します。

体力不足じゃない!人混みで脳と体が「泥のように疲れる」3つの理由

 まず、人混みにいるとき、私たちの意識の裏側では、以下のような大パニックが起きています。

脳の情報処理が追いつかない(情報オーバーロード)

 人間の脳は、視界に入る膨大なデータを無意識にすべて処理しようとします。例えば、「他人の動き」「話し声」「足音」「色鮮やかな看板」などです。そのため、人混みの中にいるだけで、脳の処理能力は常に100%を使っているような状態になります。そして、これが、歩いただけなのに激しい頭痛や倦怠感を引き起こす「脳疲労」の正体になります。

パーソナルスペースが侵され、警戒モード(ストレス)が続く

 人間には、これ以上他人に近づかれたくないという縄張り意識「パーソナルスペース」があります。そして、人混みでは、見知らぬ他人にこのスペースを絶えず侵入され続けられます。そのため、脳の警戒システム(扁桃体)がオンになりっぱなしになります。そこで、自律神経戦闘モード(交感神経優位)になり、無意識に筋肉が緊張し疲弊してしまいます。

他人の感情を無意識に浴びている(ミラーニューロンの過剰活性)

 人間の脳には、「ミラーニューロン」という仕組みがあります。そして、ミラーニューロンは、他人の行動や感情を鏡のように我がこととして感じ取るものです。そして、人混みには、イライラしながら歩く人、急いでいる人、疲れている人等の人がいます。つまり、人混みはネガティブな感情のスクランブル交差点ということになります。そして、感受性が強い人(HSPなど)ほど、これらをスポンジのように吸い込んでしまい、精神的にクタクタになります。なお、HSPについては以下に取り上げます。

HSPと人混みの関係について

なぜHSPは「人混み」で人一倍疲れるのか?

 HSPには、その特徴を表す「DOES(ダズ)」という4つの根底にある性質があります。そして、人混みに入った時、この4つの性質すべてがフル稼働してしまいます。そのため、あっという間にエネルギー切れ(脳疲労)を起こしてしまいます。以下に、DOESについてそれぞれ説明します。

D:Depth of Processing(深く処理する)

 HSPの脳は、目に入ったものを単なる「背景」として流せません。そして、人混みに入ると、以下のような状況を取り込んでしまいます。

  • 「あの人、急いでいてイライラしているな」
  • 「後ろの人の足音がいつもより速いな」
  • 「このお店のBGM、少し不穏な感じがする」

 そして、周囲のあらゆる情報を無意識のうちに脳の奥深くでシミュレーションし、分析してしまいます。また、すれ違う人の数だけこの深掘りが行われるため、脳が過熱状態になります。

O:Overstimulation(過剰に刺激を受けやすい)

 非HSP(繊細でない人)の脳には、不要なノイズを自動でカットするフィルターが備わっています。しかし、HSPの脳はこのフィルターが非常に薄い、あるいは存在しない状態です。例えば、人混み特有の「ガヤガヤした話し声」「派手な看板の色彩」「行き交う人の体温や香水の匂い」「物理的な距離の近さ」があります。そして、これらのものが遮るものなくダイレクトに脳に飛び込んできます。そのため、神経が常にピリピリと張り詰めてしまいます。

E:Emotional reactivity and Empathy(感情的反応と高い共感性)

 HSPは、「ミラーニューロン」の働きが活発だと言われています。そして、人混みの中には、楽しそうな人だけでなく、疲れている人、不機嫌そうな人、泣いている子供など、様々な感情が渦巻いています。そこで、HSPは、それらの他人のネガティブな感情を「自分のこと」のようにスポンジのように吸収してしまうため、歩いているだけで精神的にドッと疲弊します。

S:Sensing the Subtle(些細な刺激を察知する)

 例えば、すれ違う人が一瞬、肩をすぼめた、後ろを歩く人の気配が、自分を追い越したがっているなどがあります。そこでは、HSPは、他の人が気づかないような微細な変化に瞬時に気づきます。そして、ぶつからないように常に周囲の「間合い」や「空気感」を計算し続けています。そのため、人混みを出る頃にはぐったりしてしまいます。

人混みにおける「脳内メモリ」のイメージ

 つまり、HSPの脳は、街中でマルチタスクをフル稼働で動かし続けていることになります。そのため、例えば、「スマートフォンのメモリ」が100%の状態を継続しているようなものです。つまり、あなたの体力が無いのではなく、脳が人一倍高性能なマルチタスクを行っているから疲れるのは当然ということになります。

HSPのための人混み対策

  1. 感覚のシャッターを下ろす(五感のガード)
    • ノイズキャンセリングイヤホンで好きな音楽や自然音を聴きます。(聴覚の遮断)
    • 伊達メガネや帽子を深く被り、視界に入る情報量を物理的に減らします。(視覚の遮断)
  2. 「心のバリア」をイメージする
    • すれ違う人の感情を吸収しないようにします。例えば、「自分と相手の間には透明なガラスの壁がある」と頭の中でイメージします。
  3. 「1人の時間」を予定に組み込む
    • 人混みに行った後は、必ずカフェの端の席で15分ぼーっとします。または、家に帰ったら暗い部屋で横になるなど、「脳のクールダウン時間」をお出かけとセットで計画します。

人混みのダメージを最小限に抑える「4つの防衛方法」

 人混みを完全に避けることは難しいことです。しかし、脳に入る情報量をコントロールすることで、疲労度は劇的に減らすことができます。その方法の例を以下に示します。

防衛アイテム具体的なアクション期待できる効果
1. ノイズキャンセリングイヤホンで音楽や環境音を流し、雑音を遮断します。聴覚からの情報流入を8割カットし、脳の消費電力を抑えます。
2. 視界のコントロール帽子を深く被る、サングラス・伊達メガネをかけます。視覚的な刺激(他人の目線や動き)が直接脳に入るのを防ぎます。
3. スマホの「1点」を見る移動中、あえて周囲を見ずに足元やスマホの画面に視線を固定します。周囲の景色を脳に認識させず、パーソナルスペースの崩壊を防ぎます。
4. 事前の「退路」確保出かける前に「疲れたら逃げ込める静かなカフェ」を調べておきます。「いつでも休める」という安心感が、脳の警戒モードを和らげます。

まとめ

 ここまで、人混みで疲れてしまう理由、HSPと人混みの関係、対応策について説明しました。まず、疲れてしまう理由について、脳の情報処理が追いつかないパーソナルスペースが侵され、警戒モード他人の感情を無意識に浴びているを説明しました。次に、HSPと人混みの関係について、なぜHSPは「人混み」で人一倍疲れるのか?人混みにおける「脳内メモリ」のイメージHSPのための人混み対策を説明しました。最後に、対応策として、人混みのダメージを最小限に抑える「4つの防衛方法」を説明しました。

 まず、人混みでドッと疲れるのは、あなたの体力の問題ではありませんでした。これは、人混みの情報を正しく処理し、脳が正しく「危険信号」を出している証拠でした。そして、脳が人混みで一生懸命に働いてエネルギーを消費していました。また、より疲れてしまうのは、あなたが周囲の環境や他人の状態を敏感に察知できる「優秀なセンサー」を持っていて、正しく動作していることになります。こう考えてみると決して悪いことではないことになります。また、「今日はたくさん脳を使ったな」と思ったら、外部刺激を少なくしてクールダウンさせることが一番のような気がしました。

 人混みで疲れるのは、多くの視覚情報を処理すているということは何となく想像できました。しかし、パーソナルスペースが関係していることは意外でした。そう言われれば、なるほどという部分ですが、思いつきませんでした。加えて、ミラーニューロンの影響は思ってもみませんでした。

 

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