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なぜ「言われた嫌なこと」だけ強く残り、「自分の発言」は忘れるのか:記憶の科学

科学
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 人に言われた嫌なことは、ふとしたタイミングで思い出したりします。しかし、人に言った言葉は、全く思い出すことはありません。つまり、人は、他者から言われた否定的な言葉を長く記憶するようです。しかし、一方で、 自分が発した言葉については記憶が曖昧になることが多々あります。また、周りでも、「だれだれにこんなことを言われた。ひどい!」などということはたびたび耳にするような気がします。

 そして、この現象は、あなたが嫌な人間であるからではないようです。そして、そこには脳の情報処理、感情の働き記憶のメカニズムが複雑に関与しているようです。また、この現象は、心理学・神経科学に関係してるようです。

 そこで、このブログでは、「言われた嫌なことが記憶に強く残る」ことに注目しました。そして、言われた嫌なことだけが強く残る理由、記憶の偏りによる人間関係のすれ違い、コミュニケーションの対処法について調べましたので以下に説明します。

「言われた嫌なこと」だけ強く残る理由

ネガティブ情報が強く記憶される「ネガティビティ・バイアス」

 まず、脳は進化的に、危険や脅威となる情報を優先的に処理するよう設計されています。そして、この傾向は ネガティビティ・バイアス(negativity bias) と呼ばれます。そのため、言われた嫌な言葉は「生存に関わる重要情報」として脳が優先的に保存します。その理由を以下に示します。

  • 否定・侮辱・批判は脳にとって「潜在的な脅威」
  • 扁桃体(感情処理の中枢)が強く反応し、記憶の固定が促進される
  • 感情喚起が強いほど、海馬での長期記憶化が起こりやすい

自分の発言が記憶されにくい理由:自己関連付けの弱さ

 自分が発した言葉は、脳にとって「外向きの行動」であり、 危険情報として処理されません。そして、そのため以下のような状況になります。

  1. 感情喚起が弱い
     自分の発言は、自分自身の意図や文脈を理解した上で発しているため、 感情の動きが小さく、記憶の固定が起こりにくい。
  2. 認知リソースの分散
     会話中は、相手の反応の予測文脈の理解次の発言の準備など複数の認知処理が同時に走っています。そして、そのため、発言内容そのものを記憶するためのリソースが不足します。
  3. 自己関連付け記憶の特性
     人は「自分に関する情報」を強く記憶する傾向があります。しかし、 自分の発言は「自分に向けられた情報」ではありません。そのため、 自己関連付けが弱く、記憶に残りにくくなります。

記憶の非対称性が生むコミュニケーションのズレ

 このような記憶の偏りは、以下のようなすれ違いを生みます。ただし、科学的に見れば、これは双方の脳が「異なる優先順位で情報を保存している」ために起こる自然な現象です。

  • 受け手は「強い感情を伴う言葉」を鮮明に記憶
  • 送り手は「感情の負荷が小さい発言」を覚えていない
  • 記憶の強度が異なるため、同じ出来事でも認識が一致しない

記憶の偏りを踏まえたコミュニケーション改善の対処法

  1. 発言は「相手の脳に強く刻まれる可能性がある」と理解します
     自分が覚えていなくても、相手は覚えている可能性が高いと考えます。
  2. 感情が高まった場面では発言の影響が増大します
     扁桃体が強く反応するため、相手の記憶に残りやすいと考えます。
  3. 記憶のズレを「脳の仕組み」として理解します
     「そんなこと言ってない」は科学的に見ても不毛です。そのため、 記憶の非対称性を前提にした対話が有効というように考えます。

まとめ

 ここまで、言われた嫌なことだけが強く残る理由、記憶の偏りによる人間関係のすれ違い、コミュニケーションの対処法について説明しました。まず、言われた嫌なことだけが強く残る理由について、ネガティビティ・バイアス自己関連付けの弱さを説明しました。つぎに、記憶の偏りによる人間関係のすれ違いについて、記憶の非対称性が生むコミュニケーションのズレについて説明しました。最後に、対処法として、記憶の偏りを踏まえたコミュニケーション改善として3つを説明しました。

 まず、あなたが嫌な人間であるからではありませんでした。また、そこには脳の情報処理、感情の働き、記憶のメカニズムが複雑に関与していました。

  • ネガティブ情報は脳の防衛機能により強く記憶される
  • 自分の発言は感情喚起が弱く、記憶の優先度が低い

 そして、この現象は、記憶の非対称性は認知心理学で説明できる自然な現象でした。それゆえ、この現象を理解することで、この理解は人間関係の摩擦を減らす助けになるような気がしました。

 また、嫌なことは、生存本能の防衛機能からきているので自分を守るために必要なことでした。そのため、深く記憶されていました。嫌な言われたことを覚えていて、言ったことを覚えていないというのは脳からすれば当然なことかもしれません。また、言われた良いことも嫌なことよりも思い出すことが少ないよう思います。生存本能で動いている部分は、気づかないんですけどすごさを感じました。

 

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