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なぜ「わからないこと」があると集中できなくなるのか?:ツァイガルニク効果とは少し違う切り口

心理
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 仕事中にふと「この単語の意味なんだっけ?」と思い出し、調べるまで気になって集中できなくなります。また、勉強中に「この問題の解き方がわからない」と詰まると、他のページに進めなくなります。そして、講演会などでもわからない言葉が出てくるとその言葉が気になって集中できなくなりました。

 そして、このように、“わからないことがある”だけで集中力が奪われる現象は誰にでも起きます。また、この範疇では、「未完了のタスクが気になる」ツァイガルニク効果が有名です。しかし、この現象は、ツァイガルニク効果では説明しきれません。また、脳の予測モデル・不確実性ストレス・注意資源の偏りという、より深いメカニズムが関係しているようです。

 そこで、このブログでは、「なぜわからないと集中できないのか?」を ツァイガルニク効果とは少し違う切り口で注目することにしました。そして、わからない状態、ツァイガルニク効果との関係、不確実性、注意資源、未解決問題について調べましたので以下に説明します。

脳は「わからない状態」を嫌うようにできている

 脳は常に次に何が起きるかを予測しながら働いています。そして、これは 予測モデルと呼ばれる仕組みです。

予測できない=脳にとって“危険信号”

 そして、わからないことがあると、脳は 「この状態は安全か?」 「何が起きるかわからない」 と判断します。そして、注意をそちらに向けます。つまり、わからない=脳が優先して処理すべき問題とみなされます。そして、そのため、他の作業に集中できなくなります。

ツァイガルニク効果とは違うポイント

 ツァイガルニク効果は 「未完了のタスクが気になる」という現象です。しかし、今回のテーマは少し違います。

今回の現象は「タスク」ではなく「認知の穴」
  • 調べたい言葉
  • 思い出せない情報
  • 理解できない概念
  • 解けない問題

 また、これらは“タスク”ではなく、脳の予測モデルに穴が空いた状態です。そして、穴が空くと、脳はその部分を埋めようとして注意を奪われ続けます。

不確実性は脳にストレスを与える

 「わからない」は不確実性そのものです。そして、不確実性はストレスを生む最強の要因とされています。

不確実性ストレスの特徴
  • 予測できない
  • コントロールできない
  • 結果がわからない

 つまり、この状態では、脳は「他の作業より、まずこの不確実性を解消しよう」と判断します。そして、そのため、集中力が“わからないこと”に吸い寄せられることになります。

注意資源は有限で、奪われると戻ってこない

 また、脳の注意資源(attention resource)は有限です。そこで、「わからないこと」があると、その部分に注意資源が割かれます。その結果、他の作業に使える資源が減ることになります。

注意の“割り込み”が起きる
  • 作業中に突然思い出す
  • 気になって何度も考える
  • 別の作業をしていても頭の片隅に残る

 これは注意の割り込みと呼ばれ、 集中力を大きく低下させます。

脳は「未解決の問題」を優先するように進化している

 進化心理学的に見ると、未解決の問題は生存に関わる可能性があります。そのため、脳は優先して処理するようにできています。以下のような例があります。そして、この“未解決優先モード”が現代にも残っており、 わからないことがあると集中できなくなります。

  • 「この音は何?」(危険かもしれない)
  • 「この道は正しい?」(迷うと危険)
  • 「この植物は食べられる?」(命に関わる)

まとめ

 ここまで、わからない状態、ツァイガルニク効果との関係、不確実性、注意資源、未解決問題について説明しました。まず、わからない状態について、脳は「わからない状態」を嫌うようにできているを説明しました。つぎに、ツァイガルニク効果との関係について、ツァイガルニク効果とは違うポイントについて説明しました。続いて、不確実性について、不確実性は脳にストレスを与えるを説明しました。加えて、注意資源について、注意資源は有限で、奪われると戻ってこないを説明しました。最後に、未解決問題について、脳は「未解決の問題」を優先するように進化しているを説明しました。

 まず、「わからないこと」があると集中できなくなる理由は、 ツァイガルニク効果だけでは説明できませんでした。そして、心理学・脳科学の観点から見ると、次の要因が重なっていました。

  • 脳は予測できない状態を嫌う(予測モデルの穴)
  • 不確実性は脳にストレスを与える
  • 注意資源が“わからないこと”に奪われる
  • 未解決の問題を優先するように進化している
  • ツァイガルニク効果とは違い、今回は「認知の穴」が原因

 つまり、わからない=脳が最優先で解決したい問題となります。そのため、他の作業に集中できなくなりました。また、この仕組みを理解すると、「気になって集中できない自分」を責める必要はなくなります。そして、それは脳の自然な反応だからです。

 

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