SNSを見ていると、「え、本当?」と思うようなニュースが爆発的に広まり、後から「フェイクでした」と訂正されることがあります。しかし、奇妙なのは、本物のニュースより、フェイクニュースの方が速く、広く、強く拡散することです。
そこで、なぜ嘘の情報がここまで広がるのか? なぜ人はフェイクに反応しやすいのか? また、なぜ訂正しても信じてもらえないのか?このような疑問が浮かびます。そして、その背景には、脳の報酬系(ドーパミン)・感情誘発・認知バイアス・SNSの構造が複雑に絡み合った“科学的な理由”があるようです。
そこで、このブログでは、フェイクニュースが広まりやすい心理メカニズムに注目することにしました。そして、報酬系との関係、感情との関係、認知バイアス、SNS構造との関係、物語性について調べましたので以下に説明します。
フェイクニュースは「脳の報酬系」を強く刺激する
フェイクニュースは、脳の報酬系を刺激するように作られています。
本物より“刺激が強い”
本物のニュースは事実に基づくため、地味、複雑、感情が動きにくいという特徴があります。そして、その一方フェイクニュースは、人が反応しやすいように“刺激を最大化”して作られます。そして、そのため、 脳が「面白い」「驚いた」「誰かに伝えたい」と感じやすくなります。
ドーパミンは「共有したくなる気持ち」を生む
驚き・怒り・恐怖・興奮などの強い感情が生まれると、脳はドーパミンを分泌します。また、ドーパミンは「誰かに伝えたい」「広めたい」という行動を強化します。そして、そのため、フェイクニュースは自然と拡散されやすくなります。
フェイクニュースは「感情を揺さぶるように設計されている」
フェイクニュースの多くは、 感情を誘発を最大化する構造を持っています。
怒り・恐怖は拡散力が最強
心理学では、怒り、恐怖、不安は、最も拡散されやすい感情とされています。そして、フェイクニュースはこの性質を利用し、「危険」「陰謀」「裏切り」「不正」など、強い感情を引き起こす言葉を多用します。
本物のニュースは感情が弱い
そして、事実ベースのニュースは、感情誘発が弱いため、拡散力が低くなります。
認知バイアスがフェイクニュースを“信じやすくする”
人間は合理的に情報を判断しているようで、 実際には多くの認知バイアスに影響されています。
- 確証バイアス
自分が信じたい情報だけを信じる傾向です。そして、フェイクニュースはこの“信じたい気持ち”に合わせて作られます。 - 単純接触効果
何度も見た情報は「本物」に感じます。つまり、SNSで繰り返し流れるフェイクは、真実に見えてしまうことになります。 - 感情ヒューリスティック
「感情が強い情報=重要な情報」と錯覚します。そして、フェイクニュースは感情が強いため、重要に見えます。
SNSの構造がフェイクニュースを加速させる
フェイクニュースが広まりやすいのは、脳だけでなくSNSの仕組みによるものでもあります。
アルゴリズムは“刺激の強い情報”を優先する
SNSのアルゴリズムは、反応が多い、感情が強い、コメントが増える情報を優先的に拡散します。つまり、フェイクニュースはアルゴリズムに好まれるということになります。
本物のニュースはアルゴリズム的に不利
また、事実ベースのニュースは反応が弱いため、アルゴリズムに押し上げられにくい構造があります。
フェイクニュースは「物語性」が強い
人は物語(ストーリー)に弱い生き物です。また、フェイクニュースは、悪役、被害者、裏切り、陰謀などがあります。そして、物語の構造を持つことが多く、脳が「理解しやすい」「覚えやすい」と感じます。しかし、その一方、本物のニュースは複雑で、 物語として理解しにくいことが多いです。
まとめ
ここまで、報酬系との関係、感情との関係、認知バイアス、SNS構造との関係、物語性について説明しました。まず、報酬系との関係について、フェイクニュースは「脳の報酬系」を強く刺激するを説明しました。つぎに、感情との関係について、フェイクニュースは「感情を揺さぶるように設計されている」を説明しました。続いて、認知バイアスについて、認知バイアスがフェイクニュースを“信じやすくする”を説明しました。加えて、SNS構造との関係について、SNSの構造がフェイクニュースを加速させるを説明しました。
また、フェイクニュースが本物より広まりやすいのは、脳とSNSの構造がフェイクに有利だからでした。そして、以下のような特徴がありました。
- フェイクは脳の報酬系(ドーパミン)を強く刺激する
- 怒り・恐怖などの感情を揺さぶるように設計されている
- 認知バイアスがフェイクを信じやすくする
- SNSのアルゴリズムは刺激の強い情報を優先する
- フェイクは物語性が強く、理解しやすい
つまり、フェイクニュースは「広まりやすいように作られた情報」でした。そして、本物のニュースが負けるのは自然な現象でした。そこで、仕組みを理解することで、フェイクに惑わされない“情報リテラシー”が身につきます。

コメント