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「全治1ヶ月」は軽傷?ニュースの「重傷・重症・軽傷」の定義と医療・警察のズレ

社会
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 交通事故や事件のニュースでよく耳にする「全治1ヶ月」「重傷」「軽傷」という言葉があります。そこで、骨折して全治1ヶ月は、かなり大変だから『重傷』と考えてしまいますがそうではないようです。また、『命に別条なし』で軽傷って言ってたけど、入院しているということもあります。そして、このようなニュースの表現を聞いて、違和感を覚えたことがあります。

 まず、一般人が抱くイメージと、警察や医師・メディアが使う言葉の基準には大きな「ズレ」が存在します。そして、そのため、言葉の表面だけを捉えていると「そんな大ケガなのに軽傷なの!?」と驚くことになります。また、コロナの感染が広がった時にも、それで軽症と感じたことがあったような気がしました。

 そこで、このブログでは、「全治◯ヶ月」の意味、「重傷・重症・軽傷」の定義に注目しました。そして、全治1か月、全治の意味、重症と重傷の違い、警察や医療現場での判定基準の違いについて調べました。以下に説明します。

まず結論!「全治1ヶ月」は警察の基準だと「軽傷」になる?

 警察の交通事故統計や事件の発表があります。そこでの、「全治1ヶ月未満(30日未満)」のケガはすべて「軽傷」に分類されます。しかし、世間一般の感覚では、「骨折して全治1ヶ月」と言われれば「重傷」と感じるのが普通です。そこで、1ヶ月も自由が利かないのですから、生活にも大きな支障が出ます。しかし、公的な基準(警察の統計基準など)では以下のように一律で線引きされています。

  • 軽傷:全治30日未満(1ヶ月未満)の負傷
  • 重傷:全治30日以上(1ヶ月以上)の負傷

 つまり、「全治29日の骨折」は警察の発表上、問答無用で「軽傷」扱いになります。そして、これが、私たちがニュースを聞いたときに覚える最大の「ズレ」の正体になります。

「全治◯ヶ月」の本当の意味とは?「完治」との決定的な違い

 そもそも、「全治」という言葉の意味を正しく理解できていないケースも少なくありません。

「全治」=日常生活が元通りになる日ではない

 「全治1ヶ月」と聞くと、「1ヶ月経てばケガをする前の元気な状態に戻る」と思いがちです。しかし、これは誤解です。医療現場における「全治」とは、「医師による治療が不要になるまでの期間」を指します。つまり、通院・投薬・処置などが不要になるまでになります。

  • 全治1ヶ月:治療や通院が完了するまでに必要な期間が約1ヶ月
  • 完治(かんち):リハビリも含め、後遺症なく元の状態に完全に回復すること

 たとえば、骨折してギプスが外れ、通院が終わった時点(=全治)があります。しかし、以前のようにスムーズに走れるようになるまでのリハビリ期間は「全治」の期間に含まれません。そのため、「全治1ヶ月」と診断されても、実際に元通りの生活に戻るまでにはもっと長い時間がかかるのが現実です。

知っておきたい「重傷」と「重症」の違い

 ニュースをよく見ていると、漢字の表記が「重傷」と「重症」の2通りあることに気づきます。これも明確に使い分けられています。

「重傷」=怪我の程度(主に外傷・警察用語)

 怪我(外傷)の程度が重い場合に使われます。また、前述の通り、警察や報道の基準では「全治30日以上の負傷(ただし命に危険はない状態)」を指します。

  • 例:大腿骨の複雑骨折、内臓破裂(全治数ヶ月のケガだが、バイタルは安定している)

「重症」=病気や命の危険度(主に医療用語)

 病状や生命の危険度が高い場合に使われます。医療機関の基準では、「3日以上の入院を必要とする状態、または生命の危険がある状態」を指します。

  • 例:急性心筋梗塞、重度の感染症、集中治療室(ICU)での治療が必要な状態

 つまり、命に別条はないけれど長期の治療が必要な骨折は「重傷」とされます。そして、生命維持に関わる重篤な状態は「重症」と使い分けられています。

なぜ世間のイメージと警察・医療の基準はズレるのか?

 なぜこのような分かりにくい基準になっているのでしょうか。理由は主に3つあります。

警察の目的は「事務的・客観的な統計管理」だから

 警察が事故や事件の被害状況を分類する際、「痛そうだから」「可哀想だから」といった主観を入れるわけにはいきません。つまり、「全治30日」という客観的な数値で線を引きます。そして、これにより、全国一律の統計や行政処分(免許停止など)の基準を維持しています。

初診時の医師の診断は「見込み」で書かれるから

 ニュースで報道される「全治◯ヶ月」は、事故直後に医師が作成した診断書の「見込み期間」です。また、後から症状が悪化して治療が長引いたり、逆に早く治ったりすることもあります。しかし、速報性を重視する報道では初診時の数値がそのまま使われます。

報道機関の用語ルール(表記協定)があるから

 新聞やテレビなどのメディアは、日本新聞協会などのルールに基づき、警察発表の「軽傷・重傷」という分類をそのまま採用して報じます。そのため、一般感覚から離れた「全治1ヶ月=軽傷」というフレーズがそのままお茶の間に流れることになります。

まとめ

 ここまで、全治1か月、全治の意味、重症と重傷の違い、警察や医療現場での判定基準の違いについて説明しました。まず、全治1か月について、警察の基準だと「軽傷」になる?を、全治の意味について、「全治◯ヶ月」の本当の意味とは?「完治」との決定的な違いを説明しました。つぎに、重症と重傷の違いについて、「重傷」=怪我の程度(主に外傷・警察用語)、「重症」=病気や命の危険度(主に医療用語)を説明しました。最後に、なぜ世間のイメージと警察・医療の基準はズレるのか?を説明しました。

 ニュースで流れる「全治◯ヶ月」や「軽傷・重傷」の言葉の裏には、以下のような基準とズレが存在しました。

  • 「全治」の意味:元通り治ることではなく、「医師の治療が終わるまでの期間」。
  • 軽傷と重傷の境目:警察の基準では「全治30日(1ヶ月)」が境界線。全治29日の骨折は「軽傷」。
  • 重傷と重症の違い:命に別条はないが大ケガなら「重傷」、生命の危険や重篤な状態なら「重症」。

 「全治1ヶ月の軽傷」と聞くと軽く聞こえてしまいます。しかし、実際には通院やリハビリを含めると長期間の苦痛を伴う大ケガであることがほとんどです。このように、ニュースの言葉の背景を知っておくと、報道の裏側にある実際の状況を正しく読み解くことができるようになると思われます。

 また、全治1か月と言われると非常に長いような気がしていました。しかし、投薬、通院がなくなるまでと言われるとそうでもないかもしれないような気がしました。背景を知ることで視点が少し変わったような気がしました。

 

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