スマホがない!と部屋中を探しまわっていたら、自分の手に握られていたを聞いたことがあります。また、探していた鍵が、テーブルの真ん中に堂々と置いてあったというのも聞いたことがあります。そして、私も探していたものが目の前にあったということが時々あります。また、誰しも一度は、このような「自分の目が信じられなくなる瞬間」を経験があるような気がします。
そして、「落ち着きがない」「うっかりしている」と自分を責めてしまいがちです。しかし、これは、あなたの視力や注意力不足のせいではないようです。人間の脳が効率よく世界を認識するために備えている機能があります。そして、「ある強力な機能」が裏目に出たときに起きる“脳のバグ”のようです。なぜ、脳が視界の真ん中にある物体を「見えなかったこと」にしてしまうのかという疑問が浮かびます。
そこで、このブログでは、探しているものが見つからない理由に注目することにしました。そして、脳が見ていない、心理メカニズム、探すのをやめると見つかる理由、対処法について調べましたので以下に説明します。
脳は「見て」いない。「検索画像」と照合しているだけ
「見ている」と「認識している」は別物
網膜に光が届いていても、脳がそれが何であるかを処理しなければ、意識にはのぼらない。
トップダウン処理(Top-down Processing)の罠
脳は探すとき、過去の記憶をもとに「探したいもののイメージ」を脳内にセットします。例えば、赤くて四角い財布などです。
照合エラーが生む盲点
もし探しているものが、裏返しになっている、影になっている、本来と違う場所にあると、脳内の検索イメージと一致しません。そのため、視界に入っていてもスルーしてしまいます。
目の前にあるのに見えない「2つの心理的メカニズム」
非注意による盲目(Inattentional Blindness)
- 意識が「探すこと(焦り)」に集中しすぎます。すると、それ以外の視覚情報に対する感度が極端に下がる現象です。
- 有名な心理実験(「ゴリラの実験」など)があります。これらと同様に脳は注視している対象以外の膨大な視覚情報を無視する性質があります。
期待バイアスと固定観念
- 「鍵はフックにかかっているはず」「スマホはカバンの中にあるはず」という強い思い込みがあります。すると、それ以外の場所にある物体を脳が「対象外」として処理してしまいます。なお、それ以外の場所というのは、例えば、ベッドの上、手の中などです。
「探すのをやめると見つかる」の科学的理由
- 「探すのをやめた途端に出てくる」のは奇跡ではなく、脳の緊張がほぐれるためにおきます。
- 焦りや緊張が消えると、狭まっていた「視覚的注意の視野」が広がります。すると、脳内の固定イメージ(トップダウン処理)から、生の視覚情報を受け入れるボトムアップ処理へと切り替わります。
探しているものを一瞬で見つける「4つの処方箋」
「声に出して」探す(言語化の効果)
「鍵、鍵……」と声に出しながら探します。すると、脳の視覚イメージが強化され、検索精度が上がります。
いつもと違う角度・手順で見る
視界のパターンを変えるため、部屋の逆側から眺めたり、かがんで下から覗いてみます。そうするここで、脳の「見慣れた景色」というフィルターを強制解除できます。
自分の「手」と「身体」を確認する
灯台下暗し対策をします。まず、手、ポケット、頭の上など、一番身近な触覚のブラインドスポットを最初にチェックするようにします。
一回あきらめて「お茶を飲む」(脳のリセット)
数分間別の作業をします。これにより、脳の検索モード(トップダウン処理)を一度リセットします。
まとめ
ここまで、脳が見ていない、心理メカニズム、探すのをやめると見つかる理由、対処法について説明しました。まず、脳が見ていないについて、「検索画像」と照合しているだけを説明しました。つぎに、心理メカニズムについて、非注意性盲目と期待バイアスと固定観念を説明しました。加えて、探すのをやめると見つかる理由について、脳の緊張がほぐれる効果を説明しました。最後に、対処法について、4つの処方箋を説明しました。
まず、探しているものが見つからないのは、落ち着きがないことやうっかりしていることではありませんでした。そこには、私たちの脳が「超高性能なサボり屋(効率化の天才)」だからでした。まず、脳は膨大な視覚情報に押し潰されないよう、脳内の「予想イメージ」を使って世界を処理しています。そして、その効率化が裏目に出たとき、目の前のモノが消えたように感じるものでした。しかし、「また見落とした……」と落ち込む必要はありません。どうしても見つからないときは、一度深呼吸して「脳の検索フィルター」をリセットするなどが有効でした。
私もこの現象が良く起こります。そのたびに、目の前にあったのにと自分にがっかりしてしまいます。確かに、探すことに集中しすぎて視野が狭くなっているような気がしました。しかし、あまりにも多く起きるので少し探してなければ諦めるようにしていました。これが脳のリセットになっていたとは驚きでした。

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