講演会などでこれは聞いておきたいという演題でも眠気が襲ってくることがあります。また、重要な会議、授業などでも眠くなることがあります。そこで、足の太ももをつねったり、ペンで突いたりしますが眠気が収まりません。しかし、内容が大事なのは分かっているのに、どうしても眠気が襲ってきます。
そこで、「集中力がないのかな?」、 「怠けているだけ?」と考えてしまいがちです。しかし、これは 脳の仕組みがつくり出す自然な反応のようです。つまり、脳は話を理解するために大量のエネルギーを使います。そして、さらに単調な声や低刺激の音は覚醒度を下げます。また、モチベーションが低い内容ほど眠気が強くなるようです。なお、以前のブログでは、実は脳の防衛本能?人の話を聞くと眠くなる『意外なメカニズム』とはを書いています。
そこで、このブログでは、 なぜ人の話を聞くと眠くなるのかに注目することにしました。そして、話を聞くと眠くなる理由、対応策について調べましたので以下に説明します。
話を聞くと眠くなる要因
脳は「話を聞く」だけで大量のエネルギーを使う
- 脳は体重の2%なのにエネルギーの約20%を消費します。
- 特に前頭前野(理解・判断・注意の司令塔)がフル稼働します。
- ブドウ糖を使うほど「アデノシン」という疲労物質が蓄積します。そして、眠気を誘発します。
→ 難しい話ほど眠くなりやすいのは、脳が疲れている証拠でもあります。
単調な声は脳を“リラックスモード”にする
- 一定のリズム・低〜中音域・変化の少ない声は眠気を誘発します。
- 脳は「予測可能な音」を危険がないと判断し、覚醒度が下がります。
- 波の音・雨音・ピンクノイズと同じ性質を持ちます。
→ 単調なプレゼンや読み上げが眠気を誘う理由になります。
モチベーションが低いと眠気が強くなる
- 魅力の低い刺激は側坐核のアデノシン受容体を活性化します。そして、眠気を促します。
- 興味がある話は眠くならないのに、退屈な話は眠くなることが多いです。
→ 「つまらない授業で眠くなる」は脳の正直な反応
単調な内容はデフォルトモードネットワーク(DMN)を活性化する
- DMNは“ぼんやりモード”の脳回路です。
- 単調な話・変化のない説明はDMNが働きやすくなります。そして、覚醒度が低下します。
→ 会議で眠くなるのは「脳が重要性を感じていない」状態になります。
眠気を減らすための方法
① 音の“変化”を入れます
- 声のトーン・速度・強弱を変えると脳が覚醒しやすくなります。
- 聞き手側も「要点を探す姿勢」を持つと覚醒度が上がります。
② メモを取ります(能動的な処理に切り替える)
- 受動的に聞くとDMNが働きやすくなります。そこで、能動的な行動をするようにします。
- 手を動かすと前頭前野が活性化します。
③ 体を少し動かす
- 姿勢を変える・深呼吸するなどをします。
- 血流が変わると覚醒度が上がります。(一般的な生理学的知見)
④ 睡眠負債を減らす
- 睡眠不足は話を聞くときの眠気を増幅します。そして、そのため睡眠不足がないようにします。
まとめ
ここまで、話を聞くと眠くなる理由、対応策について説明しました。まず、話を聞くと眠くなる理由について、脳は大量のエネルギーを使う、脳を“リラックスモード”にする、モチベーションが低い、デフォルトモードネットワークを説明しました。つぎに、対応策について、5つの方法を説明しました。
まず、人の話を聞いていると眠くなるのは、 集中力の問題ではなく、脳の仕組みがつくり出す自然な反応でした。そして、その要因として以下のようなものがありました。
- 脳のエネルギー消費が大きい。
- アデノシンが蓄積して眠気を誘発する。
- 単調な声は脳をリラックスさせる。
- モチベーションが低いと眠気が強くなる。
- 睡眠負債があると眠気が表面化する。
逆に、人の話を聞いて眠くなるのは「脳が正常に働いている証拠」でもあります。そのため、自分を責める必要はありません。そして、大切なのは、脳が覚醒しやすい環境をつくることになります。また、音の変化・能動的な姿勢・適切な睡眠が、眠気を大きく減らす可能性があります。
なお、私の場合は、メモを取っても何を書いているかわからない状態なので、ひたすら足をペンで突っつくだけです。そして、あの会場の暗さは追い打ちをしてきます。いろいろ考えてみると睡眠負債は大きく影響しているように感じます。

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