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なぜ「変わりたいのに変われない」のか?脳が抵抗する“恒常性”

心理
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 「今年こそ習慣を変えたい」「もっと自分を成長させたい」と思うことはたびたびあります。また、「悪い癖を直したい」そう思って行動を始めても、気づけば元の生活に戻ってしまいます。そして、「変わりたいのに、変われない」頭では分かっているのに、行動が続きません。つまり、新しい習慣を始めても、気づけば元に戻ってしまいます。このようなことが繰り返されています。そして、そんな自分に落ち込んだり、「意志が弱いからだ」と責めてしまう人は少なくありません。それは、まるで見えない力に引き戻されるように、変化が続きません。

 しかし、あなたが悪いわけではないようです。脳には、“変化を拒む仕組み(恒常性:ホメオスタシス)”があります。そして、その働きがあなたの変化を止めているようです。今回はこの点に注目しました。そこで、このブログでは、なぜ変わりたいのに変われないのかについて、その要因、対応策について調べましたので以下に説明します。

変わりたいのに変われない要因

脳は「変化=危険」と判断する

 まず、知っておきたいのは、脳は変化を“危険”とみなすようにできているということです。そして、脳の最優先は「生き延びること」です。そのため、未知の行動や新しい習慣は、安全かどうか分からない、結果が予測できない、エネルギーを消費するという理由で、脳にとっては“リスク”になります。そのため、脳は、「変わらないほうが安全だ」 と判断し、あなたを元の状態に戻そうとします。これが、変化が続かない第一の理由です。

恒常性(ホメオスタシス)が“元の状態に戻れ”と指令を出す

 恒常性とは、体や心を一定の状態に保とうとする仕組みのことです。例えば、体温、血圧、心拍、ホルモンバランスなどを一定に保つ働きとして知られています。実は、恒常性は、行動・思考・感情にも働いています。そして、新しい行動を始めると、脳は「いつもと違うぞ。元の状態に戻せ」と判断します。そして、その結果、新しい習慣が続かない、気づけば元の生活に戻る、行動が三日坊主になるという現象が起きます。つまり、変化が続かないのは、脳が正常に働いている証拠になります。

扁桃体が変化を“脅威”として検知する

 新しい挑戦や習慣は、扁桃体にとって“未知の刺激”です。なお、扁桃体は危険を検知するセンサーのような役割を持ちます。そして、未知の行動に対して、不安、面倒くささ、怖さ、やる気の低下といった感情を生み出します。これは、「変化しないほうが安全だよ」という脳からの警告です。そのため、

  • 新しいことを始めると不安になる
  • 行動しようとすると面倒になる
  • 変化しようとすると怖くなる

といった反応が自然に起きます。

前頭前皮質が疲れると「変化の維持」ができなくなる

 変化を続けるには、前頭前皮質(PFC) の力が必要です。なお、PFCは、意志力、判断力、計画性、自制心を担当する領域です。しかし、ストレス、睡眠不足、疲労、情報過多、人間関係の緊張などが続くと、PFCの働きが弱まります。すると、新しい習慣を維持できない、変化を支える力がなくなる、気づけば元の行動に戻るという状態に入ります。つまり、変化が続かないのは「意志が弱い」からではなく、脳が疲れているから」ということになります。

脳は「短期的な快適さ」を優先する

 脳は、長期的な成長より、短期的な快適さを優先する という性質があります。そのため、「新しい習慣(努力が必要)」よりも「いつもの習慣(楽で快適)」を選びやすくなります。これは、脳の省エネ戦略です。例えば、SNSを見る、甘いものを食べる、いつものルーティンに戻るなどです。そして、こうした行動は、脳にとって“即時の快楽”を与えるため、変化よりも優先されてしまいます。

 なお、以前のブログで関係した内容のブログを書いています。必要であれば参照してください。なぜ「やる気」は出ないのに、スマホだけは触れるのか?報酬系のハイジャック

要因の整理:変化が続かないのは「あなたのせいではない」

 ここまでの脳の働きをまとめると、変化が続かない理由以下の通りです。つまり、変わりたいのに変われないのは、脳の自然な反応であり、あなたの性格の問題ではないことになります。

  • 脳は変化を“危険”とみなす
  • 恒常性が元の状態に戻そうとする
  • 扁桃体が不安や面倒くささを生む
  • 前頭前皮質が疲れると変化を支えられない
  • 脳は短期的な快適さを優先する

対応策:変化を続けるための脳科学的アプローチ

小さすぎる変化を積み重ねる

 脳は“大きな変化”を危険とみなします。逆に、「小さすぎて脳が反応しない変化」は続けやすいとも言えます。例えば、1日1分だけ、1行だけ書く、机の上の1つだけ片付けるなどがそれにあたります。そして、こうした小さな行動は、恒常性の抵抗を受けにくいものになります。

脳に「これは安全だ」と学習させる

 変化を続けると、脳は次第に「この行動は安全だ」 と学習します。すると、扁桃体の不安反応が弱まり、変化が自然と続くようになります。

環境を変えて恒常性を味方にする

 脳は環境の影響を強く受けます。例えば、作業場所を変える、スマホを別の部屋に置く、朝のルーティンを変えるなどです。つまり、環境を変えると、脳の“元に戻れ”という指令が弱まります。

前頭前皮質を回復させる

 PFCは、睡眠、運動、深呼吸、休息で回復します。そのため、これらの行動をします。PFCが元気になると、変化を支える力が戻り、習慣が続きやすくなります。

まとめ

 ここまで、なぜ変わりたいのに変われないのかについて、その要因、対応策について説明しました。まず、脳は「変化=危険」と判断する恒常性が“元の状態に戻れ”と指令を出す扁桃体が変化を“脅威”として検知する前頭前皮質が疲れると「変化の維持」ができなくなる脳は「短期的な快適さ」を優先するを説明しました。次に、対応策について、小さすぎる変化を積み重ねる脳に「これは安全だ」と学習させる環境を変えて恒常性を味方にする前頭前皮質を回復させるを説明しました。

 まず、変わりたいのに変われないのは、あなたの意志が弱いからではありませんでした。ただ、脳があなたを守ろうとしているだけでした。そして、脳の仕組みを理解し、そのクセに合わせて行動すれば、変化は自然と続くようになるかもしれません。まず、変化は、“気合”ではなく、脳の扱い方で決まるということは言えそうです。

 そう言えば、知っている分野を広げるため面での新しいことをするのにはそのような抵抗がないような気がします。そこから、少しの変化は脳が許容することがわかるような気がします。ただし、全く異なること、変化するには対応策のように小さなことから始めるのは重要だとは思います。しかし、継続していくにはそれなりに継続性をもって挑む必要があるような気がしました。ただし、新しいことなので要領がわかっても根気強さは必要な気がしました。

 

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