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なぜ買った途端に「同じ商品ばかり」目につくのか:脳が世界を塗り替える瞬間

心理
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 新しいスマホを買った途端、街中で同じ機種を持っている人がやたらと目につくことがある。また、新しい靴を買ったら、同じブランドの靴を履いている人が急に増えた気がする。そして、このようなことがよくあるような気がします。

 そして、「こんなに流行ってたっけ?」と思うことがあります。しかし、これは偶然ではないようです。心理学では、買い物後に同じ商品が目につく現象が説明されています。つまり、脳の注意システムが“その商品”を優先的に拾い始めるためであると説明されています。

 そこで、このブログでは、なぜこの現象が起こるのかに注目することにしました。そして、脳の仕組み、この現象の始まり、マーケティング活動、自己同一性、注意のフィルターについて調べましたので以下に説明します。

買った瞬間、脳はその商品に「重要タグ」を付ける

 人間の脳は、膨大な情報の中から自分にとって重要なものだけを選び取る仕組みを持っています。そして、これが選択的注意(Selective Attention) と呼ばれる機能です。

 まず、買い物をします。すると、その商品は、自分のお金を使った対象、自分の所有物、自分の選択の結果という意味を持つようになります。そして、脳はこの瞬間に、その商品に「重要タグ」を付けをおこないます。また、その結果、以下のようなものが急に目につきやすくなります。

  • 街中で同じ商品を持つ人
  • SNSで同じブランドの投稿
  • 店頭で同じシリーズの商品 など

 これは、脳が「自分に関係のある情報」を優先的に拾うようになっただけです。

カクテルパーティー効果:脳は“自分に関係あるもの”だけ拾う

 騒がしいパーティー会場でも、自分の名前だけは聞き取れます。これが、カクテルパーティー効果といわれるものです。選択的注意の1つです。そこで、脳は、以下のような「自分に関係のある情報」を優先的に処理します。

  • 自分の名前
  • 自分の興味
  • 自分の所有物 など、

 買い物後に同じ商品が目につくのは、 このカクテルパーティー効果が視覚情報に対して働いている状態です。つまり、 脳がその商品を“自分ごと”として扱い始めたためだけです。そして、視界の中から自動的に拾うようになったということです。

確証バイアス:見つけた瞬間「やっぱり人気なんだ」と思う

 人は、自分の選択を肯定する情報を集めようとする傾向があります。そして、これを確証バイアス(Confirmation Bias)と呼びます。そして、選択的注意の中に確証バイアスがあります。そこで、買い物後に同じ商品を見つけると、自分の選択を肯定する方向に解釈しやすくなります。例えば、「やっぱりこの商品、人気なんだ」 「買って正解だった」 などです。そして、この“肯定感”が気持ちよいため、脳はさらにその商品を探し始めます。そして、結果として、同じ商品ばかり目につくようになります。なお、確証バイアスは、以下のようなものを強める働きもあります。

  • ブランドへの愛着
  • 自分の選択への満足感
  • 所有物への誇り

脳の「省エネモード」が働いている

 脳は常に省エネを求めています。そのため、すべての情報を処理するのではなく、「重要なものだけ」を優先的に処理します。買った商品は、以下のように脳に記録されるため、優先度が高くなります。

  • 最近関わったもの
  • 感情が動いたもの
  • お金を使ったもの

 また、その結果、脳はその商品を“見つけやすい状態”にしているということです。そして、これは、脳が効率よく世界を理解するための自然な仕組みです。加えて、人間の認知システムの特徴でもあります。

実は「買う前」から始まっている

 興味深いのは、この現象は買う前から始まっているという点があります。つまり、購入を検討している段階で、脳はすでにその商品に注意を向け始めています。そのため、「買おうか迷っている商品がやたらと目につく」という現象も起こります。そして、これは、脳が意思決定の材料を集めようとしているためでした。つまり、これは買う前から脳は“その商品を探すモード”に入っているということです。

この現象はマーケティングでも利用されている

 選択的注意や確証バイアスは、マーケティングでもよく利用されます。

広告で繰り返し見せる

 繰り返し見せることで、脳に「重要タグ」を付けさせます。

SNSで同じ商品を何度も流す

 「みんなが使っている」という印象を作ります。そして、確証バイアスを刺激します。

店頭で目立つ場所に置く

 視界に入りやすくすることで、選択的注意を誘導します。つまり、脳の仕組みを理解すると、マーケティングの意図が読み解けることになります。

この現象は「自己同一性」にも関係している

 買った商品は、単なる物ではなく「自分の一部」として扱われることがあります。そして、これを自己同一性(Self-Identity)と呼びます。例えば、以下のような商品は、所有した瞬間に「自分のアイデンティティの一部」になります。

  • 好きなブランドの服
  • こだわって選んだスマホ
  • 自分らしさを表すアイテム

 そして、そのため、脳はその商品を“自分の仲間”として扱います。そこで、同じ商品を持つ人を見つけると「自分と似た人だ」と感じることもあります。また、これは、人間が社会的な生き物であることの証拠でもあります。

この現象は「注意のフィルター」が変わっただけ

 最も重要なポイントは、世界が変わったのではなく、脳のフィルターが変わっただけです。つまり、脳は、興味、感情、所有、意思決定 などによって、注意のフィルターを常に変えています。つまり、買い物は、そのフィルターを大きく変える行動のひとつです。その結果、同じ商品が急に目につくようになります。

まとめ

 ここまで、脳の仕組み、この現象の始まり、マーケティング活動、自己同一性、注意のフィルターについて説明しました。まず、脳の仕組みについて、買った瞬間、脳はその商品に「重要タグ」を付けるを説明しました。つぎに、この現象の始まりについて、実は「買う前」から始まっているを説明しました。続いて、マーケティング活動について、この現象はマーケティングでも利用されていることについて説明しました。加えて、自己同一性について、この現象は「自己同一性」にも関係しているを説明しました。最後に、注意のフィルターについて、この現象は「注意のフィルター」が変わっただけを説明しました。

 まず、買った途端に同じ商品ばかり目につくのは、以下のような心理メカニズムが働くためでした。

  • 選択的注意
  • カクテルパーティー効果
  • 確証バイアス
  • 脳の省エネモード
  • 自己同一性

 つまり、商品が増えたわけではなく、脳がその商品を拾うようになっただけでした。つまり、選択亭注意のフィルターに購入した商品が入ったということです。そして、この仕組みを理解すると、買い物の満足度や選択のクセ、マーケティングの意図まで見えてくるかもしれません。

 

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