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なぜ人は「読めない漢字」より「知っていたのに思い出せない漢字」の方が悔しいのか?

心理
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 テレビのクイズ番組などで感じの問題が出されることがあります。そこで、「読めない漢字」はそこまで悔しいとは思いません。多少は悔しいのですが・・・しかし、「知っていたのに思い出せない漢字」は、なぜか強烈に悔しい思いをします。

 そして、誰もが経験するこの“モヤモヤ”には、記憶の仕組みや脳の働きが深く関係しているようです。また、思い出せないときに感じる悔しさは、単なるイライラではないようです。そして、脳が“取りこぼした情報”に反応しているサインのようです。なぜ思い出せない方が知らないより悔しいのかについては疑問が残ることろです。

 そこで、このブログでは、読めない漢字より、知っていたのに思い出せない漢字の方が悔しいのかについて注目することにしました。そして、「知らない漢字」は悔しくないのに「知っていた漢字」は悔しい理由、思い出せない漢字の影響について調べましたので以下に説明します。

「知らない漢字」は悔しくないのに「知っていた漢字」は悔しい理由

 人は「知らないこと」にはそこまで感情的になりません。しかし、「知っていたはずなのにできない」状況には強いストレスを感じます。そして、この差を生むのは メタ認知(自分の知識・能力を把握する力)です。

メタ認知の“破綻”が悔しさを生む

 「知らない漢字」は、そもそも自分の知識の範囲外なので、できなくて当然自分の能力は傷つかないという状態です。しかし、「知っていた漢字」は、自分は知っている以前はできたという“自己認識”が存在します。そこで、この自己認識が崩れると、脳は「自分の能力が裏切られた」と感じ、強い悔しさが生まれます。

“できるはずなのにできない”は最大のストレス

 心理学では、「できるはずなのにできない」状況は、最も強いフラストレーションを生むとされています。そして、これは、

  • 勉強したのにテストで思い出せない
  • 名前を知っているのに出てこない
  • 漢字を知っているのに書けない             などにも共通する現象です。

思い出せない漢字の影響

記憶の“取り出し失敗”は強いストレスを生む

 記憶は、保持(覚えている)検索(思い出す)の2段階で成り立っています。そして、「知っているのに思い出せない」は、保持は成功しているのに検索が失敗している状態ということになります。

記憶検索の失敗は脳に“異常事態”として処理される

 脳は「あるはずの情報が取り出せない」状態を非常に嫌います。そして、これは、

  • パソコンにファイルはあるのに開けない
  • 鍵を持っているはずなのに見つからない      といった状況に近いストレスです。
既知情報の検索失敗は悔しさを増幅する

 知らない情報は検索しようがないためストレスが弱くなります。しかし、既知情報は「取り出せるはず」という期待があるため、検索失敗が強烈な悔しさにつながります。それは、脳は「期待が裏切られた」状態に強く反応するためです。

“思い出せそうで思い出せない”はツァイガルニク効果を引き起こす

 ツァイガルニク効果とは、未完了のタスクは完了したタスクより記憶に残りやすいという心理現象です。

思い出せない漢字=未完了タスク

 「思い出せそうなのに思い出せない」という状態は、 脳にとって“未完了のタスク”です。そして、そのため、モヤモヤする気になって仕方ないずっと頭に残るという状態が続きます。

未完了タスクは脳の注意を奪い続ける

 脳はタスクを完了させたい生き物です。また、未完了の状態は脳にとって“危険信号”であり、注意資源を奪い続けます。そして、その結果、 「悔しい」「気持ち悪い」という感情が強くなります。

“思い出せない”は自尊心を傷つける

 人は「自分はこれくらいできる」という自己イメージを持っています。そこで、思い出せない漢字は、この自己イメージを揺さぶります。

自分の能力が低く見える

 「知っていたはずなのに思い出せない」という状況は、 自分の能力が低くなったように感じさせます。そして、これは、記憶力が落ちた?以前よりできなくなった? という不安につながります。

自尊心の揺らぎが悔しさを生む

 自尊心が揺らぐと、イライラ焦り悔しさが強くなります。つまり、 思い出せない漢字の悔しさは、記憶の問題ではなく“自己評価の問題”でもあるということになります。

“思い出せない漢字”は脳の報酬系を刺激する

 実は、思い出せない状態は脳の報酬系を刺激します。

思い出した瞬間に強い快感が生まれる

 思い出せない状態が続くほど、思い出した瞬間のドーパミン報酬が大きくなります。つまり、悔しさが強いほど「思い出したときの快感」が増えることになります。

脳は“ギャップ”を好む

 脳は、「できない → できた」 というギャップに強い快感を感じます。そして、そのため、思い出せない漢字は悔しいだけでなく、 思い出した瞬間に快感を生む“報酬の準備状態”でもあります。

まとめ

 ここまで、「知らない漢字」は悔しくないのに「知っていた漢字」は悔しい理由、思い出せない漢字の影響について説明しました。まず、「知らない漢字」は悔しくないのに「知っていた漢字」は悔しい理由について、メタ認知の“破綻”が悔しさを生む“できるはずなのにできない”は最大のストレスを説明しました。つぎに、思い出せない漢字の影響について、記憶の“取り出し失敗”は強いストレスを生む“思い出せそうで思い出せない”はツァイガルニク効果を引き起こす“思い出せない”は自尊心を傷つける“思い出せない漢字”は脳の報酬系を刺激するを説明しました。

 そして、「読めない漢字」より「知っていたのに思い出せない漢字」の方が悔しいのは、

  • メタ認知の崩壊
  • 記憶の検索失敗
  • ツァイガルニク効果
  • 自尊心の揺らぎ
  • 報酬系の刺激         という複数の心理メカニズムが同時に働くためでした。

 そして、これは単なるイライラではなく、脳が“取り出せるはずの情報”を取り出せないときに起こる自然な反応でした。そこで、次に思い出せない漢字が出てきたときは、「これは脳が未完了タスクとして扱っているんだ」 「思い出した瞬間に快感が来るぞ」と捉えると、少し気持ちが楽になるような気がしました。

 ただし、最近の私の場合は、悔しい思いはするのですが、また忘れたという諦めの境地になっています。残念なことですが・・・

 

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