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なぜ人は行列を見ると並びたくなるのか?

心理
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 有名なカフェ、かき氷店、ラーメン店などに行列ができています。また、行列ができているのをテレビで見かけたりしています。そして、人気店の前に行列ができていると、つい「気になって」しまいます。また、「並んでみようかな」と思ってしまう人がいるかもしれません。

 店の前に並んだ行列は、ただ人が並んでいるだけなのに、なぜか魅力的に見えます。しかし、この反応には、人間の脳が持つ“社会的な本能” が深く関係しているようです。そこで、なぜ行列を見ると並びたくなるのか、行列が人の心理に与える影響が気になりました。なお、以前のブログでも似たようなテーマについて書いています。なぜ私たちは、行列ができている店に並んでしまうのか?:社会的証明とバンドワゴン効果

 そこで、このブログでは、なぜ行列を見ると並びたくなる、気になるのかに注目することにしました。そして、店の前の行列の影響、行列とマーケティングについて調べましたので以下に説明します。

店の前の行列の影響

行列は「社会的証明」の強力なサイン

 行列は、心理学でいう社会的証明(Social Proof)の典型例です。つまり、これは「他人が選んでいるものは正しい」という脳の判断ショートカットです。

人は“他人の選択”を自分の判断材料にする

 人間は、情報が不足している状況では、以下のような情報を自分の判断の基準にします。つまり、これらの情報が“視覚的に凝縮された状態”です。

  • 他人の行動
  • 他人の選択
  • 他人の評価
行列は「安全・価値・人気」の三拍子を示す

 行列を見ると脳は以下のように解釈します。そして、この3つが揃うため、行列は非常に魅力的に見えます。

  • 安全性:多くの人が選んでいる → 危険ではない
  • 価値:みんなが並ぶほど価値がある
  • 人気:人気=良いものという連想が働く
初めての場所ほど行列に影響される理由

 情報が少ない状況では、社会的証明の影響が最大化します。そして、旅行先で行列に並びたくなるのは、「他に判断材料がないため、行列が最も信頼できる情報になる」からです。

行列は「希少性」を感じさせる

 行列は、心理学で強力な効果を持つ希少性(Scarcity) を視覚的に示します。

希少性は人間の欲求を強く刺激する

 人は「手に入りにくいものほど価値が高い」と感じる傾向があります。そして、これは、希少な資源を優先して確保する必要があった名残です。つまり、行列は、

  • 手に入りにくい
  • 限定されている
  • すぐには手に入らない           という希少性を強烈に演出します。
「限定感」を生む:行列

 行列は、「今だけ」「ここだけ」「この人たちだけ」という限定感を作り出します。そして、この限定感は、購買意欲や興味を強く刺激するため、行列は魅力的に見えます。

待ち時間が長いほど価値が上がる

 心理学では、努力したものほど価値が高く感じられる「努力の正当化」があります。 そして、行列に並ぶという“努力”が、体験の価値をさらに高めることになります。

行列は「同調行動」を引き起こす

 人は社会的な生き物であり、他人と同じ行動を取ることで安心感を得ます。また、これを同調行動(Conformity)と呼びます。

他人と同じ行動=安心

 行列に並ぶことは、「みんなと同じ選択をしている」という安心感につながります。そして、特に日本では、

  • 協調性
  • 集団行動
  • 周囲との調和          が重視される文化的背景があるため、同調行動が強く働きます。
行列は「間違いのない選択」に見える

 人は失敗を避けたい生き物です。そこで、行列は、「多くの人が選んでいる=失敗しない」という強力なサインになります。

「社会的リスク」を減らす:行列

 また、行列に並ぶことで、

  • 変な選択をしたと思われない
  • 周囲から浮かない
  • 安全な選択をしている という社会的リスクが減ります。

「期待感」を高める:行列

 行列は、ただ待つだけではなく、心理的な期待感を高める装置でもあります。

期待感は脳の報酬系を刺激する

 「どんなに美味しいんだろう」 「どんな体験が待っているんだろう」 という期待が生まれます。そして、その期待は、脳の報酬系(ドーパミン)を刺激します。そのため、行列に並んでいる間も“快感”が生まれます。

待つほど価値が上がる「努力の正当化」

 人は、努力したものほど価値が高いと感じます。そこで、行列に並ぶという行為が、体験の価値をさらに高めます。

「ストーリー」を作る:行列

 行列に並ぶこと自体が、「人気店に並んだ」という体験になり、満足度を上げます。つまり、人はストーリーのある体験を好むため、行列は魅力的に感じられます。

行列マーケティングが成功する理由

 企業はこの心理を利用して、行列を意図的に作ることがあります。

行列は「無料の広告」

 行列は視覚的に非常に目立ちます。そして、人通りの多い場所では、行列そのものが広告になります。

行列は「口コミ」を生む

 行列に並んだ人は、「並んだ価値があった」と感じやすく、口コミが広がります。そして、努力の正当化が働くため、ポジティブな評価が増えやすいのです。

「ブランド力」を高める:行列

 行列ができる店は、特別人気価値があるというブランドイメージが強化されます。つまり、行列は、ブランドの“社会的証明”として機能することになります。

まとめ

 ここまで、店の前の行列の影響、行列とマーケティングについて説明しました。まず、店の前の行列の影響について、行列は「社会的証明」の強力なサイン「希少性」を感じさせる「同調行動」を引き起こす「期待感」を高めるを説明しました。つぎに、行列とマーケティングについて、その理由を3つ説明しました。

 まず、人が行列を見ると並びたくなるのは、

  • 社会的証明
  • 希少性
  • 同調行動
  • 期待感
    という複数の心理メカニズムが同時に働くためでした。

 そして、行列は、人間の脳が持つ「他人の行動を参考にする本能」を刺激しました。そして、「価値がある」「限定されている」「間違いない選択」という印象を生み出しました。それゆえ、行列に惹かれるのは、決して不思議なことではなく、人間の自然な心理反応でした。

 私は、行列を見て並ぶことは少ないのですが、気にはなっていました。そして、あの店は何の店なのかということを調べたこともあります。人によって、上記心理メカニズムの項目毎の影響度の強さは人によって異なると思われますので、全体に強いとそれだけ行列に並びやすいのかもしれません。逆に弱いと行列には並ばないと思われます。例えば、行列のできたラーメン店の前を食に興味がない人が通りかかっても気にも留めないような気がします。しかし、行列をマーケティングに使われると踊らされる可能性もあり、怖いような気がしました。また、テレビで行列店として放映されているところが映されると宣伝効果があることについては納得しました。

 

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