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なぜ人は、似たような服ばかり買ってしまうのか?:判断コストの削減とコンフォートゾーン

心理
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 気づけば、クローゼットに同じような色・形の服ばかりになっている。また、「また似たようなの買ってる…」と自分でも思うのに、つい選んでしまっている。そして、このようなことをよく耳にしますし、自分でもしています。また、店で「お気に入りのものが入っています」と言われたことがあります。これは似たような服を選んでしまっていた結果のようです。

 しかし、これは決してあなたのセンスが偏っているわけでも、 新しいものに挑戦できない性格だからでもないようです。そして、心理学では、“似たものを選び続ける”のは 脳が判断コストを減らし、 安心できるコンフォートゾーンを維持しようとする ごく自然な反応だと説明されています。

 このブログ本では、「なぜ人は似たような服ばかり買ってしまうのか」に注目しました。そして、どのような現象なのか、その要因、脳内での処理、対処法について調べましたので以下に説明します。

「似たような服ばかり買う」現象は誰にでも起きる

 多くの人が、無意識のうちに同じような服を選び続けています。そして、例として以下のようなものがあります。

  • 白いTシャツばかり増える
  • 黒いパンツばかり買ってしまう
  • 形がほぼ同じシャツが並ぶ

 そして、これは単なる“好み”ではなく、 脳が「安全で確実な選択」を優先するために起こる現象です。

判断コストを減らすために脳が「似たような服」を選ぶ

 買い物は、脳にとって意外と負荷の高い行動です。 そして、その際、色・サイズ・素材・価格・用途… 服を選ぶとき、脳は大量の情報を処理しています。

選択肢が多いほど脳は疲れる

 心理学では「選択のパラドックス」と呼ばれるものがあります。そして、選択肢が増えるほど満足度は下がり、疲労が増えることが知られています。まず、服屋に入った瞬間、 脳は膨大な情報を処理し始めます。そして、その負荷を減らすために、 脳は「過去に選んで失敗しなかった服」を優先します。
 なお、選択肢が多いほど人は幸福になり、自由に選べると信じられています。しかし、それにもかかわらず、実際には選択肢が多すぎるとかえって選べなくなったり、決定後の満足度が下がったりする心理現象が選択のパラドックスです。

過去の成功体験が“安全な選択”として記録される

 脳は「うまくいった選択」を強く記憶します。そして、 似たような服を買って満足した経験があると、 その記憶が“安全な選択肢”として保存されます。その結果として、 新しい服よりも「いつもの服」を選びやすくなります。

コンフォートゾーンが服の選択を固定化する:似たような服を選ぶ

 コンフォートゾーンとは、「安心できる心理的な領域」のことです。そして、服は自己イメージと深く結びついているため、コンフォートゾーンの影響が強く出ます。

自己イメージを守るために“いつもの服”を選ぶ

 まず、人は「自分はこういう人だ」という自己イメージを持っています。そして、そのイメージに合う服を選ぶことで、心理的な安定を保とうとします。例えば、落ち着いたイメージの人は、 派手な色よりもベーシックな色を選びやすくなります。

新しい服は“未知の自分”を試す行為

 新しいスタイルの服を選ぶことは、自己イメージを揺らす行為でもあります。そこで、脳は変化を危険とみなすため、「似たような服」を選ぶことで安心を得ようとします。

似たような服を選ぶのは“脳の省エネモード”

 脳は常にエネルギーを節約しようとします。そのため、判断が必要な場面では 「過去のパターンを使う」という省エネ戦略をとります。

服選びは“毎回ゼロから判断”ではない

 脳は、過去の選択データを参照しながら「今回も同じでいい」と判断します。そして、これは、料理の味付けを毎回同じにするのと同じです。そして、この行動は、 脳が負荷を減らすための自然な仕組みです。

新しい選択はエネルギーを使う

 新しい服を選ぶには、似合うかどうか使う場面他の服との相性など 多くの判断が必要です。そして、脳はその負荷を避けるため、“いつもの選択”に戻りやすくなります。

心を軽くするための対処法

 似たような服を選ぶことは悪いことではありません。しかし、マンネリを感じる場合は、脳の負荷を減らしながら選択の幅を広げる方法があります。以下に説明します。

“1つだけ新しい要素”を取り入れる

 色・形・素材のどれか1つだけ変えると、脳の負荷を最小限にしつつ新しい選択ができます。

服の選択基準を“3つだけ”に絞る

 判断基準が多いほど脳は疲れます。例えば、「色・用途・価格」など、3つに絞ると選びやすくなります。

自己イメージを少しだけ広げる

 「私はこういう服も似合うかもしれない」という “ゆるい自己イメージ”を持つことで、コンフォートゾーンが広がります。

まとめ

内容の整理

 ここまで、どのような現象なのか、その要因、脳内での処理、対処法について説明しました。まず、「似たような服ばかり選ぶ」ことがどのような現象なのかについて、脳が安全で確実な選択をしていることを説明しました。次に、その要因について、判断コストを減らすために脳が「いつもの服」を選ぶコンフォートゾーンが服の選択を固定化するを説明しました。続いて、脳内での処理について、服選びは“毎回ゼロから判断”ではない新しい選択はエネルギーを使うを説明しました。最後に、対処法について、“1つだけ新しい要素”を取り入れる服の選択基準を“3つだけ”に絞る自己イメージを少しだけ広げるを説明しました。

 まず、センスが偏っているわけでも、 新しいものに挑戦できない性格だからでもありませんでした。そして、似たような服ばかり買ってしまうのは、 脳が判断コストを減らし、 安心できるコンフォートゾーンを維持しようとする ごく自然な反応でした。また、そこには、判断コストの削減、過去の成功体験の参照、自己イメージの安定化、コンフォートゾーンの維持などの要因がありました。そして、これらが重なることで、 私たちは“いつもの服”を選び続けてしまいます。

まとめ

 大切なのは、その行動を否定することではなく、自分の選択パターンを理解し、必要に応じて少しだけ選択の幅を広げることのようです。そして、その一歩が、 買い物のストレスを減らし、自分らしいスタイルを見つけるきっかけになると思われます。なお、スティーブ・ジョブズが毎日同じ服(黒のタートルネック、ジーンズ、スニーカー)を着ていました。そして、「何を着るか」という決断を減らし、脳のエネルギーを経営や開発といった重要な判断に集中させるためと言われています。それを考えると同じような服が気になる場合は対策をすればよく、無理に変える必要、気にしすぎる必要はないようにも思えました。逆に、似たような服ばかりになっていて、それと違うものを選ぼうとしているだけですばらしいような気がしました。

 

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