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なぜ人は“自分だけ損している”と感じてしまうのか?

心理
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 なんであの人と同じ給料なのに、自分ばかり面倒な仕事を押し付けられるの? また、SNSを見ると、周りはみんな要領よく得をして、自分だけが足踏みしている気がする。このようなこともあります。そして、日常のふとした瞬間に押し寄せる、「自分だけが損をしている」と感覚があります。加えて、職場の飲み会で、お酒を全く飲まない人が、ガンガン飲んだ人と完全に割り勘になったときのモヤモヤはテレビなどで取り上げられていました。

 そして、「私は心が狭いのだろうか」と自分を責める必要はまったくないようです。実はこれ、あなたの性格の問題ではなく、人間の脳に生まれつき備わっている「損失回避バイアス」という強力なバグ(認知の歪み)が原因のようです。

 このブログでは、「自分だけ損している感」が生まれる恐ろしい要因、対応策、について調べましたので以下に説明します。そして、明日から他人のイライラから解放されてマイペースに生きることができることを目指します。

自分だけ損をしていると感じてしまう要因

得の喜びより、損の痛みが2倍強い「プロスペクト理論」

 まず、人間が「損」に対してどれほど過敏に反応するがについて説明します。

1万円をもらう嬉しさ < 1万円を失うショック

 行動経済学の代表的な理論に「プロスペクト理論(損失回避バイアス)」があります。まず、これについて、具体的な数字を交えて説明します。プロスペクト理論について、人間は、「何かを得た喜び」よりも「何かを失った(損した)苦痛」の方を、約2倍も強く感じることが実験で証明されています。

  • 例: 上司から「今月は頑張ったから5,000円のボーナスだ」と言われた喜び(プラス1)
  • 例: 同僚が「俺は1万円のボーナスだった」と言っているのを聞いたショック(マイナス2)

 この例から、客観的に見れば自分も5,000円得しているはずです。しかし、脳は「同僚より5,000円損したダメージ」を2倍の重さでカウントします。そして、結果として「自分だけ損している」というマイナスの感情が勝ってしまいます。

「不公平」を見つけると、脳は物理的な痛みを感じる

 私たちは不公平な状況に直面したとき、単に「悔しい」だけではりません。そこには、脳レベルで強い拒絶反応を起こしています。

脳の痛みセンサー「島皮質」の興奮

 脳科学の実験において、被験者にわざと不公平な取引を提示します。そして、それは相手が多くもらい、自分が少なくもらうというものです。その結果、脳の「島皮質」という部分が激しく活性化します。 なお、ここは、身体的な痛み腐ったものを食べたときの嫌悪感を処理する場所です。つまり、脳にとって「自分が損をしている不公平な状態」は、身体を傷つけられたり、泥水を飲まされたりするのと全く同じレベルの「物理的な不快感」として処理されています。

 認知のフィルター(カクテルパーティー効果)による被害妄想の拡大

 一度脳が「自分ばかり損をしている」という痛みを感知します。すると、脳は防衛本能として「次なる不公平」を全力で探すフィルター(カクテルパーティー効果)を張ってしまいます。なお、カクテルパーティ効果については以前のブログで記載しています。「カクテルパーティー効果って?

 また、その結果、「あの人はまた楽な仕事を回されている」「自分ばかり雑用を頼まれた」といった、自分の仮説を補強する事実ばかりが目に飛び込んでくるようになります。そして、「自分だけ損している感」がどんどん強化されていくという負のスパイラルに陥ります。

なぜ「自分だけ」に見えるのか?他人の裏舞台の不可視化

 ここでは、人と比べる際の人間の心理的な盲点に注目します。そして、キーワードは「情報の非対称性(見えている景色の違い)」です。

自分の「裏舞台」と他人の「表舞台」を比べている

  • 自分のこと: 朝起きるのが辛かったこと、胃を痛めながら資料を作ったこと、人間関係で悩んでいることなど、すべての「苦労(プロセス)」が100%見えています。
  • 他人のこと: 定時でサクッと帰る姿、楽しそうに成果を出している瞬間など、「要領のいい結果(表舞台)」しか見えません。

 人間は、自分の「膨大な苦労」と、他人の「涼しそうな結果」を無意識に天秤にかけてしまいます。そのため、どうひっくり返っても「自分の方が割を食っている」という結論になってしまいます。

自己奉仕バイアスによる「都合のいい解釈」

 私たちは「成功は自分の実力、失敗は環境のせい」と思いたい自己奉仕バイアスを持っています。そのため、チームで仕事をしていて、自分だけがバタバタと忙しい時、脳は「周りの要領が悪い(あるいはサボっている)せいで、優秀な自分が損をさせられている」と解釈しがちです。そして、相手にも「別のタスクで追われている」などの事情があるかもしれないのに、そこへの想像力が働かなくなってしまいます。

対応策:脳のバグをリセットし、不毛な比較から抜け出す心の処方箋

  • 「損益計算書」の言語化(前頭葉の起動)
    • モヤモヤをノートに書き出させます。例えば、本当に相手の得はノーリスクなのか? また、自分が損した代わりに得たものを強制的にリスト化します。例えば、スキル、経験、周囲からの信頼、早く帰れる気楽さなどです。そして、感情で暴走していた脳を、言語化によって理性のコントロール下に書き換えます。
  • 「等価交換の法則」を信じる
    • 短期的な損得ではなく、長期的な視点を提供します。例えば、今、要領よくサボって得をしているように見える人がいるとします。そのひとは、将来的に『周囲からの信用』や『実力』という最も重要な資産を損している。このような視点を持つようにします。すると、目先の小さな不公平に心が惑わされなくなります。

まとめ

 ここまで、自分だけ損している感の要因、対応策、について説明しました。まず、その要因について、得の喜びより、損の痛みが2倍強い「プロスペクト理論」「不公平」を見つけると、脳は物理的な痛みを感じるなぜ「自分だけ」に見えるのか?他人の裏舞台の不可視化を説明しました。次に、対応策として、脳のバグをリセットし、不毛な比較から抜け出す心の処方箋を説明しました。

 まず、自分だけ損している感を持つことは、あなたの性格の問題ではありませんでした。そして、人間の脳に生まれつき備わっている「損失回避バイアス」という強力なバグ(認知の歪み)が原因でした。つまり、自分が悪いんじゃなくて、脳が勝手に痛がっていただけでした。

 また、自分のことは良いことも悪いことも見えます。しかし、他人のことは良いことしか見えないことも要因でした。これは、以前書いたブログにも関係することがあります。それは、「「選ばなかった方」が輝いて見えるのはなぜ?脳が仕掛ける「過去の美化」の罠と、未練を消す処方箋」です。なお、ここでは、過去の自分を美化して、現在の自分と比較するというものでいた。どこかで現在の自分を他を比較して現在の自分を守ろうとしているのではないかと思いました。

 

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