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「報道規制」とは何?:なぜ情報が出ない時期があるのか

心理
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 事件や事故が起きた直後、「続報は入り次第お伝えします」と言われることがあります。そして、そのまま、数時間〜数日、まったく新しい情報が出ないことがあります。また、テレビのドラマなどでも「報道規制や報道協定」という言葉か使われることが多くなった気がします。そして、SNSでは憶測が飛び交い、 「なぜ報道されないの?」 「何か隠しているのでは?」 という声が広がることがあります。

 しかし、この“情報が出ない時期”には、心理学・危機管理・組織行動の観点から説明できる明確な理由と構造があるようです。また、テレビのドラマでは人質の生命を守るためにとか言われていました。なお、前回のブログ、「緊急会見」はなぜ突然開かれるのか:情報統制の心理学も関係していますので興味のある方は参照してください。

 そこで、このブログでは、報道規制とはどういうものかについて注目することにしました。そして、報道規制の仕組み、情報が出ない期間、情報の非対称性、フレーミング効果、時間稼ぎについて調べましたので以下に説明します。

報道規制とは「情報の流れをコントロールする仕組み」

 報道規制とは、特定のタイミングで、特定の情報を出さないようにする制度・慣行・要請の総称です。

目的は“混乱の防止”と“情報の正確性確保”

 そして、表向きの理由は次の通りです。

  • 捜査や調査の妨げを防ぐ
  • 誤情報の拡散を防ぐ
  • 社会的混乱を避ける
  • 関係者の安全を守る

 しかし、心理学的に見ると、情報の主導権を握るための戦略として使われることもあります。

情報が出ない時期が生まれる心理学的理由

 まず、報道規制がかかると、メディアは「当局発表」以外の情報を出せなくなります。そして、この“沈黙の時間”には、次の心理的効果が働きます。

① 認知負荷を下げ、世論の暴走を防ぐ

 事件直後は情報が錯綜します。そのため、人々は「何が本当なのか」を判断できません。そして、情報が多すぎると、脳は認知負荷に耐えられなくなります。そこで 誤った判断や陰謀論に飛びつきやすくなります。つまり、情報を一時的に止めることで、世論の暴走を抑える効果があります。

② 最初の印象を固定できる

 人は「最初に聞いた情報」を基準に判断します。そして、これが アンカリング効果と呼ばれるものです。そこで、情報が出ない時期を作ることで、当局“最初に出す情報”を自分たちのタイミングで調整できるようになります。

③ メディアの検証力を弱める

 突然の会見や突然の発表は、記者が十分な準備をできない状態で質問することになります。そして、結果として、記者は以下のような状況になります。

  • 深掘り質問が出にくい
  • 会見側の説明がそのまま流れる
  • 反論や検証が遅れる

報道規制は「情報の非対称性」を生む

 情報が出ない時期は、当局(情報を持つ側)と視聴者(情報を待つ側)の間に大きな差を生みます。

情報の非対称性とは

 つまり、一方が情報を持ち、もう一方が持っていない状態になります。そして、この差が大きいほど、情報を持つ側は心理的優位性を得ます。

沈黙は“支配の時間”になる

 そして、情報が出ない間、人々は「次の発表」を待つしかありません。つまり、この状態は、会見側が世論の空気をコントロールしやすい時期でもあります。

報道規制は「フレーミング効果」を最大化する

 情報が止まっている間、人々は“次の情報”を強く求めるようになります。そして、この状態で発表される情報は、受け入れられやすく、疑われにくくなります。

フレーミング効果とは

 フレーミング効果とは、同じ事実でも、どの言葉でどの順番でどの角度から伝えるかで印象が変わる心理効果です。そして、沈黙の後の発表は、 会見側が提示した“枠組み”をそのまま受け入れやすくなります。

報道規制は「時間稼ぎ」としても使われる

 情報が出ない時期は、組織にとって次のようなメリットがあります。

  • 内部調査の時間を確保できる
  • 世論の反応を観察できる
  • メディアの追及を一時的に止められる
  • 発表内容を調整する余裕が生まれる

 つまり、これは危機コミュニケーションでよく使われる「沈黙の戦略」です。

まとめ

 ここまで、報道規制の仕組み、情報が出ない期間、情報の非対称性、フレーミング効果、時間稼ぎについて調べましたので以下に説明します。まず、報道規制の仕組みについて、報道規制とは「情報の流れをコントロールする仕組み」を説明しました。つぎに、情報が出ない期間について、情報が出ない時期が生まれる心理学的理由を説明しました。続いて、情報の非対称性について、報道規制は「情報の非対称性」を生むを説明しました。加えて、フレーミング効果について、報道規制は「フレーミング効果」を最大化するを説明しました。最後に、時間稼ぎについて、報道規制は「時間稼ぎ」としても使われるを説明しました。

 報道規制とは、 単なる「情報を出さない仕組み」ではありませんでした。また、心理学的に見ると次のような効果を持つ“情報統制の技術”でした。

  • 認知負荷を下げ、世論の暴走を防ぐ
  • 最初の印象(アンカリング)を固定できる
  • メディアの検証力を弱める
  • 情報の非対称性で心理的優位性を得る
  • フレーミング効果で印象を操作しやすくなる
  • 内部調査や戦略調整の時間を稼げる

 そして、情報が出ない時期は、“何も起きていない”状態ではありませんでした。つまり、情報の主導権を巡る心理戦が進行している時間といえます。そこで、沈黙の理由を理解することで、ニュースをより冷静に読み解くことができるようになるかもしれないように思えました。

 

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