ニュースや新聞記事で頻繁に見かける「〇〇容疑者」という言葉。しかし、警察や弁護士のコメント、または法律の条文では「〇〇被疑者」と呼ばれることがあります。そこで、「容疑者と被疑者って何が違うの?」という疑問が浮かぶことがありました。また、「同じ人を指しているのに、なぜ呼び方が変わるの?」と疑問に思ったことがありました。また、『容疑者Xの献身』というものがありました。そして、これは、東野圭吾による大人気ミステリー小説であり、「ガリレオ」シリーズの第3作でした。そのため、容疑者の方が多く耳にするような気もします。
そこで、調べた結論から言うと、意味としてはほぼ同じでした。しかし、「使う場面(法律用語かマスコミ用語か)」が異なるということでした。なるほど、これは混乱すると確証しました。
そこで、このブログでは、「容疑者」と「被疑者」の境界線に注目することにしました。そして、容疑者と被疑者の違い、刑事手続きの進行に伴って呼び方がどう変わっていくのか、関連用語について調べましたので以下に説明します。
「容疑者」と「被疑者」の根本的な違い
| 項目 | 被疑者(ひぎしゃ) | 容疑者(ようぎしゃ) |
| 定義 | 犯罪の疑いをかけられて捜査対象になっている人 | 「被疑者」と同じ状態の人を指すマスコミ用語 |
| 使う場面 | 法律・警察・検察・裁判所 | 報道機関(テレビ・新聞・ネットニュース) |
| 根拠 | 刑事訴訟法などの法律上の正式名称 | 報道の分かりやすさを重視した報道用語 |
なぜマスコミは「容疑者」と呼ぶのか?
- 説明:
法律用語の「被疑者(ひぎしゃ)」は、「被害者(ひがいしゃ)」や「被告人(ひこくにん)」と音が似ています。そして、そのためテレビの音声ニュースなどで聞き間違いが生じやすいために容疑者と呼ぶようにしています。つまり、視聴者への伝わりやすさを考慮し、マスコミでは「容疑者」という言葉が定着しました。
呼び方はどう変わる?刑事手続きと呼び方の遷移
- 1. 逮捕前・捜査段階:「参考人」「容疑者(被疑者)」
- 説明: 警察が犯罪の疑いを持って捜査を行っている段階です。そして、逮捕や書類送検がなされると、マスコミでは「〇〇容疑者」、法律上は「〇〇被疑者」と呼ばれます。
- 2. 起訴後:「被告(被告人)」
- 説明: 検察官が「裁判にかける(起訴する)」と決定した時点で、呼び方は「被疑者(容疑者)」から「被告人(ニュースでは『被告』)」に変わります。なお、※民事裁判の「被告」と区別するため、刑事裁判の法律用語では正確には「被告人」と呼びます。
- 3. 判決確定後:「受刑者」「元被告」など
- 説明: 裁判で有罪判決が確定し、懲役刑や禁錮刑に服する場合は「受刑者」となります。
知っておきたい関連用語の境界線
- 「容疑者」と「犯人」は違う?
- 説明: 容疑者(被疑者)はあくまで「犯罪の疑いをかけられている段階の人」です。そして、裁判で有罪が確定するまでは「推定無罪」の原則が適用されます。そのため、確定するまでは「犯人」と決めつけて呼ぶことはありません。
- 「書類送検」された場合も「容疑者」と呼ぶ?
- 説明: 身体拘束(逮捕)されていない在宅捜査の場合でも、検察に事件が送られた段階で「被疑者」となります。そして、報道では「〇〇氏」「〇〇書類送検」などと表記されるケースもあります。
まとめ
ここまで、容疑者と被疑者の違い、刑事手続きの進行に伴って呼び方がどう変わっていくのか、関連用語について説明しました。まず、容疑者と被疑者の違いについて、定義、使う場面、根拠を比較しながら説明しました。つぎに、刑事手続きの進行に伴って呼び方がどう変わっていくのかについて、逮捕前・捜査段階、起訴後、判決確定後の3つの段階を説明しました。最後に、関連用語について、「容疑者」と「犯人」、「書類送検」された場合も「容疑者」と呼ぶのかについて説明しました。
まず、「容疑者」と「被疑者」は指している状態は同じでした。しかし、そこには、「法律上の正式名称(被疑者)」か「報道用の言葉(容疑者)」かという違いがありました。
- 被疑者:
警察や法律で使われる正式な用語(「被害者」との聞き間違いを防ぐため報道では避けられる) - 容疑者:
テレビや新聞などのニュース報道で広く使われる言葉 - 被告人(被告):
検察によって起訴され、裁判を受けることになった段階での呼び方
そして、ニュースで使われる用語の境界線や背景を知ると、報道内容や刑事手続きの流れがより立体的に理解できるようになります。しかし、私の場合は、『容疑者Xの献身』が刷り込まれてか、「被疑者」を遠くに感じていました。まさか、同じ状態を指すのかという感覚でした。

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