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認知バイアスって?

認知科学
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 認知バイアスについて調べてみようと思った発端は、ブログ「思い込み」を書いた時です。そこで、認知バイアスという言葉がいま一歩わからなかったことにあります。「認知」と「バイアス」のそれぞれはわかるのですが、組み合わされるとぼんやりしています。

 「思い込み」や「ステレオタイプ」について調べてきました。しかし、なんとなく同じような感じがしています。この「認知バイアス」も脳の処理の効率化という意味で同じような気がします。以下に、「認知バイアス」がどのようなものかから説明します。

「認知バイアス」とは

 物事の判断等の際に、合理性を欠いた判断などの心理的な傾向を認知バイアスと言います。それは、これまでの経験、先入観、感情、あるいは情報の処理方法などによるものです。

 簡単に言うと、私たちの脳が情報を効率的に処理しようとする近道です。この近道は、ヒューリスティックスと言われるものです。つまり、無意識のうちに起こる「思考の偏り」や「思い込み」のようなものです。このことから「思い込み」という範疇の中の一つであるような気がします。

特徴

 ここで「認知バイアス」を示す特徴なものを3つ説明します。この特徴だけでは内容がわからないのですが、続いて、具体例を用いて説明します。

  • 無意識的である: ほとんどの場合、私たちは自分が認知バイアスに陥っていることに気づきません。
  • 誰にでも起こる: 脳の機能によるものなので、特別な人だけが持つものではありません。つまり、すべての人間に備わっています。
  • 必ずしも悪いものではない: 迅速な意思決定を助ける適応的な側面もあります。しかし、時には誤った判断や偏見につながることもあります。

なぜ認知バイアスが起こるのか?

 人間の脳は、日々膨大な情報を処理しなければなりません。すべての情報をゼロから論理的に検討していては、膨大な時間とエネルギーを消費してしまいます。そのため、脳はエネルギーを節約し、素早く判断する必要があります。そこで、過去の経験やパターンに基づいて「ショートカット」を使うようになりました。このショートカットが、ときに非合理的な判断につながってしまうのです。これは、「思い込み」や「ステレオタイプ」の際も脳の省エネルギーと説明されてきたここと同じです。

具体例

 認知バイアスには非常に多くの種類があります。ここでは、確証バイアス、ハロー効果、正常性バイアス、後知恵バイアス、アンカリング効果について説明します。

確証バイアス (Confirmation Bias):

 自分の考えや信念を裏付ける情報ばかりを集めます。そして、それに反する情報を無視したり軽視したりする傾向のことです。

  • 例:「Aという商品は優れている」と信じている人がいます。その人が、その商品の良いレビューばかりを探し、悪いレビューは無視することです。

ハロー効果 (Halo Effect):

 ある特定の一面が良いと、その人や物事の全体的な評価も良いと錯覚する傾向のことです。

  • 例:有名人がCMに出ている商品は、品質が良いと思い込んでしまう。

正常性バイアス (Normalcy Bias):

 異常な事態や危険が迫っている状況でも、「自分だけは大丈夫」「大したことではない」と思い込み、現実を過小評価する傾向のことです。

  • 例:災害時に避難指示が出ても、「まさか自分のところには来ないだろう」と避難をためらう。

後知恵バイアス (Hindsight Bias):

 物事の結果が分かった後で、「最初からそうなると思っていた」と、あたかもその結果を予測できていたかのように感じてしまう傾向のことです。

  • 例:スポーツの試合が終わった後で、「あのチームが勝つのはわかっていた」と言う。

アンカリング効果(Anchoring Effect):

 最初に提示された情報(アンカー)が、その後の判断や意思決定に無意識のうちに強い影響を与える心理現象を指します。

  • スーパーで「通常価格10,000円のところ、今だけ7,000円!」と表示されている場合、最初に提示された10,000円がアンカーとなり、7,000円が非常に「お得」に感じられます。

 これらの具体例で、認知バイアスがどのようなものかが示されました。これらは、本人の脳が楽をするために、そして、それを納得するための心理状態と捉えることができます。

まとめ

 認知バイアスは私たちの日常生活やビジネス、人間関係など、様々な場面で影響を与えています。その存在を理解し、意識することで、より客観的で合理的な判断を下すための手助けになります。しかし、「認知バイアス」は必ずしも悪者ではありません。しかし、行き過ぎると悪影響を及ぼすこともありそうなので注意する必要があります。

 ここまで調べてみて、「認知バイアス」は、本質的に、思い込みステレオタイプと同類のような気がします。まず、「思い込み」という言葉が抽象的な表現でかなり広い範囲を示しています。「ステレオタイプ」や「認知バイアス」は具体的な言葉のような気がします。「ステレオタイプ」は「思い込み」をしているのことのような気がします。これに対して、「認知バイアス」は「思い込み」の内容や心理状態を示していると思われます。

 難しいとは思いますが、適切な行きすぎない「認知バイアス」を持つことが、日常生活では必要な気がしました。

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