仕事のミス、人間関係の失言などいろいろ失敗をしてしまうことがあります。そして、寝る前に思い出す過去の失敗、選ばなかった選択肢への未練が残ります。また、「後悔」は時に心を支配してしまうことがあります。なぜ私たちは、終わったことを何度も思い出して自分を責めてしまうかという疑問が浮かびます。しかし、世の中には驚くほど早く立ち直る人もいます。その「差」は性格ではなく、「脳と心の扱い方」に関係しているようです。
また、後悔は決して「悪いこと」ではないようです。そして、脳が「次はもっと良くしよう」と出している、生存のためのアラート(警告)です。そこで、この警告音を「鳴らしっぱなしにする人」と「適切に止める人」の違いについて調べました。
このブログでは、後悔が長引く人に起きていること、すぐ切り替えられる人がやっていること、「やった後悔」と「やらなかった後悔」の比較について以下に説明しています。
後悔が長引く人
脳内で起きていること
- 反芻(はんすう)思考のループ: 牛が胃の中の食べ物を戻して噛むことを反芻と言います。そして、このようにネガティブな感情を何度も咀嚼し、脳を疲れさせている状態です。
- 全否定への拡大解釈: 「あの行動が間違いだった」という点の失敗をしてしまいました。そして、それを自分は何をやってもダメな人間だという面の否定にすり替えてしまっています。
- 「もしも」という呪い: 過去に戻ることは不可能なことです。そして、それなのにもしあの時……という仮想の物語を作り、現実とのギャップに苦しんでいます。
「3つの特徴」
- 「もし〜だったら(If Only)」のループ: 存在しない選択肢と現実を比較し続けています。
- 原因を「自分全体」に結びつける: 「あの行動がダメだった」と捉えれなくなっています。そして、「自分という人間がダメだ」と拡大解釈しています。
- 完了させていない: 感情に蓋をしてしまっています。そして、そのため脳が「まだ解決していない問題」と認識しています。
今日からできる「後悔ストップ」方法
- 「5分ルール」: まず、後悔していい時間をタイマーで計ります。
- エクスプレッシブ・ライティング: また、嫌な感情を紙に書き殴ります。そして、物理的に捨てます。
すぐ切り替えられる人
「すぐ切り替えられる人」が密かにやっている3つの思考法
- 「事実」と「感情」の切り離し: 失敗した事実は認めます。しかし、「その時の感情」まで引きずりません。
- コントロールの境界線: 「過去」と「自分以外の他人の反応」を、自分の思考リストから強制除外しています。つまり、「変えられない」過去と他人の反応を「変えられないこと」として除外しています。
- 「学び」の抽出と完了: 「この失敗から得られた教訓は何か?」を1つだけ特定します。そして、脳に「この件は学習完了!」というサインを送っています。
すぐ切り替えられる人の「思考の技術」
- 「コントロールできること」だけに集中する: 過去は変えられないが、今からの行動は変えられると割り切っています。
- 「教訓」を1つだけ抽出する: 「次はこうしよう」とノートに書くなど、アウトプットして脳の学習を完了させています。
- 三人称視点で自分を見る: 「親友が同じ失敗をしたら、自分は何て声をかけるか?」と客観視しています。
- 紙に書き出す(エクスプレッシブ・ライティング): 脳の外に感情を追い出します。そして、客観視します。
- 「次のアクション」を予約する: 「明日、最初にすること」を決めるだけで、意識は過去から未来へ移動します。
「やった後悔」と「やらなかった後悔」の比較
時間の経過による逆転現象(時間的展望)
心理学の研究では、後悔の感じ方は「直後」と「長期」で真逆になることが分かっています。
- 短期的には「やった後悔」が強い:
失敗した直後は、具体的な損失や恥ずかしさが目に見えます。そのため、「あんなことしなければよかった」という痛みを強く感じます。 - 長期的には「やらなかった後悔」が残る:
数ヶ月、数年と時間が経つにつれ、やった後悔は「いい経験だった」と正当化されます。しかし、やらなかった後悔は「もしあのアクションを起こしていたら、今頃どうなっていただろう?」という無限の想像(未練)に変わり、いつまでも心に居座ります。
心理的免疫システム(認知的不協和の解消)
「やった後悔」は それは人間に備わった心の自浄作用が働き消えていきます。以下に説明します。
- やった後悔への対処:
私たちは何かを失敗したとき、無意識に理由をつけて納得しようとします。 そして、これを心理学で「認知的不協和の解消」と呼びます。例えば、あの失敗があったから成長できたという理由や、おかげで別の道が見つかったなどの理由です。 - やらなかった後悔への対処:
やっていないことに対しては「言い訳」や「正当化」の材料(データ)がありません。つまり、脳が納得するための材料がありません。そのため、免疫システムが機能しにくく、後悔が風化が進みにくくなります。
ゼイガルニク効果(未完了の引力)
「やらなかった後悔」がしつこく残る理由は、脳の「未完了のものを覚えておこうとする性質」にあります。
- 完了したことは忘れる:
失敗したとしても、行動が「完結」していれば、脳はそのタスクを「終了」とみなします。 - 未完了は保存される:
しかし、やらなかったことは、脳にとって「いつまでも未解決問題」のようなものです。そのため、ふとした瞬間に脳がその記憶を呼び出します。そして、「あれはどうなった?」「今からでも間に合うか?」と語りかけてくるのです。
比較表
| 特徴 | やった後悔 | やらなかった後悔 |
| 痛みのピーク | 直後が一番苦しい | 時間とともに増大する |
| 脳の状態 | 「学習完了」として処理 | 「未完了」として保存 |
| 対処法 | 反省と教訓の抽出 | 今からでも「小さな一歩」を踏み出す |
まとめと内容の整理
内容の整理
ここまでこのブログでは、後悔な長引く人に起きていること、すぐ切り替えられる人がやっていること、「やった後悔」と「やらなかった後悔」の比較について説明しました。まず、後悔が長引く人について、脳内で起きていること、「3つの特徴」、今日からできる「後悔ストップ」方法を説明しました。次に、すぐ切り替えられる人について、「すぐ切り替えられる人」が密かにやっている3つの思考法、すぐ切り替えられる人の「思考の技術」を説明しました。そして、「やった後悔」と「やらなかった後悔」の比較について、時間の経過による逆転現象、心理的免疫システムである認知的不協和の解消、ゼイガルニク効果を説明しました。
まとめ
これまで私は、後悔については悪いこととしてのイメージしかありませんでした。しかし、考え方次第で、後悔は、自分が「もっと良くなりたい」と願っている証拠でもあります。そして、過去を消すことはできません。しかし、過去の「解釈」は今から変えられるという考え方も必要な気がします。そして、大切なのは後悔しないことではなく、後悔を長引かせず、今の自分を助けるためのエネルギーに変えることというのも理解できます。
また、やった後悔は、修正できるし、いつか笑い話になります。しかし、やらなかった後悔は、長い間自分のエネルギーを奪い続けます。もし、今二つの間で迷っているなら、心理学的には『やって後悔する方』が、未来の自分を救う選択になるかもしれません。そして、話の流れではそのように選択することを理解することができます。しかし、自分自身がその場になって、やった後悔にするという判断ができるという自信はありません。


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