暑くなると熱中症になる可能性があがってきます。特に、屋外の運動や作業をする際には、熱中症警戒アラートに注意する必要があります。そして、その熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)が33度以上と予想された場合に発表されます。このアラートは、熱中症の危険性に対する「気づき」を促し、予防行動を促すために発表される情報です。しかし、身近で簡易的に暑さの対策になる目安がないかと思い調べました。
暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)
暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)は、気温、湿度、輻射熱を総合的に考慮した温度指標で、熱中症の危険度を判断する際に用いられます。暑さ指数の計算式は、
- 屋外:WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
- 屋内:WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
計算に必要な要素を以下に示します。
- 乾球温度:通常の温度計で観測する気温
- 湿球温度:水で湿らせたガーゼを温度計の球部に巻いて観測する温度。湿度が高いほど、気温との差が小さくなります。
- 黒球温度:黒色に塗装された球の中心に温度計を入れて観測する温度。輻射熱の影響を受けやすく、直射日光にさらされた場合の体感温度と関連しています。
計算方法:
- 湿球温度、黒球温度、乾球温度を測定 : 適切な温度計を使って、それぞれの温度を測定します。
- 計算式に当てはめる : 測定した温度を、屋外の計算式、そしくは、屋内の計算式に当てはめます。
- WBGT値を算出 : 計算式の結果が、暑さ指数(WBGT値)になります。
計算例:屋内の場合:湿球温度が25℃、黒球温度が28℃の場合には以下のような計算になります。
WBGT = 0.7 * 25 + 0.3 * 28 = 17.5 + 8.4 = 25.9 33以上でアラートが発表されるのでこの状況では発表されません。
目安が欲しい・・・
環境省「熱中症予防サイト」によると、暑さ指数が28(℃)=厳重警戒を超えると、熱中症のリスクが高まるといわれています。そして、暑さ指数が28(℃)以上になった際は、熱中症に特に注意しましょうと言われています。具体的な危険な暑さ指数と注意すべき生活活動の目安は、以下のとおりです。暑さ指数も単位が℃なので何の単位かに気をつけて下さい。データ引用は以下のサイトですhttps://www.egmkt.co.jp/column/consumer/802/
日常生活の場合
暑さ指数(WBGT) | 注意すべき生活活動の目安 | 注意事項 |
危険(31℃以上) | すべての生活活動でおこる危険性 | すべての生活活動でおこる危険性 高齢者は安静状態でも熱中症発生のリスクあり。そして、外出はなるべく避け、涼しい室内へ移動する |
厳重警戒(28℃以上31℃未満) | すべての生活活動でおこる危険性 | 外出時は炎天下を避け、室内では室温上昇に注意する |
警戒(25℃以上28℃未満) | 中程度以上の生活活動でおこる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分な休息を取り入れる |
注意(25℃未満) | 強い生活活動でおこる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時は発生する危険性がある |
運動をする場合
暑さ指数(WBGT) | 熱中症予防運動指針 | 参考気温 | |
31℃以上 | 運動は原則中止 | 特別な場合を除き運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき | 35℃以上 |
28℃以上31℃未満 | 厳重警戒(激しい運動は中止) | 熱中症の危険性が高いため、激しい運動や持久走などの体温上昇しやすい運動は避ける。そして、10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。暑さに弱い人(※)は運動を軽減または中止 | 31℃以上35℃未満 |
25℃以上28℃未満 | 警戒(積極的に休憩) | 熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。加えて、激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。 | 28℃以上 31℃未満 |
21℃以上25℃未満 | 注意(積極的に水分補給) | 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。そのため、熱中症のサインに注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する | 24℃以上28℃未満 |
21℃未満 | ほぼ安全(適宜水分補給) | 通常は熱中症の危険は少ないが、適宜水分・塩分の補給が必要 | 24℃未満 |
※暑さに弱い人とは、体力の低い人や肥満の人、暑さに慣れていない人のことを指します。
運動をする場合については、参考気温で31℃以上35℃未満で厳重警戒、35℃以上で運動は原則中止ということはわかります。また、計算式からグラフ化しようとも考えましたが、パラメータが3つもあり難解であきらめました。そこで、日常生活の目安を知りたく、別に何か方法がない探して、不快指数について調べることにしました。
不快指数とは
気温と湿度から算出される、蒸し暑さを数値で表した指標のことを不快指数と言います。つまり、不快指数が高いほど、蒸し暑く感じられます。具体的には、気温と湿度から計算式によって求められ、数値が高いほど不快に感じるとされています。
体感 : 不快指数は、あくまで体感温度の目安であり、風速や日射などの影響も受けるため、必ずしも体感と一致するとは限りません。
利用 : 不快指数は、住宅などの空調計画の目安として利用されることもあります。例えば、不快指数が75を超えると、半数以上の人が不快に感じ始め、80を超えるとほとんどの人が不快に感じるとされています。
計算式
不快指数 = 0.81 * 気温 + 0.01 * 湿度 * (0.99 * 気温 – 14.3) + 46.3
目安を下に示します。
不快指数 | 体感 | 不快指数 | 体感 |
55以下 | 寒い | 70~75 | 暑くない |
55~60 | 肌寒い | 75~80 | 暑くて汗が出る |
60~65 | 何も感じない | 80~85 | 暑くてたまらない |
65~70 | 快い | 85以上 | 我慢できないほど暑い |
グラフ化した不快指数
上の表で不快指数が75を超えると危険になることは理解できました。そこで、不快指数を見える化するためグラフ化してみました。次のグラフは、横軸が湿度で、縦軸が不快指数です。グラフ下の凡例の22は気温22度の場合で2度ごと気温40度まで10本あります。不快指数75%に赤太線を引いています。

グラフは、同じ気温の場合、湿度が高くなるほど不快指数が上がっています。気温24度でも湿度が100%になると不快指数は75%程度になります。加えて、気温30度の場合は、湿度が30%でも不快指数が75%程度になっています。
夏のエアコンの設定温度
環境省は、夏季のエアコン使用時の室温目安として28℃を推奨しています。これは「エアコンの設定温度」ではなく、室温の目安になります。そのため、体感温度や湿度、活動レベルなど、個々の状況に合わせて調整することが大切になります。
とうことで
熱中症警戒アラートが発表された際は、重要な情報として捉える必要がある認識はありました。もう少し前の段階でわかるてごろな情報として、不快指数を調べました。その結果は、気温24度-湿度100%、気温30度-湿度30%で不快指数75%程度になります。この結果から、気温そんなに高くなくても湿度が高いと不快・・・気分が悪くなるということがわかりました。
ということは、ざっくっとその場所の気温(室温)が28℃ぐらいを目安として、それより上がったら注意すること。加えて、梅雨などの湿度が高い時期は28℃よりも低い状態の時には体調を気を付けないといけないことがわかりました。
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