仕事が忙しい時に限って、急に机回りの汚れが気になり、掃除を始めたら止まらなくなった。そして、片付け終わった後には、なぜか悩み事まで軽くなっていた。私は、何故かそんな行動をした経験があります。また、他の方も、そんな経験はありそうな気がします。そして、テレビそのようなことを聞いたことがあるような気がします。また、それは、部屋が綺麗になったから嬉しいのではないようです。つまり、『視覚情報の整理』により、脳の処理スピードが劇的に改善されたからということです。この掃除、片付けの効果にはなぜという疑問が浮かびます。そこで、 片付けが脳に与える「劇的変化」について調べました。
このブログでは、片付けと心理、脳との関係、今日からできる「脳のための片付け術」について調べましたので以下に説明します。
片付けと心理
視覚的ノイズと「前頭葉」の解放
- 情報のオーバーロード: 散らかった部屋にいる時、脳は無意識に見えている情報すべてを処理しています。例えば、「出しっぱなしの雑誌」「脱ぎ捨てた服」などの情報です。
- CPUの無駄遣い: 以前のブログ「忙しいほどスマホを見てしまう理由」で触れた通り、前頭葉のエネルギーには限界があります。そして、物が多すぎると、ただそこにいるだけで脳のバッテリーが削られていきます。
- 片付けの効果: 物を隠す、捨てる、整える。また、これだけで「処理すべきデータ」が激減します。そして、前頭葉は「クリエイティブな思考」に100%の力を使えるようになります。
決断の繰り返しが「自己効力感」を取り戻す
- 「選ぶ」ことのトレーニング: 片付けは「残すか、捨てるか」という決断の連続です。
- 主導権の奪還: 以前のブログ「買うつもりのない物を買ってしまう心理」ではお店側にハッキングされていた主導権を奪われていました。また、ここでは片付けを通じて自分の環境は自分でコントロールできる感覚を取り戻します。
- ドーパミンの報酬: 1つの引き出しが綺麗になるたびに、脳内では「達成感」という報酬が生まれます。そして、これがやる気のスイッチを押し、心のモヤモヤを晴らしてくれます。
身体を動かす「動禅(どうぜん)」のリラックス効果
- セロトニンの分泌: 拭き掃除やゴミ拾いのような一定のリズムを伴う単純作業があります。そして、このような単純作業は、幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促します。
- 扁桃体の鎮静: セロトニンが満たされると、以前のブログ「なぜ夜になるとネガティブになりやすいのか?」で暴れていた扁桃体が落ち着きます。そして、「今、ここ」の作業への没頭で、過去の執界や未来の不安から脳を切り離します。
脳との関係
前頭葉の「ウィルパワー」の節約と回復
前頭葉は、意思決定や集中力を司る「脳の司令塔」です。しかし、そのエネルギー(ウィルパワー)には限界があります。
- 「視覚的アフォーダンス」の遮断: 脳は目に入る物すべてに対して、無意識に判断をします。例えば、「これは何に使うものか」「片付けるべきか」などです。そして、散らかった部屋にいるだけで、前頭葉は常にバックグラウンドで不要なアプリが起動しているスマホのように、エネルギーを浪費し続けます。
- メンテナンス効果: 片付けをして視覚情報を減らすことは、不要なアプリを終了させることと同じです。つまり、前頭葉のメモリ(空き容量)が解放されます。そして、本来使うべき重要な決断、クリエイティブな思考にエネルギーを回せるようになります。
扁桃体の「安全確認」と不安の解消
以前のブログ「なぜ夜になるとネガティブになりやすいのか?」や「買うつもりのない物を買ってしまう心理」で扁桃体が登場しました。そして、扁桃体は、周囲の環境がコントロールできなくなると不安を感じる性質があります。
- 予測可能性の向上: 「どこに何があるか分からない」状態は、脳にとって「予測不可能な脅威」です。また、片付けによって何がどこにあるかを把握できる(=環境を支配している)状態になります。すると、扁桃体はここは安全だと判断し、アラート(不安感)を止めます。
- 現状維持バイアスのリセット: 物を捨てる行為は、脳がしがみついている「過去の情報」をリセットする作業です。そして、これにより、扁桃体が敏感に反応していた「執着によるストレス」が軽減されます。
側坐核(報酬系)による「自己効力感」の強化
「買うつもりのない物を買ってしまう心理」ではお店にハッキングされていた「側坐核」です。しかし、片付けを行うことで自分の味方になります。
- 小さな成功体験: 掃除や片付けが完了した瞬間、脳内ではドーパミンが放出されます。例えば、「引き出しを一つ整理した」「ゴミを捨てた」などです。そして、これは「自分は環境を変える力がある」という自己効力感に直結します。
- 依存からの脱却: 以前のブログ「忙しいほどスマホを見てしまう理由」や「買うつもりのない物を買ってしまう心理」のような「受動的な快楽」ではありません。つまり、自分の意志で動いて得られる能動的な快楽により、報酬系が健康的な状態に整います。
今日からできる「脳のための片付け術」
- 「全部」やろうとしない: 一気にやろうとすると前頭葉がパニックになります。そして、まずは「机の上の10センチ四方」から始めることにします。
- 「完了」を脳に教える: ゴミを袋に入れて口を縛るをします。そして、この動作は脳に「タスク終了!」という明確な信号を送り、リセットを促します。
まとめ
ここまでこのブログでは、片付けと心理、脳との関係、今日からできる「脳のための片付け術」について説明しました。まず、片付けと心理について、視覚的ノイズと「前頭葉」の解放、決断の繰り返しが「自己効力感」を取り戻す、身体を動かす「動禅」のリラックス効果について説明しました。次に、脳との関係について、前頭葉の「ウィルパワー」の節約と回復、扁桃体の「安全確認」と不安の解消、側坐核による「自己効力感」の強化を説明しました。最後に、今日からできる「脳のための片付け術」について、「全部」やろうとしない、「完了」を脳に教えるを説明しました。
まず、片付けとは、過去を捨てることではありません。つまり、新しいアイデアやチャンスが入ってくるための『脳の余白』を作ることと捉えます。また、心が重いと感じたら、まずは目の前のペンを一本、定位置に戻すような簡単なことを意識します。そして、その一歩で、自分の脳を再起動させることになるかもしれません。
私の場合は、片付けてから作業をする場合とそのまま作業をする場合があり、自分ではその差はわかりません。ただ、「前頭葉が疲れているか否か」の差かもしれません。無自覚の部分で本能で動いているのはある意味すごいような気がしました。

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