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雷とは?

科学
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 このところゲリラ豪雨とともに雷注意報が出ていることをよく耳にしています。しかし、こんなに雷注意報を聞くようになったのはここ数年のような気がします。また、雷は、鳴ったり、光ったりします。しかし、なぜこんな現象が起こるのかというがわかりませんでした。そこで、雷がどういうものか、雷が光ったり、鳴ったりする理由について調べましたので、以下に説明します。

雷について

 雷は、空で発生する大規模な放電現象です。まず、静電気が蓄積され、そして、それが一気に放出されることで、光と音を伴う現象として私たちの目に映ります。

発生の仕組み

 雷は、主に積乱雲(雷雲)の中で発生します。そのメカニズムは、以下の通りです。

  • 水蒸気の上昇と雲の形成: 太陽の熱で温められた地表の湿った空気が、強い上昇気流に乗って上空へ昇っていきます。
  • 氷の粒の衝突: 上空は気温が低いため、上昇した水蒸気は氷の粒(氷晶やあられ)になります。また、積乱雲の中では、この氷の粒が上昇気流と下降気流によって激しくぶつかり合います。
  • 電気の分離: 氷の粒が衝突すると、摩擦によって静電気が発生します。このとき、比重の軽いプラスの電気は雲の上部に、比重の重いマイナスの電気は雲の下部に集まります。
  • 放電(雷の発生): 雲の中にたまった電気が限界に達すると、その電気を逃がそうとします。そして、空気中を無理やり突き破って流れます。この現象が放電であり、雷の正体になります。この放電は、雲の中(雲放電)や、雲と地上の間(対地放電=落雷)で起こります。

種類

 雷は、発生する原因によっていくつかの種類に分けられます。

  • 熱雷(ねつらい): 夏の夕立の多くがこれです。太陽の強い日差しで地面が熱せられます。そして、これにより上昇気流が発生して積乱雲が作られます。
  • 界雷(かいらい): 季節の変わり目などに発生します。温暖な空気の塊と冷たい空気の塊がぶつかり合う前線付近で発生する雷です。
  • 渦雷(うずらい): 台風や発達した低気圧の中心付近で、強い上昇気流によって発生する雷です。
  • 冬季雷(とうきらい): 冬の日本海側で発生する、世界的に珍しい雷です。夏雷に比べて雲底が低く、雷のエネルギーが非常に大きいという特徴があります。

危険性と対策

 雷は非常に危険な自然現象です。もし、雷の光が見えたり、音が聞こえたりしたら、速やかに安全な場所に避難することが大切です。

危険な場所
  • 開けた場所: グラウンド、ゴルフ場、砂浜、山頂など、周囲に高いものがない場所。
  • 高いものの近く: 高い木や電柱の近くは、雷が落ちやすく危険です。そのため、木の下での雨宿りは絶対に避けましょう。
  • 屋根だけの場所: 公園の東屋のような場所は、雷の直撃や、地面を伝わってくる電撃の危険があります。
安全な避難場所
  • 鉄筋コンクリートの建物: 建物の中は比較的安全です。
  • 自動車やバス、列車: 車の金属製のボディが電気を流して地面に逃がすため、車内は安全です。
  • 屋内での注意点: 建物の中にいても、電線や配管を伝って電気が入ってくることがあります。そのため、家電製品やコンセント、壁などから1メートル以上離れるとより安全です。

 雷の音が聞こえるということは、雷が近くで発生している証拠です。雷鳴が聞こえたら、すぐに避難を開始することが重要です。最後の雷鳴から30分以上経過するまでは、安全な場所で待機するようにしたほうが良いです。

雷が鳴ったり光ったりする理由

 雷が鳴ったり光ったりするのは、雷の正体である「放電」が原因です。また、この現象は、静電気の非常に大規模なものだと考えると分かりやすいと思われます。

光る理由

  雷が光るのは、雷の通り道にある空気が超高温になるからです。

  • 電気の蓄積: 雷雲(積乱雲)の中では、上昇する氷の粒と下降する氷の粒が激しくぶつかり合います。そして、この摩擦によって、雲の中には莫大な量の静電気がたまります。通常、雲の上の方にプラスの電気が、下の方にマイナスの電気がたまります。
  • 放電: 雲の中にたまった電気が限界を超えると、その電気を逃がそうとします。そして、このとき、電気は空気中を無理やり突き破って流れます。これを「放電」といいます。
  • 空気の加熱: この放電が起こる一瞬、電気の通り道になった空気は、約3万℃という太陽の表面温度の約5倍にもなる超高温になります。
  • 発光: 高温になった空気は、強い光を放ちます。つまり、この光が、私たちが目にする「稲妻」です。

鳴る理由

 雷が鳴るのは、放電によって高温になった空気が急激に膨張するからです。

  • 空気の急激な膨張: 放電によって一瞬で超高温になった空気は、爆発するように急激に膨らみます。
  • 空気の振動: この急激な膨張が、周囲の空気を大きく震わせます。
  • 音の発生: そして、この空気の震えが音となって私たちの耳に届き、「ゴロゴロ」や「バリバリ」といった雷の音になります。

光が先で、音が後なのはなぜ?

 光と音が同時に発生しています。しかし、それにもかかわらず、私たちはまずを見て、その後にを聞きます。その理由は、光と音の進む速さが全く違うからです。

  • 光の速さ: 1秒間に約30万キロメートル
  • 音の速さ: 1秒間に約340メートル

 光は非常に速いので、雷が落ちた瞬間にその光は私たちに届きます。しかし、その一方、音はゆっくりと進みます。そして、雷との距離に応じて、光を見てから音が聞こえるまでに時間差が生まれるのです。この時間差を利用すれば、雷までの距離を測ることもできます。

まとめ

 雷の発生原因が、積乱雲がベースになっていることを知ることができました。積乱雲とゲリラ豪雨と雷が関係していることがわかりました。そして、雷はその状況下で「放電」という現象によって起こり、光と音の両方が発生していることも明確になりました。雷が光るのは、雷の通り道にある空気が超高温になるからで、雷が鳴るのは、放電によって高温になった空気が急激に膨張するからであることもわかりました。

 また、雷が起きた際の安全な避難場所として、鉄筋コンクリートの建物で、その建物の中は比較的安全であることを忘れかけていたので再確認することができました。少しでも、理解が深めることができれば幸いです。

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