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「サブリミナル効果」- 潜在意識への働きかけ

心理
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 Tverで昔のドラマを見ていたら、「サブリミナル効果」が出ていました。また、このドラマのサブリミナル効果の対照は、「」でした。しかし、これまでサブリミナル効果としての印象は映像でした。そして、「サブリミナル効果」についてなんとなくいやなイメージがありました。それは、人が気が付かないところで作為的にされているからです。そこで、ぼんやりしていた知識を改めるめに調べました。ここでは、サブリミナル効果、具体例、現状、脳との関係などについて説明します。

サブリミナル効果

 サブリミナル効果とは、人間の「潜在意識」に直接働きかける刺激を与えます。そして、意識的な認識なしにその行動や知覚に影響を与える現象を指します。具体的には、テレビCMなどに極めて短い時間(一瞬)メッセージを挿入します。そして、視聴者が気づかなくても無意識のうちにその内容を記憶します。結果として、購買意欲などを高めるという手法で用いられます。

サブリミナル効果の仕組み

  • 識閾下刺激(サブリミナル):刺激の強さが、人間が「感知できるぎりぎり」のレベルに設定されます。そのため、私たちはその刺激を意識することはありません。
  • 潜在意識への働きかけ:意識に上らない刺激が、潜在意識や意識と潜在意識の境界領域に作用します。
  • 行動や知覚への影響:その後、消費者の行動や知覚に何らかの変化が起きると考えられています。

具体例

  • サブリミナル広告:テレビ番組の間に、数カットの短い映像や音声のメッセージを挿入されます。そうすることで、商品への関心を高めたり、購入意欲を刺激したりする広告手法です。
  • 広告での一瞬のメッセージ挿入:テレビやインターネット広告で、ブランド名や製品画像を非常に短い時間だけ表示する方法です。
  • 映画やCMへの商品プレイスメント:映画やテレビ番組の中でキャラクターが商品を使用しているように見せる。この「プレイスメント」も、サブリミナル効果の一種とされています。
  • 店内BGMによる購買意欲の刺激:特定の周波数やリズム、あるいはジャンルの音楽を流します。これにより、顧客の購買意欲や感情を刺激します。
  • 口癖によるセルフ暗示:「電話が得意だ」と繰り返す営業マンの口癖が、実際のテレアポの成功率を高めた例があります。このように、自分自身にかける暗示もサブリミナル効果として利用できます。
  • マーケティング:ブランド名や製品画像を瞬時に表示します。そして、無意識的な好意や購買意欲を高める手法として注目されています。

有名な実験

 ヴィカリーの実験:1957年にジェームズ・ヴィカリーが映画の上映中に実験じました。「コカ・コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」というメッセージを1/3000秒だけ挿入しました。その結果、コーラとポップコーンの売上が上がったという有名な実験があります。しかし、この実験は捏造であった可能性や、効果は限定的だったとする意見もあります。

現在の状況

  • 倫理的な課題:消費者の意図しない行動を誘導する可能性がありあす。そのため、倫理的な懸念から注意が必要です。
  • 効果の限定性:サブリミナル効果の科学的な根拠は広く認められているわけではありません。これは、研究結果には個人差があり、効果は一時的で長期的な影響は期待できないとされています。
  • 米国や日本など多くの国で、サブリミナル広告は禁止されています。それは、知覚できないメッセージや画像を広告に使うサブリミナル広告です。
  • 1995年の地下鉄サリン事件をきっかけに、TBSの特番でオウム真理教の幹部の写真が一瞬だけ流れたことが問題視され、テレビを利用したサブリミナル効果は厳しく規制されるようになりました。

科学的根拠

 脳内で知覚されない程度の弱い刺激でも、その後の判断や行動に影響を与えます。これは、「プライミング効果」として限定的な範囲で認められています。そして、MRIを用いたて、視覚的なサブリミナル刺激で視覚野の活性化が確認されています。これは、無意識に情報が処理されていることを示しています。ただし、その効果は弱く、かつ特定の欲求がある場合にのみ発生すると考えられています。また、音声サブリミナルについては確実な科学的根拠は乏しいとされています。

脳との関係

 人間の意識に上らないほどの微細な刺激によって脳の潜在意識に影響を与えます。そして、これが判断や行動を変容させる現象がサブリミナル効果です。また、この刺激は、意識的な認知の閾値(限界値)以下です。しかしながら、脳の視覚野や聴覚野、さらにはドーパミンを放出する腹側被蓋野などの脳領域を活性化させることが脳科学の研究で明らかになっています。これにより、無意識レベルでの情報処理や注意の誘導が可能となります。そして、消費者の購買意欲の刺激などに応用されることもあります。しかし、その効果は限定的であり、倫理的な問題も指摘されています。

  • 潜在意識の活性化:サブリミナル刺激は、脳の意識できないレベルで処理されます。しかし、脳の特定の領域を活動させます。
  • ドーパミン報酬系の関与:例えば、自分の顔を認識した際の脳の反応を調べた研究では、報酬系の中枢である腹側被蓋野が活動し、ドーパミンが放出されることが確認されています。そして、これが無意識的な反応を促進すると考えられています。
  • 認知メカニズム:サブリミナル刺激は、 プライミング効果 とも関連が深い。つまり、事前に与えられた情報がその後の判断や行動に影響を与えるメカニズムに関与しています。
  • プライミング効果:先行して与えられた情報(プライマー)によって、後から提示される情報(ターゲット)の処理が、無意識のうちに促進または抑制される現象です。

まとめ

 ここまで、サブリミナル効果、具体例、現状、脳との関係などについて説明しました。これは、人間の意識に上らないほどの微細な刺激によって脳の潜在意識に影響を与え、判断や行動を変容させる現象がサブリミナル効果でした。そして、MRIを用いたて、視覚的なサブリミナル刺激で視覚野の活性化が確認されていました。そして、無意識に情報が処理されていることが示唆されていました。やり方によっては、効果が出ていない場合もあるようですが、効果が出ていることがあるのも事実です。

 日本やアメリカ等でサブリミナル広告が禁止されています。しかし、広告以外のどこかで使われていても、調べないと気が付かないのが恐ろしい気がします。映像や音声は街のいたるところで流れているのでどこかで使われていたら・・・と思うと怖いです。使い方によるとは思いますが・・・

 

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