はじめて録音した自分の声を聞いた時のショックを今でも覚えています。そして、えっこんな声なのかという違和感を感じました。また、なんとも言えない気持ち悪さがこみ上げてくることがありました。そして、他人の声は普通に聞けるのに、自分の声だけは妙に受け入れられない。加えて、「こんな声で話してたの…?」とショックを受ける人も多いようです。 しかし、それは、あなたが特別に敏感だからでも、自分に厳しいからでもありません。そして、ほとんどの人が同じ違和感を抱えているようです。
今回のブログでは、自分の録音した声を気持ち悪く感じる要因と脳内での働きについて調べたので以下に説明します。
自分の声だけ録音だと気持ち悪い要因
自分の声は「自分だけが特別に聞いている」
普段、私たちが自分の声を聞くときは、実は 2つの音の経路が混ざっています。
- 空気を伝わる音(気導音)
- 頭蓋骨を振動して伝わる音(骨伝導)
そして、骨伝導は低音が強く響くので自分の声は“落ち着いて、少し太い声”に聞こえます。ところが、録音した声は、この骨伝導が一切入ることはありません。そのため、声が軽く聞こえる、高音が強調される、なんだか幼く感じるというギャップが生まれます。つまり、録音した声が気持ち悪いのは、普段聞いている“自分の声”とは別物だからです。
脳が長年育ててきた「自分の声のイメージ」が壊れる
脳は、“自分の声=骨伝導込みの声”として記憶しています。そして、何年も何十年も、ずっとその声を「自分」として認識してきました。そのため、録音した声を聞くと、脳は「え、誰これ?自分じゃない」こう反応します。また、これは、
- 写真に写った自分の顔が「なんか違う」と感じる
- ビデオに映る自分の姿がぎこちなく見える
あの感覚と同じです。つまり、“脳が知っている自分”と“現実の自分”がズレた瞬間に起きる違和感です。そして、これが「気持ち悪い」の正体になります。
録音した声は“コントロールできない自分”が丸見えになる
録音した声には、普段は意識していない部分がすべて出ます。
- 緊張の揺れ
- 呼吸の浅さ
- 話し方のクセ
- 思っていたより早口
- 思っていたより弱々しい
つまり、自分では隠しているつもりの“素の自分”が露出します。そして、「うわ…こんな感じだったのか」と恥ずかしさが込み上げます。また、これは心理学でいうセルフプレゼンテーション(自分をどう見せたいか)とリアルな自分のギャップが生む自然な反応です。
気持ち悪さは「異常」ではなく「脳が正常に働いている証拠」
録音した自分の声が気持ち悪いのは、自分の声が変だからでも、自分の感性が弱いからでもありません。むしろ、脳が“いつもの自分”を大切にしている証拠になります。
- 骨伝導と気導音の違い
- 自己イメージとのズレ
- コントロールできない自分の露出
そして、この3つが重なると、誰でも違和感を覚えることにます。また、「自分の声が嫌い」という気持ちは、“自分をちゃんと知っている”からこそ生まれます。そして、とても人間らしい反応ということになります。
自分の声を気持ち悪く感じる脳内
前項目と重複する部分もありますが、重なる部分を含めて説明します。
脳は“骨伝導込みの声”を「自分の声」として記憶している
普段、自分の声を聞くときは、空気を伝わる音(気導音)、頭蓋骨を振動して伝わる音(骨伝導)の 2つが混ざった特別な音 を聞いています。また、骨伝導は低音が強く響くため、自分の声は落ち着いていて太め に聞こえます。そして、脳は何十年もこの“骨伝導込みの声”を「これが自分の声だ」 として記憶してきました。ところが、録音した声は気導音だけになります。そして、脳が知っている声と違うため、「これは自分じゃない」 と判断してしまいます。そして、その結果、違和感が生まれます。これは脳の「自己音声モデル」が崩れる瞬間です。
自己イメージと現実のギャップを脳が“エラー”として処理する
脳には、「自分はこういう声・こういう姿・こういう話し方」という自己イメージが強く刻まれています。そして、録音した声はそのイメージとズレるため、脳は “予測誤差” として処理します。また、予測誤差が大きいほど、違和感、気持ち悪さ、恥ずかしさ、自分じゃない感が強くなります。これは、写真やビデオで見る自分が「なんか違う」と感じるのと同じ脳の反応になります。
録音した声は“コントロールできない自分”が露出する
録音した声には、緊張の揺れ、呼吸の浅さ、話し方のクセ、思っていたより高い声、思っていたより弱々しい声など、普段は意識していない部分が全部出ます。また、脳は「自分でコントロールできない自分」を嫌います。その結果、“素の自分がバレた”ような不快感 が生まれます。また、これは前帯状皮質が「理想の自分」と「現実の自分」のギャップに反応するためのものです。
扁桃体が“違和感=危険”として反応する
脳の扁桃体は、「いつもと違う」「予測と違う」刺激に敏感です。そして、録音した声は、脳が知っている“自分の声”と違うため、扁桃体が軽く警戒モードに入ります。その結果、不快感・拒否感 を生みます。そして、これは危険回避のための正常な反応で、あなたが敏感すぎるわけではありません。
自分の声だけ“他人化”して聞こえる現象
録音した声は、脳にとって 「自分の声ではなく、他人の声」 として処理されます。そのため、
- 客観的すぎる
- 感情が乗っていないように聞こえる
- 自分の声なのに距離を感じる
という“他人化”が起きます。そして、その結果、このギャップが気持ち悪さを増幅させます。
内容の整理とまとめ
内容の整理
ここまでこのブログでは、分の録音した声を気持ち悪く感じる要因と脳内での働きについて説明しました。まず、自分の声だけ録音だと気持ち悪い要因について、自分の声は「自分だけが特別に聞いている」、脳が長年育ててきた「自分の声のイメージ」が壊れる、録音した声は“コントロールできない自分”が丸見えになる、気持ち悪さは「異常」ではなく「脳が正常に働いている証拠」を説明しました。
次に、自分の声を気持ち悪く感じる脳内について、脳は“骨伝導込みの声”を「自分の声」として記憶している、自己イメージと現実のギャップを脳が“エラー”として処理する、録音した声は“コントロールできない自分”が露出する、扁桃体が“違和感=危険”として反応する、自分の声だけ“他人化”して聞こえる現象を説明しました。
そして、その結果以下のような事実がありました。
- 脳は骨伝導込みの声を「自分の声」として記憶している
- 録音した声はそのイメージとズレる
- 予測誤差が“違和感”として処理される
- 扁桃体が「いつもと違う」と警戒する
- コントロールできない自分が露出する
そして、これらが重なることで、「録音した自分の声だけ気持ち悪い」という現象が起きます。
まとめ
自分の声に違和感を覚えるのは、ほとんどの人が経験する“普通のこと”でした。むしろ、その違和感を通して、「自分ってこんなふうに聞こえてるんだ」と知ることは、自分をより深く理解するきっかけにもなります。そして、脳が自分を守ろうとしている正常な反応でした。私も録音した声について違和感を覚えます。そして、自分の声とわかりますが違和感を覚えます。また、自分の声とともに他の人の声の録音された声を聴いて、他の人は変わらないのに自分だけ変に聞こえる感覚を覚えました。その後、骨伝導という事実を知って自分の声がどういうものかを知っても違和感を覚えているのは、今なお骨伝導での声を聴き続けているからのような気がしました。

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