私の周りでは冬場にみなさんが金属製ドアで静電気が起きているような気がしていました。そのため、静電気が起きにくい人がいるのかなあと言う疑問がありました。しかし、静電気が起きやすい人の「静電気体質」や「帯電体質」と呼ばれる人がいるようです。これは、科学的にも存在すると考えられているようです。これは、特定の要因によって体が静電気を溜め込みやすい。そして、特定の要因によっては放電しにくかったりするようです。以下に、静電気が起きやすい人、起きやすくする要因、起きやすい場所について説明します。
静電気が起きやすい人とは
肌の乾燥度合い(最も大きい要因)
- 体にたまった静電気は、空気中の水分や汗、そして皮膚の表面の水分を通じて自然と放電されます。
- 乾燥肌の人は、肌の水分量が少ないため、静電気が逃げにくく体にたまりやすい傾向にあります。特に冬場の乾燥した時期に静電気が起こりやすい状態です。それは、空気中の水分が少ないだけでなく、肌も乾燥しやすいためです。
衣類の素材の組み合わせ
- 服と服、服と体の摩擦によって静電気は発生します。素材にはそれぞれプラスに帯電しやすいもの、マイナスに帯電しやすいものがあります。そして、この組合せによって発生する静電気の量が変わります。例えば、ウールとポリエステルなど、帯電列で離れた素材同士を身につけていると静電気が発生しやすくなります。
- しかし、同じ物質同士でも静電気が発生することもあります。そのため、単純に素材の組み合わせだけで判断できるものではありません。
靴の素材と床の素材
- 歩くことで、靴底と床の摩擦によっても静電気は発生し、体に帯電します。
- ゴム底の靴は電気を通しにくい絶縁体であるため、静電気が体にたまりやすくなります。逆に、革底などの電気を通しやすい素材の靴であれば、静電気が地面に逃げやすくなります。
- カーペット敷きの場所など、特定の床材の上を歩くと静電気が発生しやすいこともあります。
生活習慣や体調(間接的な影響)
- 一部の情報では、不規則な生活、睡眠不足、食生活の乱れ、精神的ストレスなどが「静電気体質」の原因となると指摘されています。これらの要因で体が酸化し、血液がドロドロになり静電気がたまりやすくなる説があります。しかし、これについてはさらなる科学的根拠が必要とされています。
- 一般的に、健康的な人は肌の水分量も適切に保たれやすいため、間接的に静電気の発生を抑える効果があるとは考えられます。
内容の整理
静電気が起きやすい人がいるのは事実のようです。特に「肌の乾燥度合い」が大きな要因となります。 その他にも、身につける衣類や靴の素材、生活環境(湿度など)が複合的に影響します。その結果、静電気の発生や帯電のしやすさに個人差を生み出していると考えられます。
要因・・・静電気が起きやすい
空気の乾燥(最も大きな要因)
- 静電気は、物体にたまった電気が空気中の水分を介して自然に放電されます。これにより、体から逃げていきます。
- 冬は気温が低いため、空気中に含まれる水蒸気量が少なくなります。暖房の使用によって室内はさらに乾燥し、湿度が非常に低くなります。
- 湿度が低いと、静電気が逃げにくくなり、体や物にたまりやすくなります。一般的に、湿度が35%以下、気温が20℃以下の環境で静電気が発生しやすくなるようです。
- 湿度が高い夏場に静電気を感じにくい傾向があります。それは、空気中の水分が静電気を効率よく逃がしてくれるためです。
衣類の重ね着による摩擦
- 冬は寒さ対策のために、ウール、アクリル、ポリエステルなど、様々な素材の衣類を重ね着することが多くなります。
- これらの異なる素材の衣類が擦れ合うことで、静電気が発生しやすくなります。素材にはそれぞれプラスに帯電しやすいもの、マイナスに帯電しやすいものがあります。このように、帯電列で離れた素材同士の組合せでは、より多くの静電気が発生します。
- 例えば、ポリエステルのインナーの上にウールのセーターを着る。また、アクリルのスカートにナイロンのタイツを合わせる。このような組合せは静電気が発生しやすい典型例です。
- 乾燥した環境では、発生した静電気が衣類や体にたまりやすく、放電されにくい状態が続きます。そのため、ふとした瞬間に「バチッ」と大きなショックを感じやすくなります。
静電気が起きやすい場所
静電気のショックは、体が帯電状態で、接地された金属などの導体に触れる瞬間に起きます。つまり、体が溜め込んだ静電気が一気にその導体に移動して、ショックが起こります。具体的には、次のような場所で静電気が起きやすいです。
金属製ドアのハンドル
- まず、冬場などで人が静電気を帯びている状況にあります。そして、金属製ドアハンドルが電気を通す導体であり、大地と繋がっています。これにより、帯電した体からドアハンドルへと電気が一瞬で移動(放電)することで発生します。
車のドア(特に冬場や乾燥時)
- 車内でシートとの摩擦などで体が帯電しやすく、車体(金属)に触れる瞬間にショックを受けることが多いです。特に降りる際によく発生します。
エレベーターのボタン、手すり
- 金属製のボタンや手すりは、建物とつながっていて電気が逃げやすい状態です。そのため、帯電した体で触れると放電が起こりやすいです。
エスカレーターの手すり
- ゴム製の手すりでも、内部に金属が通っている場合や、乗り始め・降りる際に体が帯電しているとショックを受けることがあります。
水道の蛇口、シンク(台所など)
- 水回りの金属部分は接地されています。そのため、特に台所などで何か作業をして体が帯電していると、触れた瞬間にショックが起こることがあります。
冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などの家電製品の金属部分
- これらの家電製品は通常アース(接地)されています。そのため、帯電した体で触れると放電が起こります。
パソコンの金属フレームやUSBポート
- 特にデスクトップPCの金属部分や、ノートPCの充電中の金属部分などに触れるとショックを受けることがあります。
金属製の手すりやポール(階段、公共施設など)
- 駅のホームや公共施設の階段など、人が頻繁に触れる金属部分でショックを受けることがあります。
ショッピングカートや買い物かごの取っ手(金属製の場合)
- カートを押している間に衣類や靴との摩擦で体が帯電します。そのため、取っ手に触れた瞬間に放電することがあります。
内容の整理
これらの場所で静電気のショックを受けやすいのは、共通して「体が静電気を帯びている状態」で、「電気が逃げやすい(接地された)導体」に触れるという状況があるためです。
静電気対策としては、これらのものに触れる前に、手のひら全体で触れる(一点集中でなく放電面積を広げる)、静電気除去グッズを使う、壁や地面など電気を通すものに先に触れて体を放電させる、といった方法が有効です。
まとめ
静電気が起きるメカニズムは「体が静電気を帯びている状態」で、「電気が逃げやすい(接地された)導体」と接触するということでした。そして、静電気が起きやすい人は、体が静電気を帯びやすい要因を多く持つ人でした。また、静電気が起こりやすい場所は、電気が逃げやすい接地された導体という要素がありました。
このような状況から、静電気対策としては、これらのものに触れる前に、手のひら全体で触れる(一点集中でなく放電面積を広げる)、静電気除去グッズを使う、壁や地面など電気を通すものに先に触れて体を放電させる、といった方法が有効であると考えられます。
そして、私の周りで静電気が起きやすい人ばかりと思っていたのは、湿度や床の材質などの静電気が起きやすい環境によるものだったと考えられます。
コメント