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なぜ『噂話』はこんなに楽しいのか?:社会集団を維持するための進化

心理
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 テレビのドラマで道端で井戸端会議で、噂話をしているようなシーンをよく見ます。また、実際にも学校、会社、カフェなどあちこちで人の噂話をしているのも見たりします。また、週刊誌やネット記事で芸能人のスキャンダル等をついつい記事を最後まで読んでしまうようなことがあります。そして、我に返りそんな自分に、少しだけ嫌気が差すこともありそうです。また、 噂話やゴシップは、どこか「不謹慎」で「性格が悪い」ことのように思われがちです。しかし、驚かないでください。進化心理学の世界では、「噂話ができなかったら、人類はここまで反映しなかった」とさえ言われています。

 また、私たちが噂話を「楽しい」と感じてしまいます。そして、それが脳にとって、生き残るために必要な「報酬」だったからということになります。つまり、美味しい食事や休息と同じくらいの報酬です。今回は、人類を絶滅から救った「最強のコミュニティ維持ツール」としての噂話の正体について調べました。

 このブログでは、なぜ噂話がこんなに楽しいのかについて、言葉による毛づくろい噂話が果たした「2つの重要な役割」裏切者についての実験について調べましたので以下に説明しています。

噂話は「言葉による毛づくろい」である

 なぜ、私たちはこれほどまでに他人の情報に飢えています。そして、その謎を解く鍵は、私たちの親戚である「サルやチンパンジー」の行動に隠されています。

毛づくろいの限界

 サルたちは、お互いの毛を繕う「グルーミング(毛づくろい)」を欠かしません。また、これは単に体を清潔にするためではありません。つまり、「私はあなたの味方ですよ」という信頼関係を築くための儀式でもあります。

 しかし、グルーミングには欠点があります。それは、「一度に一人(一匹)としかできない」ことです。そして、「手が塞がってしまい、その間は他のことができない」ことになります。

効率化されたコミュニケーション

 人類が進化し、集団の人数が増えるにつれて、全員と物理的な毛づくろいをする時間はなくなりました。そこで、私たちの先祖は革命的なツールを発明します。それが「言葉(噂話)」です。

  • 1対多が可能: 話をするだけなら、一度に3人、4人と関係を築けます。
  • 「ながら」ができる: 木の実を拾いながら、道具を作りながらでも、会話なら可能です。

 進化心理学者のロビン・ダンバーは、これを「言葉による毛づくろい(Vocal Grooming)」と呼びました。つまり、噂話は「心の毛づくろい」であり、集団の結束を固めるための超効率的なシステムでした。また、ダンバーは、人間が安定した人間関係を維持できる認知的な上限人数をダンバー数と提唱しています。そして、ダンバー数は約150人とされています。

 また、ここまで噂話として、裏切り者などの悪口だけを取り上げてきました。しかし、「あの人、実はすごいらしいよ」といったポジティブな噂も同様の結束効果があります。

噂話が果たした「2つの重要な役割」

  1. フリーライダー(裏切り者)の排除: 「あいつは獲物を独り占めする」「あいつは嘘をつく」という情報を共有します。これにより、集団のルールを守らない人を警戒し、自分たちの身を守っていました。
  2. 信頼のネットワーク構築: 「秘密の共有」は、相手を信頼している証拠になります。つまり、噂話をすることで「私たちは仲間である」という確認作業を行っているのです。

裏切り者について実験

 「噂話は単なる娯楽ではない」ことを証明する、興味深い実験がありますので以下にご紹介します。

「裏切り者」を見抜く脳のセンサー

 人間は、他人のどんな情報に最も敏感に反応するのかを調べた実験があります。

  • 実験内容: 被験者にの顔写真とエピソードを見せます。また、見せるのは「いい人」「普通の人」「ルールを破る人(裏切り者)」の3種類です。そして、その後の反応を追跡しました。
  • 結果: 「ルールを破った不誠実な人物」の情報に対して、最も強く、長く記憶に留めることが分かりました。

社会的モニタリング

 この実験結果は、「社会的モニタリング」と呼ばれる機能です。つまり、ネガティブな噂話は、集団の中に潜む「裏切り者」を特定することがあります。例えば、「あそこの家の人は、狩りで獲物をちょろまかしたらしいよ」「あの人は嘘をつくよ」などです。そして、これは自分たちのコミュニティが崩壊するのを防ぐための防衛策として機能していました。

噂話が止まると、組織が壊れる?

 別の観察実験が、噂話を禁止されたグループそうでないグループに分けて行われました。そして、その結果、協力関係が築きにくくなるという結果が出ました。そして、「全体の生産性が下がる」という結果も出ています。また、噂話という情報の流通が止まると、誰を信じていいか分からなくなります。そして、その結果、集団の機能が麻痺してしまうことになります。

まとめ

 ここまでこのブログでは、なぜ噂話がこんなに楽しいのかについて、言葉による毛づくろい噂話が果たした「2つの重要な役割」裏切者についての実験について説明しました。まず、噂話は「言葉による毛づくろい」であるについては、毛づくろいの限界効率化されたコミュニケーション噂話が果たした「2つの重要な役割」を説明しました。次に、裏切り者について実験について、「裏切り者」を見抜く脳のセンサー社会的モニタリング噂話が止まると、組織が壊れる?を説明しました。

 ということは、噂話を楽しんでしまうのは、社会的な人間である証拠という見方もできます。ただし、現代では情報が広がるスピードが異常に速すぎるような気がします。SNSでの噂話は、いろいろ悪影響があり怖さを感じてしまいます。また、個人的な感想ですが、ネガティブな噂話は広がりやすいのですが、ポジティブな噂話は広がりにくいような気がします。これは、脳への報酬が少ないからのような気がします。

 

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