夏休みのはじめに宿題を済ませようとして「また今日もできなかった」ということがあります。また、これに限らずダイエットなども始めようと思っていたけど明日からになってしまう。そして、寝る前にスマホを見ながら自分を責める夜などということがありそうです。

しかし、 実は、最新の研究や成功者の習慣を覗くと、先延ばしは「だらしなさ」ではないようです。そして、「脳が最も効率的だと判断した結果」である可能性が浮上しています。また、「先延ばし癖」を直すべき欠点ではなく、使いこなすべき武器になる可能性もあります。ただ、すべての人が先延ばしをするわけではないので人によってということに話します。なお、以前のブログに「ついつい先延ばしにしてしまうのはなぜ?」、「なぜ人は“ゼロから始める”のが苦手なのか?」、「人はなぜ締め切りが近づかないと動けないのか?」なども書いています。興味のある場合は、参照してください。
このブログでは、先延ばしは性格ではなく脳の戦略である理由、有名人のエピソードなどについて調べましたので以下に説明します。
先延ばしは性格ではなく脳の戦略である理由
なぜ「性格」ではないのか
- 感情の防衛反応: 脳は「失敗するかも」「面倒だ」というストレスから身を守ります。そして、そのために、一時的にタスクを遠ざけます。これは自己防衛の本能です。
- 偏桃体と前頭葉のバトル: 感情を司る「偏桃体」が不安をキャッチします。そして、不安により理性の「前頭葉」をシャットダウンさせている状態になります。つまり、「脳の通信エラー」であって、自分の人格の問題ではないことになります。
「戦略的先延ばし」の3大メリット
- 締め切りによる「集中力のブースト」: 人間には、期限が迫ると脳内物質ドーパミンが出ます。そして、通常時の数倍の処理能力を発揮する特性があります。また、これはパーキンソンの法則の逆活用ということになります。なお、パーキンソンの法則は、仕事の量や支出の額は、与えられた時間や収入の限界まで膨張するという人間の性質を示した理論です。
- 「無駄タスク」の自然消滅: すぐに手を付けないこと放置します。そして、状況が変わり「あ、これやらなくて良くなった」というラッキーを拾えます。
- 無意識下での「アイデア熟成」: 意識が別のことをしていても、脳のバックグラウンドではタスクの処理が続いています。そして、ギリギリで名案が浮かぶのは、この「インキュベーション」のおかげです。
成功する先延ばし vs 失敗する先延ばし
「先延ばし」には失敗するものと、成功するものがあります。そこで、失敗しない「先延ばし」にするための、正しい活用法について説明します。
| 特徴 | 成功する先延ばし(戦略型) | 失敗する先延ばし(逃避型) |
| 意識 | 「後で一気にやった方が早い」と自覚的 | 「あぁ、やらなきゃ…」と常に不安 |
| 準備 | 必要な情報の収集だけは済ませている | 何が必要かも把握していない |
| 期限 | デッドラインを厳守する | 結局間に合わず、質も低い |
- 注意: 「着手」は遅らせても悪くはありません。しかし、「何をするかの把握」だけは最初に5分で済ませるのが「戦略型」への近道です。
有名人のエピソード
レオナルド・ダ・ヴィンチ:究極の「寝かせ」の達人
万能の天才ダ・ヴィンチは、歴史に名を残すレベルの「先延ばし魔」でした。
- エピソード: 名画『最後の晩餐』の制作中、彼は数日間、一度も筆を握らずにただ絵の前でじっと座っていることがありました。パトロンから「早く描け」と急かされた際、彼はこう答えたと言います。
「天才は、作業をしていないときこそ、最も多くのことを成し遂げているものだ」
- 戦略の正体: 彼は、手を動かす前に脳内で完璧な構図をシミュレーションしていました。そして、未完の作品が多くあります。それは、彼が「物理的な完成」よりも「思考の完成」を重視した結果だと言えます。
スティーブ・ジョブズ:創造のための「土壇場」
アップルの創業者ジョブズも、実は有名な先延ばし派でした。
- エピソード: 彼はプレゼンの直前や製品デザインの決定を、周囲がハラハラするほどギリギリまで引き延ばすことがよくありました。
- 戦略の正体: ジョブズに近い人々は、彼が何かを先延ばしにしているときは、常に代替案を検討している時と考えていました。そして、思考をダイバーシティ(多様化)させているときだとわかっていました。
- 科学的な裏付け: 心理学者のアダム・グラントは、ジョブズのこのスタイルを分析し、「先延ばしによって、ありきたりなアイデアを捨て、より斬新な発想へたどり着く時間を稼いでいた」と結論付けています。
ビル・クリントン:情報収集のための「猶予」
また、アメリカ元大統領のクリントン氏も、スピーチ原稿をギリギリまで直すことで有名でした。
- エピソード: 重要な演説の数分前まで、彼はペンを持って原稿を修正し続けていました。
- 戦略の正体: これは優柔不断なのではなく、「最後の1秒まで最新の情報を取り入れ、最高の判断を下したい」という戦略的な選択でした。そして、すぐに決めてしまわないことで、状況の変化に柔軟に対応する「適応力」を最大化していたのです。
まとめ
ここまでこのブログでは、先延ばしは性格ではなく脳の戦略である理由、有名人のエピソードについて説明しました。まず、先延ばしは性格ではなく脳の戦略である理由について、なぜ「性格」ではないのか、「戦略的先延ばし」の3大メリット、成功する先延ばし vs 失敗する先延ばしについて説明しました。次に、有名人のエピソードとして、レオナルド・ダ・ヴィンチ、スティーブ・ジョブズ、ビル・クリントンの例を説明しました。
最高のパフォーマンスは、自分を許すことから始まります。次に「後回し」にしたときは、「今、脳が戦略を練っているんだな」と捉えます。そして、その余裕が、最強のエンジンになることがあります。また、ここで示したエピソードの人にとっての先延ばしとは、『思考の熟成期間』でした。そして、早く終わらせることよりも、最高の結果を出すことを優先した結果、彼らはあえて『待つ』という戦略を選んだと考えられます。ただし、これらは人によるということも考えないといけないと思います。すべての人が『思考の熟成期間』を経て最高の結果が出るとは限らないからです。ただし、自分に合うかどうかを試してみるということは良いと思われます。
残念ながらこれまでの経験では、単なる先延ばし、つまり、「失敗する先延ばし」ばかりのような気がします。そして、締め切り間際に慌てることばかりのような気がします。そのため、重要なことで意識的に『思考の熟成期間』を設けるのは危険な気がします。そのため、どこか別のタイミングで試せる時を見つける方が安全のような気がしました。

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