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スマホが鳴っていないのに通知で震えた気がする:ファントム・バイブレーション症候群

心理
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 ポケットの中でスマホが「ブブッ」と震えた気がして、慌てて取り出した。しかし、通知はゼロだった。「あれ、気のせいかな?」と思っている。このような状況を見たことがあるような気がします。私は、スマホに依存しないようにしているのでこのような経験はありません。そのため、スマホへの依存度も関係しているかもしれません。しかし、単なる勘違いではなく現代病の一種です。その名前は、「ファントム・バイブレーション(幻想振動)症候群」です。また、「もしかしてスマホ依存?」「脳が疲れてるの?」と不安を持つことがあるかもしれません。

 このブログでは、ファントム・バイブレーション症候群の正体と、過敏になった脳をリラックスさせる方法について、そして、その際の脳の無意識の働きについて以下に説明しています。

ファントム・バイブレーション症候群の正体

ファントムバイブレーションシンドローム(幻想振動症候群)とは

 実際にはスマホが振動していないのに、振動したように錯覚する現象のことです。これは、着信通知に脳が過敏に反応することで起こります。そして、スマホへの依存、連絡が取れないストレスなど、心理的要因と関連が深いとされています。また、ポケットの中の生地の摩擦などを脳がバイブレーションと誤認する。そして、スマホが体の一部のように慣れてしまったりすることが原因と考えられています。

「鳴っていない」のに「鳴った」と感じるメカニズム

  • 脳の過敏反応(ハイパー・ヴィジランス): スマホを常に気にしていると、脳が「通知を逃してはいけない」と警戒態勢に入ります。その結果、服の摩擦や筋肉のピクつき、鞄の揺れといった「無関係な刺激」を感じます。すると、脳が勝手に「通知の振動」と誤変換してしまいます。
  • 「火災報知器」の理論: 脳にとって通知を見逃すリスク空振りに終わる面倒よりも大きいと判断されます。そして、少しの刺激でもアラートを鳴らしてしまいます。

なぜこれが起きるのか?

 どのような人がなりやすいのか、心理的、身体的、スマホへの依存など具体的な背景を挙げます。

  • 心理的ストレスと不安: 返信を待っている時や、仕事の連絡に追われている時などに起こりやすいです。つまり、精神的なプレッシャーが強いほど起こりやすくなります。
  • 身体的要因: スマホをいつも同じ場所(ズボンの右ポケットなど)に入れています。そして、これにより、その部分の皮膚感覚が通知に対して過敏になります。
  • 依存度のバロメーター: 実は、スマホ依存傾向が強い人ほどこの現象を経験しやすいということも言われています。

付き合い方と改善策

  • 「置く場所」を変える: 常に身につけるのをやめます。そして、カバンの中やデスクの上など、体に触れない場所に置くだけで劇的に改善します。
  • 通知設定の断捨離: 本当に必要な通知以外をオフにします。そして、脳の「警戒レベル」を下げてあげます。
  • デジタルデトックスの推奨: 「スマホを見ない時間」を意図的に作ります。そして、脳の過敏状態をリセットします。
  • スマホとの距離を置く:意識的にスマホを遠ざけたり、通知をオフにしたりします。
  • リラックスする:ストレスを軽減します。
  • スマホ依存を見直す:携帯電話が「自分の一部」になった感覚を意識します。そして、スマホと距離を取るようにします。

ファントム・バイブレーション症候群における脳の無意識の働き

 脳の「感度設定」がマックスになっている(ハイパー・ヴィジランス)

 私たちの脳は、膨大な情報の中から「自分にとって重要なもの」だけを拾い上げるフィルターを持っています。

  • 無意識の働き: スマートフォン依存症や仕事のプレッシャーが強い状況にあります。また、このような状況下では脳は通知を「生存に不可欠な重要事項」と誤認します。そして、それにより、脳内の警戒レベル(感度)が最大まで引き上げられます。
  • 結果: 通常なら無視する「服の擦れ」や「筋肉のわずかな痙攣」といった小さな振動があります。すると、脳が「これは通知だ!」と強引に意味付けしてしまいます。

「偽陽性」を許容する脳の検知システム(信号検出理論)

 脳は、「通知を見逃すリスク」と「空振りに終わるコスト」を常に天秤にかけています。

  • 無意識の働き: 脳では大事な連絡を見逃すことは、空振りよりもダメージが大きいと判断されます。つまり、大事な連絡を見逃すという社会的損失と空振りのちょっとした手間を比べています。
  • 結果: 脳のシステムは「迷ったら『鳴った』と判定せよ」という極端な設定になります。そして、これを心理学で「信号検出理論における偽陽性(空振り)」と呼びます。例えば、火災報知器の感度が良すぎて、料理の湯気でも鳴ってしまうのと同じ状態です。

「予測」が「現実」を追い越す(予測符号化)

 最近の脳科学では、私たちは世界をありのままに見ているのではありません。つまり、「脳が予測した世界」を見ていると考えられています。

  • 無意識の働き: 「そろそろ返信が来るはずだ」「通知が来るかもしれない」と脳が強く予測しています。すると、脳は実際に振動が起きる前に「振動の感覚」を先回りして作り出すことがあります。
  • 結果: 物理的な刺激がゼロであっても、脳の感覚皮質が勝手に「震えた感覚」を生成します。つまり、これが「幻想(ファントム)」と呼ばれる所以です。

ファントム・バイブレーション症候群とデジタル依存

“デジタル依存そのもの”ではないが、関連は強い

 ファントムバイブレーションシンドロームは、医学的には「携帯電話が振動したと錯覚する現象」です。そのため、デジタル依存症として正式に分類されているわけではありません。ただし、研究や解説では次のような関連が指摘されています:

  • スマホを常に気にしている状態が背景にある。
  • 通知への過敏反応が脳に形成される。
  • 心的ストレスとの関連性が指摘されている。

 これらは、スマホ依存・デジタル依存の特徴と重なる部分が多いことは確かです。そして、「デジタル依存の周辺現象」や「依存傾向のサイン」と扱われることがあるのが実態です。

なぜ依存と関係があるように見えるのか

● 1. 通知への過敏化
 スマホを頻繁にチェックする習慣があります。すると、脳が微細な刺激を「通知かもしれない」と誤認しやすくなります。

● 2. ストレスとの関連
 心的ストレスが強いと、錯覚が起きやすいとされています。

● 3. 使用頻度の高さ
 スマホ使用者の 29.6〜89% が経験したことがあるという報告があります。そのため、スマホとの密接な関係が背景にあることは明らかとみられています。

内容の整理とまとめ

内容の整理

 ここまでこのブログでは、ファントム・バイブレーション症候群の正体と、過敏になった脳をリラックスさせる方法について、そして、その際の脳の無意識の働きについて説明しました。

 まず、ファントム・バイブレーション症候群の正体について、これがどういうものか、そのメカニズムなぜこれが起きるのか?付き合い方と改善策を説明しました。次に、ファントム・バイブレーション症候群における脳の無意識の働きについて、脳の「感度設定」がマックスになっている「偽陽性」を許容する脳の検知システム「予測」が「現実」を追い越すを説明しました。続いて、ファントム・バイブレーション症候群とデジタル依存について、“デジタル依存そのもの”ではないが、関連は強いなぜ依存と関係があるように見えるのかを説明しました。

まとめ

 スマホが鳴っていないのに通知が来たような感覚になっている人を少なからず見たことがあります。そして、ファントム・バイブレーションが起きていることについては違和感はありません。そして、脳が無意識のうちに関係しているというのは言われてみれば納得がいくものでした。

 しかし、スマホ依存に該当しているものだと思っていましたが、その前段階でした。ただし、脳が無意識にやっていることなのでスマホ依存、デジタル依存は時間の問題というような気がします。しかし、この行動は脳がそれだけ「周囲との繋がり」を大切にしていることです。そして、外の世界に対して一生懸命にアンテナを張っている証拠とも言えます。しかし、アンテナの感度が高すぎると脳は疲れてしまうことになります。そのため、スマホを物理的に体から離すなどをして、脳を楽にする必要があるような気がしました。

 

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