いつも夜更かしをするので、「明日こそは早く寝よう」と思うことがあります。また、ダイエットをするために「今日からお菓子は控えよう」などと考える人もいます。しかし、そう決めたはずなのに、気づけば夜中にスマホを眺め、ポテトチップスに手を伸ばしている。そして、このようなお菓子、SNS、タバコ、先延ばしがありそうです。また、これらは「体に悪い」「時間の無駄」だと、誰よりも自分が一番よくわかっています。だたやめることはできません。
しかし、実は、「わかっているのにやめられない」のは、意志の弱さではないようです。実は意志力(ウィルパワー)は消耗品であり、夜には枯渇しているのが普通です。そして、そこには脳の仕組みが深く関わっています。つまり、脳が『快楽』を求める暴走を、理性が止められなくなっているだけなのです。そこには、脳内で起きている「理性と本能のバトル」があります。そこで、今回脳科学と心理学の視点から、この「やめられない」の正体を調べることにしました。つまり、脳の仕組みを知れば、「戦略」で自分を変えることができるようになるからです。
このブログでは、わかっているのにやめられないことについて、あるあるエピソード、わかっているのにやめられない要因、脳内バトル、やめられない正体、攻略法について以下に説明します。
「わかっているのにやめられない」あるあるエピソード
夜のリラックスタイムの罠(スマホ・ネット)
- エピソード:
お風呂に入らなきゃいけないのに、ソファに座ったままスマホを手に取ってしまった。そして、気づけば1時間が経過していた。また、SNSのタイムラインやショート動画を無意識にスワイプし続けていた。そして、指が疲れているのに目が離せなくなっていた。また、頭の片隅では『早く寝ないと明日が辛い』とわかっている。しかし、なぜか画面を閉じるのが怖いような感覚になる。 - 心理的ポイント:
これは「報復性夜更かし」とも呼ばれます。つまり、日中、自分の時間が持てなかったストレスがあります。そして、それを、夜の自由時間で取り返そうとする脳の防衛本能です。
禁断の「あと一口」と「ついで買い」(食欲・買い物)
- エピソード:
スーパーのレジ横にある新作のチョコがあります。また、『今日は買わない』と決めていたのに、気づけばカゴに入っている。そして、帰宅後、『1個だけ』と決めて食べたはずが、気づけば袋が空になっている。最後の一口を飲み込んだ瞬間に襲ってくる猛烈な後悔があります。加えて、『明日から本気出す』という根拠のない決意があります。 - 心理的ポイント:
脳の「報酬系」が最も活発に動く瞬間です。チョコを見る(視覚)だけでドーパミンが出ます。そして、食べるという行動を脳が強制的に選択させています。
「面倒くさい」の先延ばし(生活習慣)
「わかっているのに動けない」という、体の重さを伴うパターンです。
- エピソード案:
脱ぎっぱなしの服、出しっぱなしの書類があります。そして、片付ければ3分で終わるとわかっているのに、どうしても腰が上がりません。また、視界に入るたびに小さなストレスを感じています。しかし、結局見ないふりをしてテレビのリモコンを手に取ってしまいます。そして寝る前に、片付いていない部屋を見てまた溜息をつきます。 - 心理的ポイント:
脳にとって「片付け」はエネルギーを大量に使う複雑なタスクです。一方、「テレビを見る」は省エネのタスクです。そして、脳は生存のために「楽な方」を優先して選んでしまいます。
わかっているのにやめられない要因
なぜ「理性」は「誘惑」に負けるのか、その構造を解き明かします。
- 脳内の「新旧」対決:
- 前頭前野(新しい脳): 「健康のためにやめるべきだ」という理性を司ります。
- 大脳辺縁系(古い脳): 「今すぐ快楽が欲しい!」という本能を司ります。
- この対決では、生存本能に近い「古い脳」の方がパワーが強いです。そのため、理性が本能に押し切られてしまいます。
- 報酬系とドーパミンの罠:
「やめられない行動」をした瞬間に脳内で快楽物質(ドーパミン)が出ます。そして、脳はその行動を「生存に有利な良いこと」と誤学習してしまいます。 - オペラント条件付け:
ストレスを感じる(不快)→スマホを見る(快感)というサイクルが繰り返されます。すると、脳が「ストレスにはスマホ」という自動プログラムを組んでしまいます。
脳内バトル:理性(新入り)vs 本能(ベテラン)
脳内で起きている「内乱」を、キャラクター化してわかりやすく説明します。
- 前頭前野(理性のエリート):
脳の進化で最後に加わった「人間らしい」部分です。また、計画や道徳を司りますが、疲れやすく、ストレスに弱いのが弱点です。 - 大脳辺縁系(本能の野生児):
数百万年前からある「生き残るため」の部分です。そして、「快楽=生存に有利」と記憶しており、非常にパワフルで、理性が寝静まった夜に暴れ出します。 - 結論:
このバトルは、例えるなら「5歳の子供(本能)」と「疲れ切った大人(理性)」の喧嘩のようなものです。大人が負けるのは、ある意味で自然なことです。
やめられない正体:脳の「ご褒美」システム
なぜ悪い習慣ほど強力に定着するのか、そのメカニズムを解明します。
- ドーパミンの誤解:
ドーパミンは快楽そのものではなく、快楽が手に入るぞ!という期待で分泌されます。そして、スマホの通知音を聞いた瞬間に、脳はすでに「ご褒美モード」に入り、抗えなくなります。 - 「不快」からの逃避:
ストレスや不安を感じます。すると、脳は手っ取り早く自分を安心させるために、過去に成功した「快楽行動(お菓子、SNSなど)」のスイッチを自動で入れます。 - 自動化された回路(習慣):
繰り返し行うことで、脳内に「高速道路」のような太い神経回路ができあがります。そして、意識する前に体が動いてしまう状態です。
攻略法(ハック):意志の力に頼らない環境設計
「頑張る」のではなく「仕組み」で解決する、具体的で科学的なメソッドを提案します。
- 20秒ルール:
やめたい行動への手間を20秒増やします。例えば、お菓子の袋を高い棚の奥にしまうなどです。そして、脳はわずかな「面倒くささ」を感じると、本能の勢いが削がれます。 - セルフコンパッション(自分を許す):
実は「自分を責める人」ほど、そのストレスでまた悪い習慣を繰り返します。そして、「やってしまった」時に自分を許してストレスの連鎖を断ち切ることが重要です。 - If-Thenプランニング:
「もしスマホを見たくなったら(If)、コップ一杯の水を飲む(Then)」のように、代わりの行動をセットしておきます。このように、脳の回路を上書きします。
まとめ
このブログでは、わかっているのにやめられないことについて、あるあるエピソード、わかっているのにやめられない要因、脳内バトル、やめられない正体、攻略法について説明しました。まず、あるあるエピソードについて、夜のリラックスタイムの罠、禁断の「あと一口」と「ついで買い」、「面倒くさい」の先延ばしを説明しました。次に、わかっているのにやめられない要因について、脳内の「新旧」対決、報酬系とドーパミンの罠、オペラント条件付けを説明しました。そして、脳内バトルについて、前頭前野、大脳辺縁系を説明しました。加えて、やめられない正体について、ドーパミンの誤解、「不快」からの逃避、自動化された回路を説明しました。最後に、攻略法について、20秒ルール、セルフコンパッション、If-Thenプランニングを説明しました。
まず、習慣を変えるためには、脳の配線工事が必要になります。そのため、慣れたり、できるまでにおは時間がかかるのが当たり前なことと捉えます。そして、決して「100点」を目指さないことが重要になるような気がします。また、自分を変えるのではなく、脳で実験をするという軽い気持ちで取り組むことが良いような気がします。また、今日、誘惑に負けたとしても、それは人間である証拠と捉えます。そして、明日は今日より少しだけ、脳を上手に扱えるようになることで変わって聞けるような気がします。

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