テレビで自民党の麻生議員のことをキングメーカーと言っていました。キングメーカーって何という疑問が浮かびました。そして、以前には麻生議員が院政をしているということもテレビで言っていたことを思い出しました。院政って・・・日本史で出てきた白河上皇というイメージしかありませんでした。
このブログでは、院政とキングメーカーを取り上げています。そして、この2つを調べている際に、密室政治という言葉も出てきましたので調べました。以下に院政、キングメーカー、密室政治などについて調べた内容を説明しています。
用語の確認
院政とは
院政は、天皇が位を譲って上皇や法皇となった後に、その上皇・法皇が政治の実権を握る政治体制です。 白河天皇が始めたのが本格的とされています。そして、上皇の住まう場所である「院」が政治の中心となったため、この名がつきました。また、院は父権を根拠に権力を集中させ、摂関政治の衰退と並行する形で登場しました。そして、院の近臣の武士が政治参加する道が開かれましたが、最終的には内戦や武家政権の誕生へとつながりました。
キングメーカーとは
キングメーカー(英: kingmaker)は、大統領や首相など最高権力者の選出や退陣に裏方で大きな影響力を持つ人物のことです。最近の人で、森喜朗、小沢一郎、二階俊博、麻生太郎、安倍晋三、菅義偉、岸田文雄、石破茂などの人が挙げられていました。最高権力者のキングに対して、裏方のキングメーカーという存在になります。
表舞台の政治権力者ではないが、裏では政治権力者への人事権を事実上持っていることがあります。そのため、政治権力者の人事権を通じて政治を左右させます。表舞台の政治権力者に関する人事権が少数、もしくは、究極的には1人なる場合があります。そして、ルールで明文化されていないが政治権力者への人事権を裏方の少数が事実上持っている場合があります。このような政治構造になっている場合は権力の二重構造となりやすいです。
院政と政治
もともと院政は、歴史用語で天皇の位を後継者に譲って退いた上皇(法皇)となった人がいます。しかし、上皇になっても依然として実権を握り、天皇に代わって政治を行う体制を指します。
政治における院政とは
- 現職のトップ(総理大臣や党総裁など)から退いた人物がいます。この人物が、裏から実質的な影響力を持ち、後継者を操る形で政治を動かしている状態です。
- 表向きは引退したり、一線を退いたりしています。しかし、その強大な力や人脈、発言力で、重要な政策決定や人事などに深く関与しています。そして、影響を与え続けていることです。
麻生議員が院政と言われる背景
- 自民党内の影響力・権力の大きさ: 麻生議員は内閣総理大臣や副総理兼財務大臣、自民党副総裁などの要職を歴任しました。そして、党内最大派閥の一つ(麻生派)を率いてきた経緯があります。そのため、党内での発言力や影響力が非常に強くなっています。
- 長期政権での立ち位置: 特に第二次安倍政権から、副総理・財務大臣として長く政権中枢にありました。そして、長い間政権の重要な決定に深く関わってきました。
- 党の重要ポストへの就任: 副総裁という党ナンバー2の地位を務めていました。そして、現在最高顧問、副総裁として党の意思決定に重要な役割を果たしているとみれます。その結果、「表舞台から退いてもなお実権を握っている」というイメージにつながっています。
つまり、麻生議員は役職を退いた後も、党や政権の方針に無視できない大きな影響力を及ぼし続けている、という見方から「院政を敷いている」と表現されることがあります。
キングメーカーと政治
キングメーカーとは、自らは最高権力者の地位に就いていません。しかし、裏方でその選出や退陣に大きな影響力を持つ人物を指す言葉です。特に政治の世界で使われる言葉です。以下のような役割を果たす人物を指します。
キングメーカーの特徴
- 非公式な権力: 自民党には、派閥がありました。また、麻生派閥は現存しています。そして、派閥のトップは、党内の「数」を背景に選挙における「票」と「資金」を握っています。そして、総裁選で勝つには、派閥のトップの支持が不可欠になります。その結果、裏での影響力や交渉力を持ち、党内の「数」を背景に権力を行使することができます。
- 権力の二重構造: 表のトップ(「キング」)と、裏の真の権力者(「キングメーカー」)が存在することになります。その結果、権力の二重構造を生み出すことがあります。
- リスク回避: 自らは最高権力者の地位に就いていません。そのため、政治的な責任や批判の矢面に立たされにくいという側面もあります。
キングメーカーの「功罪」と現代政治への影響
- 功(ポジティブな側面):
- 政権運営を安定させる「調整役」としての役割をします。派閥間の対立を抑え、人事で党内のバランスを取ります。
- トップの指導力を補い、長期的な戦略や知恵を提供します。
- 罪(ネガティブな側面):
- 密室政治・密約政治の温床になりやすくなります。つまり、国民の目に見えないところで重要なことが決められてしまいます。
- 組織の腐敗(例:政治とカネの問題)を招く原因となりやすくなります。
- トップがキングメーカーの「操り人形」となります。そして、国民の意思から乖離した政策が実行される可能性があります。
院政とキングメーカー
院政という言葉が「引退した元トップによる支配」という意味合いが強いです。これに対し、キングメーカーは「最高権力者を選出・決定できる実力者」という意味合いが強いです。麻生太郎議員は、、重要な役職を歴任しています。そして、今も党内で大きな影響力を持つ政治家は、キングメーカーの一人と見なされることがあります。そして、定義からは院政と捉えることもできます。
密室政治
密室政治とは、重要な政策決定や人事などが、一般に公開されない非公式な場や少人数の間で秘密裏に行われる政治の形態を指します。
つまり、国民の代表が集まる国会や、公開された会議で議論するのではありません。特定の権力者たちが集まる「密室」で物事が決められてしまうことを批判的に表現する言葉です。密室には、料亭、特定の議員会館の一室、非公式な会合などがあります。
密室政治の主な特徴
決定プロセスの不透明性
非公開の場での決定: 閣議や国会審議などの公式な場ではありません。一部の政党幹部、派閥の領袖、長老、またはキングメーカーと呼ばれる実力者だけで集まります。そして、重要な案件(特に総理大臣や大臣の人事、法案の方向性など)が決められます。
記録の不在: 公式な議事録や記録が残りにくい場になります。そのため、後に国民が「なぜその決定がなされたのか」の検証が困難になります。
権力の偏重
- 国民の意思が反映されにくい: 決定権が少数の権力者に集中します。そのため、国民の世論や、多くの議員による公開討論の結果が軽視されがちになります。
- 二重権力構造: 表の責任者である総理大臣や大臣のキングがいます。そして、裏の密室で決定権を握る実力者のキングメーカーの存在があります。そのため、実力者の意向に左右される「院政」や「キングメーカー」の構図を生み出しやすいです。
デメリット
密室政治は、しばしば民主主義の根幹を揺るがすものとして批判されます。
- 説明責任(アカウンタビリティ)の欠如: 誰が、なぜその決定をしたのかが曖昧になります。そして、政治家が国民に対して責任を負う構造が弱まります。
- 腐敗の温床: 秘密の場での決定は、特定の利益団体や、個人的な利害関係を優先した取引(利権政治)を生み出す可能性があります。
- 不信感の増大: 政治のプロセスが不透明になってしまいます。そのため、国民の政治に対する不信感や、「どうせ裏で決まっている」という諦めにつながります。
非公式な意思決定のメリット
批判が多い一方で、非公式な意思決定が持つ実務的な側面もあります。
- 意思決定の迅速性: 公開の場での調整や議論に時間をかけることなく意思決定ができます。つまり、トップ同士が迅速に合意できるため、緊急時や時間制約のある決定には有利です。
- 妥協点の模索: 公開の場で互いに主張を曲げにくい状況があります。しかし、非公式な場であれば本音を話し合うことができます。そして、党内や与野党間の妥協点を見つけやすいことがあります。
しかし、現代の民主政治では、実務的利点よりも透明性と説明責任の重要性がはるかに重視されます。その結果、密室政治はネガティブな言葉として使われるのが一般的です。
まとめ
ここまで院政、キングメーカーがどういうものか、政治との関係、メリットデメリット、密室政治などについて説明しました。まず、院政は、歴史用語で天皇の位を退いた上皇が、上皇になっても依然として実権を握り、天皇に代わって政治を行う体制を指しました。そして、キングメーカーは、最高権力者ではなく、裏でその選出や退陣に大きな影響する人物でした。これらを調べてみて院政もキングメーカーも同じような意味合いに感じました。また、キングメーカーという言葉は私が知らないだけで以前からあった言葉のようでした。
なお、自民党では、派閥解消などの動きがある中で麻生派は残っています。そして、現時点でテレビでのキングメーカーという報道から、派閥が全体的に解消されているにもかかわらず、キングメーカーの影響は大きそうな感じです。そのため国民は、表のトップだけでなく、その背後にいる「影の支配者」にも注目し続ける必要性がありそうです。また、密室政治という言葉は知っていました。政治家が料亭で会合ををしているのもテレビで見たことがあります。ここで、密室政治=料亭が結びつきました。調べてみて、キングメーカーが「影の支配者」というイメージが強くなりました。
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