PR

なぜ休日は一瞬で終わるのか?脳がつくる“時間の錯覚”の正体

心理
スポンサーリンク

 仕事の日は長いのに、休日は一瞬のように感じてしまう。または、休日は気づいたら夕方になっている。そして、「明日から仕事か…」と気づいた瞬間に時間が消えてしまう。このように、仕事の日はあんなに長いのに、休日はどうしてこんなに一瞬で消えてしまうように感じてしまいます。

 つまり、朝起きたときは「今日はゆっくりできる」と思っていた。しかし、気づけばもう夕方になっている。「え、もう終わり?」と毎回のように感じてしまいます。そして、実はこれ、あなたの時間の使い方が悪いわけではないようです。つまり、脳の仕組みが“休日を短く感じさせるようにできている”のです。しかし、大人と子供での時間感覚の違いで言われているジャネーの法則では説明がつかないような気がします。なお、時間の感覚については以前のブログに書いています。最後の関係ブログに載せています。

 このブログでは、なぜ休日は一瞬で終わるのかについての要因、脳の動きについて調べましたので以下に説明します。

 休日が一瞬で終わると感じる要因

刺激が少ないと、脳は「時間が短かった」と判断する

 時間の長さは、時計ではなく“脳の刺激量”で決まります。

  • 仕事の日    →    緊張、タスク、変化、ストレス
  • 休日      →    同じ場所、同じ行動、リラックス状態

 まず、脳は刺激が少ないと、「処理する情報が少ない=短い時間」と判断します。つまり、休日が短く感じるのは、脳がリラックスしている証拠になります。

楽しい時間は脳が高速処理する

 休日は、好きなことをして過ごす時間が多いものです。例えば、好きな映画、ゲーム、カフェでのんびり、趣味に没頭などです。

 また、こうした“楽しい時間”は、脳の報酬系(ドーパミン)が活性化します。そして、ドーパミンが出ると、脳は情報処理を高速化し、体感時間が短くなる特徴があります。つまり、「楽しい時間はあっという間」なのは、脳が快楽モードに入っているからになります。

休日の後半は「未来の不安」で現在に集中できない

 休日の午後になると、ふと頭に浮かぶのが「明日から仕事か…」という現実です。そして、この瞬間、脳の扁桃体が反応し、注意が“未来の不安”に向くようになります。すると、

  • 今この瞬間に集中できない
  • 時間の流れを感じにくくなる
  • 気づいたら夕方になっている

という状態になります。つまり、休日の後半が一瞬で終わるのは、脳が“未来”に意識を奪われているからになります。

自由すぎると、脳は逆に疲れる

 休日は自由だからこそ、脳はこう考えます。例えば、何をしよう、どれからやろう、もっと有意義に過ごすべきでは?などです。

 そして、この「選択の負荷」が前頭前皮質を疲れさせます。その結果、時間の処理能力が低下 → 時間が短く感じるという現象が起きます。つまり、自由は心地よいけれど、脳にとっては意外と負担ということになります。

記憶に残らない時間は“短かった”と感じる

 海馬は「記憶に残る出来事」を時間の長さとして認識します。例えば、休日に、ぼーっとする、同じ場所にいる、同じ行動を繰り返すなどです。

 そして、こうした時間は記憶に残りにくいものです。そのため、振り返ると“何もしてない=短かった”と感じてしまいます。逆に、旅行や初めての体験は長く感じるのは、記憶が濃いからということになります。

休日が一瞬で終わるときの脳の動き

 前項の要因と内容が重なる部分もありますが、全体の流れがあるため重複があっても記載しています。

前頭前皮質(PFC)が“リラックスモード”で処理速度が落ちる

 まず、前頭前皮質は、判断、計画、時間の把握、を担当する“脳の司令塔”です。そして、休日はこのPFCが休息モードに入り、時間の流れを細かく追わなくなります。その結果、「気づいたら夕方」という現象が起きます。つまり、仕事の日はPFCがフル稼働しているので、時間が長く感じるのはそのためです。

脳の報酬系(ドーパミン)が“楽しい時間”を高速処理する

 休日は好きなことをする時間が多く取ることができます。例えば、趣味、カフェ、映画、ゲーム、友達との時間などです。

 そして、こうした“楽しい時間”はドーパミンが出て、脳の処理速度が上がります。また、脳の処理速度が上がると、体感時間が短くなるという特徴があります。つまり、「楽しい時間はあっという間」は脳の仕様ということになります。

扁桃体が“明日への不安”で現在から意識を奪う

 休日の後半になると、「明日から仕事か…」という思いが頭をよぎります。そして、この瞬間、扁桃体が反応し、注意が“未来の不安”に向くようになります。すると、次のような状態に陥ります。

  • 今この瞬間に集中できない
  • 時間の流れを感じにくくなる
  • 気づいたら夕方になっている

 つまり、休日後半が一瞬で終わるのは、脳が“未来”に意識を持っていかれているからということになります。

デフォルトモードネットワーク(DMN)が“ぼーっと時間”を圧縮する

 DMNは、ぼーっとしているときに働く脳のネットワークです。また、休日はDMNが活性化しやすくなります。例えば、何となくスマホ、何となくテレビ、何となく休憩の時などです。

 休日には、こうした“意識が薄い時間”が増えます。そして、DMNが働いている時間は、脳が時間をほとんど記録しません。そのため、振り返ると「何もしてない=短かった」と感じます。

海馬が“記憶に残らない時間”を短く感じさせる

 海馬は記憶の整理担当しています。そして、休日に同じ場所にいる、同じ行動を繰り返す、特別な出来事がないという行動をよくします。しかし、このような時間は海馬に記録されにくいものです。そして、記憶が薄い=時間が短く感じるという脳の仕組みがあるため、休日は振り返ると一瞬になります。逆に、旅行が長く感じるのは、記憶が濃いからということになります。

脳の働きについての内容の整理

 休日が一瞬で終わるとき、脳ではこんなことが起きています。

脳の部位起きていること
前頭前皮質リラックスして時間の把握がゆるむ
報酬系(ドーパミン)楽しい時間を高速処理して短く感じる
扁桃体明日の不安で現在から意識を奪う
DMNぼーっと時間を圧縮して記録しない
海馬記憶が薄い時間を“短かった”と判断

 つまり、休日が短いと感じるのは、脳が休んでいる証拠ということになります。そして、あなたが怠けているわけでも、時間の使い方が下手なわけでもないことになります。ただ単に、脳が“休日モード”に入っているだけということになります。

内容の整理とまとめ

内容の整理

 ここまでなぜ休日は一瞬で終わるのかについての要因、脳の動きについて説明しました。まず、要因について、刺激が少ないと、脳は「時間が短かった」と判断する楽しい時間は脳が高速処理する休日の後半は「未来の不安」で現在に集中できない自由すぎると、脳は逆に疲れる記憶に残らない時間は“短かった”と感じるを説明しました。次に、脳の動きについて、前頭前皮質が“リラックスモード”で処理速度が落ちる脳の報酬系が“楽しい時間”を高速処理する扁桃体が“明日への不安”で現在から意識を奪うデフォルトモードネットワークが“ぼーっと時間”を圧縮する海馬が“記憶に残らない時間”を短く感じさせるを説明しました。

まとめ

 まず、休日が一瞬で終わるのは、あなたが怠けているからでも、時間の使い方が下手だからでもありませんでした。

  • 刺激が少ない
  • 楽しい時間は高速処理
  • 不安で現在に集中できない
  • 選択の負荷で脳が疲れる
  • 記憶に残らない

 そして、これらのいくつかが重なって、休日は誰にとっても短く感じるようにできているものでした。つまり、「休日が短い」と感じるのは、脳がリラックスしている証拠でもありました。

 しかし、要因がこのような多数あるとは思ってもみませんでした。例えば、「刺激がすくない」と「楽しい時間は高速処理」は逆のような感覚をもっていました。しかし、落ち着いた状態かそうでないかにも違いがあるような感じでした。そして、要因が多すぎて、その状況をそれなりに正確に分析しないとどう影響があるかを見定めるのも難しいような気がしました。つまり、楽しんでいる新しい経験や旅行などでは時間を長く感じるため、要因の分離は相当難しいと思われます。しかし、一般的には記載されたようなことが当てはまるような気がしました。

 

関係ブログ

コメント