PR

なぜ人は集団になると豹変するのか?

心理
スポンサーリンク

 普段は静かな人が、スポーツ観戦などで大勢と一緒になると大声で熱狂したりします。このような人は時々いるような気がします。つまり、沢山の人の中にいるといつもとは異なる行動をする人のことです。例えば、普段は穏やかな人が、デパートの開店セール会場では我先にと商品に殺到する。そして、会議などで、自分の意見を持っています。しかし、周りの意見に流されて発言をためらってしまうような人です。

 そこで今回、なんとなくその行動してしまいそうとわかっているような気がていました。しかし、よく考えるとどうしての部分がほぼわかっていないのでここで調べることにしました。以下に、集団の中に入るといつもとは行動が異なる人の心理について説明させていただきます。

集団行動を解き明かす心理メカニズム

同調圧力(Conformity):多数派に合わせようとする心理

 集団の中では、自分だけが違う意見を持つことに不安を感じてしまいます。そして、たとえそれが自分の本心とは違っていても、多数派の意見や行動に合わせてしまうことがあります。この心理が同調圧力と言われるものです。次に具体例を示します。

  • 具体例
    • アッシュの同調実験:明らかに短い線分を「長い」と答えるサクラがいます。その際、被験者がサクラに合わせ、「長い」と答えてしまうという有名な実験があります。
    • 会議:みんなが賛成している雰囲気に流され、本当は反対でも何も言えなくなってしまう。
    • ファッション:特定の流行が自分には合わないと思っています。しかし、周りに合わせて同じような服を着てしまう。

 理由:集団からの逸脱を恐れる心理が、個人の意思決定を歪めます。そして、結果として周りに合わせた行動を取らせてしまいます。

傍観者効果(Bystander effect):責任感が分散する心理

 目の前で困っている人がいます。しかし、周りに大勢の人がいると、「誰かが助けるだろう」と考えてしまいます。その結果、誰も行動を起こさなくなってしまう心理が傍観者効果です。以下に具体例を示します。

  • 具体例
    • 緊急事態:駅で人が倒れているのに、多くの人が見て見ぬ振りをして通り過ぎてしまう。
    • いじめ:クラスでいじめが起きているのに、周りの生徒は何も言えず、傍観してしまう。

 理由:責任感が多くの人に分散されることで、個人の行動へのモチベーションが低下します。そして、その結果、本来であれば助けるべき状況でも、行動を起こさなくなってしまいます。

脱個性化(Deindividuation):匿名性と一体感が生む大胆な行動

 集団に埋没することで、個人の責任感が薄れます。そして、普段は抑えているような大胆な行動や、非日常的な行動を取りやすくなることがあります。この心理を脱個性化と呼びます。つまり、匿名性や集団の一員であるという一体感が、この心理を強めます。以下に具体例を示します。

  • 具体例
    • ネット炎上:顔が見えない匿名性の中で、普段は言えないような攻撃的な言葉を使ってしまう。
    • デモや暴動:大勢の中の一人として、普段ではありえない破壊行為や略奪行為に加わってしまう。
    • お祭り騒ぎ:ハロウィンなどで集団になると、普段はしないような羽目を外した行動をしてしまう。

 理由:集団の中にいることで「自分」という意識が薄れます。そして、「集団」としての行動に没頭します。これにより、個人の規範や倫理観が一時的に麻痺し、普段とは異なる行動につながることになります。

集団の中で「自分」を保つために

 これらの心理を理解し、集団の中でも主体的な行動を取るための対策の例を示します。

  • 「自分の頭で考える」習慣をつける:集団の意見を鵜呑みしない。一度立ち止まって「本当にそうだろうか?」と自問自答する。
  • 「違和感」を大切にする:同調圧力や傍観者効果を感じた時に、その違和感を無視しない。
  • 匿名性の中での言動に注意する:ネット上など、匿名性が高い場所での発言は、現実での発言と同じ重みがあることを意識する。
  • 「最初の行動者」になる勇気を持つ:傍観者効果を打ち破るには、誰かが最初に一歩を踏み出すことが重要です。

まとめ

 集団の中に入るといつもとは行動が異なる人の心理について、同調圧力、傍観者効果、脱個性化という3つ心理を用いて説明しました。3つの要因とも自分がなったり、人がなっているのを見たことのあるものでした。匿名性などはテレビで取り上げられていたことを思い出しました。そして、なるほどこんな状況になった時、集団に飲み込まれ、行動が変わってしまうことを理解することができました。

 この要因の中の同調圧力は、いろいろな場面で取り上げられて耳にするようになりました。その理由は、会社や組織がまとまりに加え個の意見を重要視するようになったからだと思われます。つまり、マンネリ化した状態を打破しようとしていると思われます。そこで、組織内の同調圧力で多数派の意見に合わしてしまうことをとし、個性やオリジナリティを出すことをとし始めたのではないでしょうか。時代の流れもこのような考えに影響しているということをしみじみ感じました。

コメント