会社や学校で上司や先生が説明した後、わかりましたか?と聞く場面が多くあります。簡単なことであれば、間違いなく、もしくはそこそこ伝わります。ただし、複雑な内容になると、受けての相手は「わかりました!」と回答しました。しかし、伝える側が相手のこれを受けての行動をみると分かっていないということが時にあります。これは、受けては理解しているつもりです。伝える側は、理解できていないと判断します。この差について私の経験を基に考えてみます。
専門の入門書を読んで
前提の知識がない専門書を伝える側として、読者を受け取る側としています。何も知らない人に対して、専門の入門書が教えているという関係性としています。
読んだ回数と状態
1回目に読み終えて
入門書とはいえ内容が専門なのでかなり時間がかかり苦労して読み終えました。初見の単語、用語、内容が多く、その専門がわかってきたような感じでした。そして、何となく全体像をつかめたような印象があった。
2,3回読み終えて
1回目では初見だった単語、用語にも「はじめまして感」がなくなり、専門用語に対する抵抗感が薄れてきたような感じがしました。1回目よりは、専門用語を含め内容に慣れてきた感覚がありました。そして、全体的に理解ができてきたような感覚を持ちました。
5回読み終えて
専門用語にも慣れ、抵抗感もなく、読み終えるまでの時間も短くなりました。そして、この本についてもうほとんど理解できたという感覚がありました。
その後
新しく見たと思った単語がありました。確認のために、その専門の入門書に書かれているかの確認をしました。記憶になかったので、ないと思っていましたが、しっかり説明されていました。ひょっとしてですが、無意識に読み飛ばしている部分があるのではないかと思われます。
ベースとなる知識が増える
はじめはほどんど知識のなかった専門書について、読む回数が多くなるに従ってベースとなる知識が増えます。
ベースとなる知識が増えることで「理解できる事柄が増える」。そして、さらに「ベースとなる知識が増える」この繰り返しで「わかる内容」が変わる。
読む回数が増えるに従って理解できる内容が変わることになる。ただし、本に書かれている内容は変わらないので新たにわかる内容は減ることになる。これにより、別の中級レベル等の本にステップアップすることが可能になる。
どのレベルでも「わかった」と感じる
1回目に読み終わった時も、「わかった」と感じます。そして、2,3回読み終わった後も、5回読み終わった後も「わかった」と感じます。そうです!すべての段階で「わかりました」感覚になります。
ただし、わかった内容、レベル、はそれぞれの段階によって異なります。また、この段階ではないのですが、その内容について、「知っているだけ」、「使うことができる」、「説明できる」等によっても「わかっている」レベルは異なると思われます。
わかってもらえやすさ
簡単な内容 業務
例えば、スーパーに行って、1Lの牛乳を1パックと10個入り卵を1パック買ってきてください。このような内容の場合は、「1L牛乳 1パック、10個入り卵 1パック」と書かれたメモを渡す。これで「わかってもらえて」、多くの場合、ちゃんと買ってきてもらえる。また、簡単な業務で、この資料を10部コピーを取ってホッチキスで左上を閉じておいてください。このような内容も「わかって」もらえて、多くの場合思っている内容を実行してもらえる。
会社の業務など ある程度ベースの知識が必要なこと
例えば、次の依頼があります。「何月何日どこどこの会社に行って、***の商品について説明してきてください。」
相手先の会社がどのような会社で自分の会社の商品への知識がある程度あるか、全く異業種であり全く知識がないかによって説明を変える必要があります。
ただし、この依頼に対して「わかりました行ってきます」という人もいます。また、「相手先の会社について質問する」人もいると思われます。伝える内容や方法などによって受け取り方が変わる。その内容を伝えるためにどのようなレベルの知識レベルの目線で話をするか
相手が持っている先入観が強い場合は、簡単には理解してもらえない場合もある。しかも、その相手は説明をした内容に対して「わかりました」と回答をする。
相手の知識レベルやその時の状況によって異なってくる可能性が高い。
整理してみると
相手がどこまで理解しているか
簡単な内容の場合は、簡単な確認で理解レベルを知ることができます。しかし、込み入った内容の場合は、相手がどのレベルまで理解できたの確認は難しい。そのため、質問はありませんか?や本人の返事を信じることになる。ただし、理解の度合いを確認しようとして「もうわかりました」と言われることもあり対応が難しいです。
どう伝えるか
伝える側がどう説明するかということも重要になる。つまり、内容の過不足なく伝えなければならない。そして、相手のレベルに合わせた説明の仕方でないといけない。など配慮をしなければならない点がある。
伝わらないのは、受けての問題とは限らない
「わかりました!」と言った部下が言われたことができなかった。そんな結果が出た時、上司が部下に、なんでこんな事もできないのか?! などどいった場面を聞いたことがあります。ただし、ここまでに述べてきましたが、伝える側にも問題があることがあります。しかし、それは力関係もあり多くは部下の責任とされてしまいます。
結局 むずかしい
いろいろ考えてみましたが、伝える側も相手のことを考えて、受ける側も内容を正確に把握するために質問をする必要があると思われます。しかし、これが簡単にできないので難しい。
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