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第一印象はなぜ3秒で決まるのか?

心理
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 人にあって、この人怖そう、この人優しそうと思うことがあります。このような、初めて会った人や物事に対して、瞬時に抱く最初の印象を第一印象といいます。そして、第一印象は、数秒から数分の間に形成され、その後の関係性に大きな影響を与えると言われています。そして、人は出会って数秒で相手を「信頼できる/苦手そう」などと直感します。しかし、これは失礼でも思い込みでもなく、脳の“生存装置”が働く自然な反応です。ここでは、その3秒で何が起きているのか、その3秒のためにどう対応したらよいかについて説明します。

超速の直感システム

 人が初対面で第一印象を得るための超速の直感システムがあります。そして、このシステムに関係する要素には以下のようなことがあります。

  • 薄切り判断(thin-slicing):心理学における「短時間の情報から全体像を把握する直感的判断」のことです。つまり、人の脳は、限られた情報から全体を推測する能力を持ちます。
  • 自動思考:何らかの出来事が起きた際に、意識することなく瞬時に頭に浮かぶ考えやイメージのことです。つまり、表情・姿勢・声などの“処理しやすい手掛かり”を一気に統合して、数百ミリ秒〜数秒で「安全・危険」「味方・敵」「好ましい・避けたい」を仮決定します。
  • 初頭効果(Primacy effect):人が物事を評価する際に、最初に得た情報や印象が強く記憶に残り、その後の評価に大きく影響を与える心理現象です。そして、最初の情報が、その後の解釈の“基準”になるため、最初の3秒がアンカー(基準点)になりやすくその後の評価に影響を与えます。
  • 確認バイアス:自分の先入観や既存の信念を支持する情報ばかりを集め、それと矛盾する情報を無視したり軽視したりする認知バイアスのことです。つまり、いったん下した直感を裏付ける材料ばかり集めがちになります。そのため、最初の印象が上書きされにくいことになります。
  • ハロー効果:良い第一印象は、その後の関係性を円滑に進めるのに役立ちます。
  • ビジネス:初対面の相手に良い印象を与えることは、信頼関係の構築や成約に繋がります。

3秒で“得られている”手掛かり

 第一印象を3秒間で得ているいくつかの手がかりがあります。具体的には、視覚から得られる情報、聴覚から得られる情報、非言語的な情報、事前に得ている情報などを利用しています。そして、具体的には以下のようなものがあります。

 視覚

  • 外見:服装、髪型
  • 表情(口角・目元)/アイコンタクト
  • 姿勢・立ち方・歩幅・動きの滑らかさ
  • 清潔感(髪・手元・靴・シワ)と場に合う服装
  • 距離感・所作(扉の開け方、椅子の引き方)

 聴覚

  • 言葉遣い(言葉の選び方)
  • 声の高さ・大きさ・話速・間
  • 最初のひと言の滑舌と安定感(あいさつ・名乗り)

 文脈(コンテクスト)

  • 時間厳守・持ち物・身だしなみの“整い”
  • 背景(オンラインなら照明・カメラ角度・フレーミング)
  • 行動・態度(しぐさ、立ち振る舞い、表情、笑顔など)
  • 事前情報(相手に関する噂や評判など)

第一印象を良くする方法

対面での方法

  • 身だしなみを整える:清潔感のある服装、髪型、爪の手入れなど、外見に気を配る。
  • 笑顔で挨拶をする:相手の目を見て、明るく笑顔で挨拶をする。そして、口角をわずかに上げ、目元を柔らかくする。
  • 姿勢を正す:背筋を伸ばし、自信を持って話す。そして、首を伸ばし、肩を下げ、胸を閉じすぎない。
  • 言葉遣いに気を配る:丁寧な言葉遣いを心がける。そして、相手に不快感を与えないようにする。
  • 声は“半音低め・少しゆっくり”:安定と落ち着きを伝える。
  • 聞き上手になる:相手の話をよく聞き、共感する姿勢を示す。
  • 相手のペースに“1割寄せる”:話速・間・音量のミラーリングをさりげなく。

オンラインでの方法

  • カメラ位置:目線と同じ高さ、顔の上部に余白を少し作るようにする。
  • 照明:顔の正面に明かりを当て明るい印象になるようにする(逆光NG)。
  • :マイクテストでノイズ・音割れを事前に確認する。
  • 画角情報:背景はシンプルにする。そして、画面名は「フルネーム/役割」で安心感を与えるようにする。

悪い第一印象を挽回する

挽回方法

 初対面で失敗したと思った場合の対策を示します。ただし、自分で気づくことは少ないと思いますが、やってしまった場合には使えると思います。そして、少しでも第一印象の悪さを挽回できたら良いと思われます。また、やってしまった内容によっても対応が異なりますが、例として以下に説明します。

  • 一貫する小さな好印象の反復:丁寧な相づち、要点の要約、約束の速い履行をする。
  • ギャップの“理由付け”:緊張・環境要因などを短く明るく説明する。
  • 具体的な価値の提示:資料の要点1枚・次アクションの明確化することで信頼されるようにする。

よくある落とし穴

 悪い第一印象を挽回しようとしてやりすぎても逆効果になります。また、第一印象は与えた側でも受け取る側でもあります。そこで、どちらの側でも挽回している時に気をつける落とし穴を以下に示します。

  • やりすぎミラーリング:過剰なミラーリングは不自然に映ります。そのため、1割寄せで十分です。なお、ミラーリングとは、相手の仕草、表情、話し方などを、あたかも鏡に映したようにさりげなく真似ることです。そして、相手に親近感や好意を抱かせ、信頼関係を築く心理的なテクニックです。
  • “7-38-55の法則”の誤用:言葉が無意味という話ではありません。内容×非言語の整合が鍵になります。なお、7-38-55の法則とは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」の別称のことです。この法則は、コミュニケーションにおいて、言語情報(言葉)が7%、聴覚情報(声のトーンなど)が38%、視覚情報(表情や仕草など)が55%の影響を与えるというものです。そして、特に感情や態度に矛盾が生じた際に、受け手は非言語情報(聴覚・視覚)を重視する傾向があることを示しています。
  • ステレオタイプ:見た目だけで決めつけないようにする。つまり、その後の対応で、質問→確認→共感という流れで認知している内容を更新するようにする。ない、ステレオタイプとは、簡単に言うと人間が持っていうる固定観念や偏見のことです。以前のブログ「ステレオタイプって?」でも説明していますので参照してください。

まとめ

 人が第一印象を形成する際の超速の直感システムを中心に説明しました。まず、超速の直感システムが、薄切り判断、自動思考、初頭効果、確認バイアス等によるものであることを説明しました。また、その良い印象は、ハロー効果や、ビジネスで信頼関係の構築や成約に役立つことなどを説明しました。加えて、第一印象を良くする方法や悪い第一印象を挽回する方法についても説明しました。
 これらの内容を整理することで第一印象がかなり重要なものであると再認識しました。

 

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