貧乏ゆすりって？

　貧乏ゆすりと聞くと行儀などの悪いようなイメージでした。しかし、最近貧乏ゆすりに何んらかの効果があるという話を聞きました。なんらかを忘れてしまいました。そこで、今回貧乏ゆすりがどういうものか、そして、そのメリット、デメリットについて調べましたので説明します。

貧乏ゆすりについて

　座っているときに無意識に足や膝を小刻みに揺らす癖を貧乏ゆすりといいます。貧乏ゆすりという名前から、悪いイメージを持たれがちですが、医学的には健康に良い影響を与える可能性も指摘されています。ただし、公共の場などで他人に不快感を与えてしまう可能性があります。そのような状況では、意識してやめる、もしくは周囲に配慮するなどが必要と思われます。

主な原因

心理的な原因

　貧乏ゆすりは、心の中の「ストレス」や「緊張」を発散しようとしています。そして、そのための無意識の行動であることが多いです。

ストレスやフラストレーションの解消

　現代社会では、人間関係や仕事、学業など、さまざまなストレスを感じる場面があります。しかし、怒りや不安をそのまま表現することは難しい場合が多くなっています。そのため、無意識に貧乏ゆすりという形でストレスを発散しようとすることがあります。

緊張や不安の緩和

　大事な会議や発表の場、初対面時の会話など、緊張する場面では、心臓がドキドキしたりします。そして、貧乏ゆすりは、その緊張を和らげる身体の防衛反応の一つと考えられています。また、リズミカルな動きが、心を落ち着かせる効果があると言われています。

集中力の維持

　退屈な会議や授業など、集中力が途切れそうなときに、貧乏ゆすりをすることがあります。貧乏ゆすりが脳への刺激となり、眠気を覚まし、集中力を保とうとしています。

身体的な原因

　心理的な原因だけでなく、身体の状態が原因で貧乏ゆすりが出ることもあります。

血行不良の改善

　長時間座りっぱなしだと、足の血行が悪くなります。そして、貧乏ゆすりのふくらはぎの筋肉を動かす動作がポンプのように血流を促す効果があります。これは、身体が「血行を良くしよう」と無意識に行う自然な反応と考えられます。また、長時間座りっぱなし状態では足の血行が悪くなります。貧乏ゆすりの動きは、足の筋肉を動かすことで、ポンプのように血流を促す効果があります。そのため、エコノミークラス症候群の予防にもなると言われています。

むずむず脚症候群（レストレスレッグス症候群）

　これは病気の一種です。これは、就寝時や座っているときに、足に不快な感覚が現れます。不快な感覚は、「むずむずする」、「虫が這うような感覚」などです。しかし、この感覚は、足を動かすと一時的に和らぎます。不快感を和らげるため貧乏ゆすりや足踏みのような動作を無意識にしてしまうことがあります。気になる場合は、医療機関を受診してみたほうが良いと思いまする。

内容の整理

　貧乏ゆすりは、一見するとただの癖のように思えます。しかし、その背景には、ストレスや緊張を和らげようとする心理的な要因や、血行を改善しようとする身体的な要因など、さまざまな理由が隠されています。もし、周囲の人が貧乏ゆすりをしている場合は、「落ち着きがない」と一方的に決めつけるのではなく、何か原因があるのかもしれない、と理解することが必要と思われます。

貧乏ゆすりのメリットとデメリット

メリット

　貧乏ゆすりには、一見するとネガティブな印象があります。しかし、これまでに説明してきたように心身にさまざまな良い効果があります。ここでは、貧乏ゆすりの効果を「身体的」「心理的」な側面から解説します。

身体的な効果

　貧乏ゆすりの最も大きな効果は、下半身の血流を改善することです。長時間座っていると、重力によって血液が足に滞りやすくなります。しかし、貧乏ゆすりの小刻みな動きが、ふくらはぎの筋肉をポンプのように動かし、血流を促します。

血行改善による効果

むくみ・冷え性の改善： 血行が良くなることで、足のむくみが解消されたり、冷えが緩和されたりします。
エコノミークラス症候群の予防： 長時間同じ姿勢でいると、足の血管に血栓ができやすくなります。しかし、貧乏ゆすりはこれを予防する効果が期待できます。
免疫力の向上： 血流が良くなり、体温が上がると、免疫力も向上すると言われています。ある研究では、5分間の貧乏ゆすりで体温が平均2℃上昇したという報告もあります。

関節への効果

変形性股関節症の改善： 貧乏ゆすりは「ジグリング」という運動療法として、変形性股関節症の改善に効果があるとされています。股関節を動かすことで、関節軟骨に栄養を届ける働きが促進されます。

心理的な効果

　貧乏ゆすりは、無意識に行われる行動ですが、心の状態とも深く関わっています。

ストレス解消とリラックス

セロトニンの分泌： リズミカルな動きは、精神を安定させる「セロトニン」というホルモンの分泌を促す効果があると言われています。これにより、ストレスが軽減され、心のバランスを保つことができます。
緊張の緩和： 緊張や不安を感じているとき、貧乏ゆすりをすることで、無意識に体を動かしてそのエネルギーを発散しようとします。これは、心が緊張状態を和らげようとする自然な反応です。

集中力の維持

脳への刺激： 貧乏ゆすりで血流が良くなると、脳へ送られる酸素や栄養が増加し、脳の働きが活性化します。これにより、眠気を覚ましたり、集中力を保ったりする効果が期待できます。
思考の整理： 何かに集中しているとき、無意識に貧乏ゆすりが出るのは、脳が活発に働いている証拠とも考えられています。