来年こそはダイエットしよう、いつか本を書きたい、老後は海外でのんびり暮らしたいなどを聞きます。そして、このような“未来の理想”は、なぜか簡単に描けます。しかし、いざ今日の行動となると、途端に腰が重くなります。つまり、遠い未来のことになるとなぜか楽観的になります。なぜ、こんな不思議な現象が起きるのでしょうか。そこで、ここでは、「遠い未来ほど楽観的になってしまう理由」を心理学、行動経済学の視点で調べました。
このブログでは、遠い未来ほど楽観的になってしまう理由について、なぜ“遠い未来”ほど楽観的になってしまうのか?、 “未来の自分”に期待しすぎると起きる問題、少しだけ現実的になるためのヒントについて調べましたので以下に説明します。
なぜ“遠い未来”ほど楽観的になってしまうのか?
未来の自分はなぜか“優秀”
- 「来年こそは勉強しよう」
- 「3年後には貯金を増やしたい」
- 「いつかは健康的な生活をしたい」
こうした“未来の理想”は、誰でも一度は思い描いたことがあると思われます。しかし、今日の行動となると、なぜか動けません。しかし、遠い未来のことになると、私たちは驚くほど楽観的になります。まるで未来の自分は、今よりも優秀で、努力家で、余裕がある別人のように感じてしまうのです。この不思議な現象には、いくつかの心理的な理由があります。
心理的距離があると“現実味”が薄れる
心理学には「心理的距離(Construal Level Theory)」という考え方があります。なお、心理的距離は、他人の侵入と干渉から自分の世界を守ることで、アイデンティティーを守ります。そして、内にある攻撃性や破壊的な性的欲求が外にほとばしり、相手を傷つけるのを防ぐのに必要な距離です。
- 時間的に遠い
- 空間的に遠い
- 関係性が遠い
- 抽象的である
こうした“距離”があるものほど、私たちは理想化してしまう傾向があります。つまり、遠い未来は、具体的な努力やリスクが見えにくいものです。そのため、脳は“キレイなイメージ”を描きやすくなります。以下のような例があります。この差は、能力の問題ではなく「距離による錯覚」です。
- 来年のダイエット → なんだかできそう
- 今日のダイエット → ちょっと無理
未来の自分を“別人扱い”する脳のクセ
行動経済学では、これを「現在バイアス」や「時間的非一貫性」と呼びます。そして、人は、未来の自分を“今の自分とは違う人”のように扱ってしまいます。なお、現在バイアスは、将来得る大きな利益よりも、目先の小さな利益を優先してしまう人間の心理傾向です。そして、ダイエットでの誘惑に負けたり、長期的な貯蓄より今すぐの消費を選んだり、重要な仕事を先延ばしにしてしまう行動があります。
- 未来の自分はもっとやる気がある
- 未来の自分はもっと健康
- 未来の自分はもっと時間がある
- 未来の自分はもっと賢い
しかし、実際の未来の自分も“今の自分と同じ人間”です。そして、能力も性格も、急に変わるわけではありません。しかし、それでも楽観的になってしまうのは、脳が未来の自分に過剰な期待をしてしまうからです。
不確実性が高いほど“希望的観測”が強くなる
遠い未来は不確実性が高いものです。そして、不確実なものに対して、私たちは“良い方に解釈する”傾向があります。これを「楽観バイアス」と呼びます。なお、楽観バイアスは、自分は他人よりも良い結果になり、悪い結果には見舞われにくいと過度に思い込む心理傾向です。そして、リスクを過小評価し、危険な行動や準備不足につながることがあります。
- 老後はのんびり暮らしたい
- いつかは起業したい
- いつかは本を書きたい
つまり、根拠がなくても、未来は明るく見える。これは脳が不安を和らげるための自然な働きでもあります。
“未来の自分”に期待しすぎると起きる問題
未来を美化すること自体は悪くありません。ただし、期待しすぎると次のような問題が起きます。
- 計画倒れが増える
- 先延ばしが習慣化する
- 自己嫌悪につながる
- 「自分はダメだ」と思い込みやすくなる
つまり、未来の自分を過大評価すると、現実の自分とのギャップに苦しむことがあります。
少しだけ現実的になるためのヒント
未来の楽観を完全に消す必要はありません。むしろ、希望は大切なことです。そして、次のような工夫をすると、未来の計画が“今日の行動”につながりやすくなります。
- 未来の計画を“今日の1歩”に落とす:
「来年こそ英語を勉強する」 → 今日の10分だけやってみる - 未来の自分=今の自分と理解する:
未来の自分は別人ではありません。今の自分ができる範囲で積み重ねるしかない。 - 小さなステップに分解する:
未来の理想は大きくても、行動は小さくていい。むしろ小さい方が続きます。
まとめ
ここまでこのブログでは、なぜ“遠い未来”ほど楽観的になってしまうのか?、 “未来の自分”に期待しすぎると起きる問題、少しだけ現実的になるためのヒントについて説明しました。まず、なぜ“遠い未来”ほど楽観的になってしまうのか?について、未来の自分はなぜか“優秀”、心理的距離があると“現実味”が薄れる、未来の自分を“別人扱い”する脳のクセ、不確実性が高いほど“希望的観測”が強くなるを説明しました。最後に、“未来の自分”に期待しすぎると起きる問題、少しだけ現実的になるためのヒントを説明しました。
また、遠い未来ほど楽観的になるのは、脳の自然な働きでした。そして、心理的距離、現在バイアス、楽観バイアス等が重なることで、未来は明るく見えるようにできていました。そして、大切なのは、未来の希望を持ちながら、今日の小さな行動につなげることでした。未来の自分を信じることも、今の自分を大切にすることも、どちらも同じくらい重要です。しかし、行動は今日など現在実行することが良いような気がしました。


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