締め切りがギリギリで有名なのは夏休みの宿題があります。そして、少なからず夏休み終わりギリギリに宿題をやっているのをよく耳にします。また、大学などのレポート提出日ギリギリに作成しているというのも聞きます。そして、会社などでも多くの締め切りがありますが、ギリギリになってやっている人は少なからずいます。
このような人は、「明日こそやろう」を繰り返して、結局締め切り前夜に泣きながら作業する。そのようなパターンが多いような気がします。そして、このような経験、大多数の人に一度ぐらいはあるようなきがします。なぜ私たちは、もっと早くから計画的に動けないのでしょうかという疑問が浮かびます。しかし、これは怠慢ではなく、脳の「驚くべき仕組み」が原因のようです。
このブログでは、締め切りぎりぎりにならなければ動けない理由、仕組み、対策について調べたので以下に説明します。
心理学的・脳科学的な理由
なぜ、あんなに時間があったのに「前夜」まで放置してしまうのか。そして、その正体は、報酬欠乏症、ドーパミン、計画錯誤、パーキンソンの法則などです。以下に説明します
報酬欠乏症とドーパミン
脳は「遠い未来の大きな成果」よりも「目先の小さな快楽(SNS、掃除など)」を優先します。しかし、締め切りが直前に迫ると、脳内でストレスホルモンが分泌されます。そして、強制的にドーパミンが出ることで「超集中状態(火事場の馬鹿力)」が引き出されます。
プランニング・ファラシー(計画錯誤)
また、人間は「自分ならこれくらいでできる」と、作業時間を短く見積もる癖があります。そして、これは楽観主義という人間の生存戦略の一つです。しかし、タスク管理においては最大の敵になります。
パーキンソンの法則
「仕事の量は、完成のために与えられた時間を使い切るまで膨張する」という法則です。つまり、1時間で終わるはずの仕事も、締め切りが3日後なら、3日間かけてしまいます。または、3日目まで引き延ばしてしまいます。このような性質のことです。
締め切りまで動けない仕組みについて
脳内報酬系の「時間割引率」
人間には、遠い将来の大きな利益よりも、目先の小さな利益を過大評価をしてしまいます。そして、この「時間的割引」という性質があります。
- 解説: 1ヶ月後の「余裕」という報酬は、脳にとって非常に価値が低く感じられます。一方、今目の前にある「YouTubeを見る楽しさ」は価値が高く感じられます。つまり、締め切りが遠いうちは、脳にとって「やるメリット」が少なすぎるのです。
「恐怖」が「快楽」に変わる瞬間
締め切りが迫ると、脳の扁桃体が「このままだとマズい!」とアラートを出します。そして、ストレスホルモン(アドレナリンやコルチゾール)を放出します。
- 解説: この危機的状況が脳を覚醒させ、集中力を極限まで高めます。この時、作業が捗る快感(ドーパミン)を一度味わってしまいます。すると、脳は「ギリギリになればなんとかなる」という成功体験として学習してしまいます。そして、次回もまた後回しを選択するようになります。
セルフ・ハンディキャッピング
あえて直前まで着手しないことで、自分への言い訳を作っている心理です。
- 解説: 早くから準備して結果が悪かった場合、「能力不足」という現実を突きつけられます。しかし、時間がなかったの言い訳で、本気を出せばもっとできたと自尊心を守ることができます。つまり、失敗の恐怖が、着手を遅らせているというものです。
具体的な対策
「完了」ではなく「開始」を目標にする
脳は「やり遂げる」という大きな山を見るとフリーズします。そして、そのため「はじめる」という小さな山に置き換えます。
- アクション: 目標を資料を完成させるから、「ファイル名をつけるだけ」にまで細分化します。そして、一度動き出せば、脳の側坐核が刺激され作業興奮というやる気スイッチが入ります。
5分だけルール
「やる気」は動かないと作業興奮というやる気スイッチが入りません。そのため「5分だけ、PCを開くだけ」とハードルを極限まで下げて着手します。すると、脳が勝手に集中モードに入ってくれます。
デッドラインを「外部化」する
自分だけの約束は簡単に破れますが、他人との約束は守りやすいものです。
- アクション: 最終締め切りの前に、「中間報告の予定」を自分から入れるようにします。例えば、同僚や上司に「火曜日までに途中経過を一度見てもらえませんか?」などです。そして、「強制的に小さな締め切り」を他人の力で作る手法です。
「締め切りの締め切り」を作る(分割)
大きなプロジェクトを1つの締め切りとしません。つまり、小さなステップ(1日単位の締め切り)に分解します。そして、「今日中に目次だけ作る」といったスモールステップが、脳の重い腰を上げさせます。
完璧主義を「捨てる」という戦略
先延ばしの原因の多くは、「完璧なものを作らなければ」というプレッシャーです。なお、以前のブログ「なぜ“完璧主義”ほど行動できないのか?」で完璧主義について説明しています。興味がある場合は参照してください。
- アクション: 「30点の出来でいいから、まず最後まで書き切る」と自分に許可を出します。また、修正は後からできると考えます。これにより、着手への心理的ハードルを劇的に下げることができます。
環境を「締め切りモード」に固定する
作業に集中するために、周りの環境にある誘惑を物理的に排除します。
- アクション: スマホを別室に置きます。あるいは、「ポモドーロ・タイマー」をセットして「25分間だけは世界が滅びてもこの作業をする」と決めます。また、タイマーのチクタク音は、脳に「小さな締め切り」が迫っていると錯覚させる効果があります。
ポモドーロ・テクニックの活用
「25分集中+5分休憩」のサイクルを回します。そして、常に「小さな締め切り」を自分に課し続ける状態を作ります。
まとめ
ここまでこのブログでは、締め切りぎりぎりにならなければ動けない理由、仕組み、対策について説明しました。まず、心理学的・脳科学的な理由として、報酬欠乏症とドーパミン、計画錯誤、パーキンソンの法則を説明しました。次に、締め切りまで動けない仕組みについて、脳内報酬系の「時間割引率」、「恐怖」が「快楽」に変わる瞬間、セルフ・ハンディキャッピングなどを説明しました。最後に、具体的な対策について、「完了」ではなく「開始」を目標にする、デッドラインを「外部化」する、完璧主義を「捨てる」という戦略、環境を「締め切りモード」に固定するを説明しました。
まず、締め切りに追われるのは、自分が怠け者だからではないようです。つまり、脳が、生き残るために『効率』を追い求めた結果できた脳の仕組みということになります。そして、自分を責めるエネルギーを、最初の『5分間』だけ動くエネルギーに変えてみます。この行動が、効果的に影響をする可能性があります。そして、「締め切り」は敵ではなく、うまく使うことで動かしてくれる「最強の味方」になる可能性があるようなきがします。そして、その味方と上手く付き合うコツを掴めば、明日からの作業が少しだけ軽くなると思われます。
ここでは、いろいろな対策を示しました。しかし、小さく分ける、短い時間でもいいから始めるなどその方向性は同じような気がします。そして、これは、脳の仕組みを逆手に取った合理的な方法のような気がします。


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