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左右をよく間違えるのはなぜ?

心理
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 「右に行って!」と言われたのに、なぜか左に曲がってしまった。また、写真を撮るときに「もう少し右!」と指示したのに、相手が逆方向に動いてしまった…。こんなことはありませんでしょうか? 私は、緊張している時や急いでいる時に間違ってしまったことがあります。このようなことは、日常生活の中で「左右の間違い」は意外と多く、誰にでも起こっているようです。しかし、なぜ私たちはこんなシンプルな区別を間違えてしまうのでしょうか? そこで、なぜ左右をよく間違えてしまうかについて調べました。以下に説明させていただきます。

間違えてしまう理由

左右の区別は「後天的」に学ぶもの

 上下や前後は、赤ちゃんのころから体感として身についています。しかし「左」と「右」は、生まれながらの感覚にはありません。つまり、言葉や教育によって学習する必要があります。そのため、左右の識別は他の方向感覚よりも習得が難しく、間違えやすくなっているようです。

脳の処理が複雑だから

 左右を判断するために使っているのは、単純に視覚情報だけではありません。以下のような脳の処理が必要になります。

  • 空間認識:「今自分がどちらを向いているか」を理解する
  • 身体認識:「自分の右手はどちらか」を把握する
  • 言語処理:「右」という言葉とその位置を結びつける

 例えば、「右向きに右手を挙げて進んでください」という言葉を聞いたとします。まず、聞いた言葉で右を認識します。そして、聞いた情報から、自分の右手がどちらかを把握して、右手を挙げます。続いて、自分がどちらを向いているかを理解し、右向きに歩きます。このように、左右を判断する際、これらの複数の処理を一瞬で行う必要があります。そして、注意が分散したり焦っていると間違いが起きやすくなります。

ストレスや緊張で間違いやすくなる

 試験や運転など、集中を要する場面で「左右を間違える」ケースは多いようです。恐らく、運転免許取得の教習時や初心者時に多いと思われます。そして、これはストレスで前頭葉の働きが一時的に低下し、冷静な空間認識が難しくなるためと考えられます。

個人差

 研究によると、男女差や利き手によっても左右の識別のしやすさに差があると言われています。
また、もともと空間認知が得意な人は間違いが少なく、不得意な人は間違いやすい傾向があります。

間違えないためのコツ

  • 身体を基準にする:「右利き=お箸を持つ方」と決めて覚える
  • ジェスチャーを使う:実際に手を挙げると判断が早い
  • 一拍置く:急いで判断しないで「確認してから動く」習慣をつける

まとめ

 左右を間違えてしまう要因の調査結果を示しました。そして、左右の区別は「後天的」に学習するものであること、脳の処理が複雑であるため、そして、ストレスや緊張で間違いやすくなるなどの要因がありました。つまり、「学習によるもの」であるため学習の習熟度によっては起こり得ると言えます。また、「脳の複雑な処理が必要」という要因もありますので、処理の過程で間違いが起こると取り違えてしまう可能性が生じます。そして、「ストレスや注意不足」が関係していることから、緊張したりしている時や別のことに気を取られたりしていると取り違えてしまう可能性があります。

 以上のことから、決して「自分がドジだから」ではなく、誰にでも起こりうる自然な現象ということが言えます。そして、ちょっとした意識の持ち方や工夫で、左右のミスはぐっと減らすことができる可能性があると考えられます。

 

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