昭和・平成初期までは当たり前だったクラスの住所録が、子供の学校から配られなくなっている。また、カフェの店員さんの名札が苗字ではなくニックネームになっていたりします。そして、今、私たちの身の回りから「名前」や「個人特定」が消えつつあるような気がします。そして、これは情報化による時代の変化がプライバシーの考え方に影響しているように思えます。つまり、データ社会において「情報の価値」と「守り方」が劇的に変化したことが影響しているようです。
このブログでは、なぜ「名前」を隠すようになってきたのか、ニックネーム制が守るもの、防犯対策などについて調べましたので以下に説明します。
なぜ「名前」を隠すようになったのか?(物理的プライバシー)
学校の防犯対策
- 名札の裏返し: 登下校中に名前を見られないよう、校門を出る時に名札をひっくり返します。あるいは、名札自体を校内に置いていく等の運用が増えているようです。
- 連絡網の廃止: かつては紙で配布されていた住所・電話番号入りの連絡網は姿を消しました。そして、一斉メール配信システムや専用アプリに置き換わっています。
宅配便の「置き配」と「伝票」
- 対面を避ける「置き配」が普及してきました。
- そして、最近では、荷物の伝票に変化が出てきています。つまり、伝票に氏名をフルネームで印字しないサービスがあります。具体的には、一部を伏字(アスタリスク)にするサービスです。
背景
- 「特定されるリスク」の増大:
- かつては名簿はm地域社会の「信頼の証」でした。しかし、今は名簿業者や詐欺に悪用される「攻撃リスト」になり得るものです。
- 防犯意識のアップデート:
- 名札を裏返す、表札を出さないという行為があります。しかし、これらは「冷淡になった」のではありません。デジタルで瞬時に個人が特定・拡散される時代への対応です。つまり、現代人の「賢い生存戦略」であることになります。
ニックネーム制が守るもの(心理的プライバシー)
会社・ビジネスシーンでの「フラット化」
- 「さん」付け運動・ニックネーム制: 役職名(社長、部長など)で呼ぶのをやめる会社が多くなってきています。そして、ニックネームで呼び、心理的障壁を下げ、自由な意見交換を促す動きでもあります。
- 出退勤記録のオープン化廃止: 昔はホワイトボードに行き先や帰宅時間が全員分書かれていました。しかし、今は個人のカレンダーアプリで「必要な人にだけ見せる」形が主流になってきています。
影響
- 見えないプライバシーとの対比:
- 物理的な「名前」は必死に隠す方向に動いています。しかし、一方でスマホの行動履歴や趣味嗜好等のより高価値なデータを企業に提供しています。
- 逆説的な状況: 隣人などの身近な人には名前を知られたくない。しかし、検索エンジン等のインターネットの中には自分のすべてを預けている。そして、このような、現代特有の不思議なプライバシー感覚になっています。
防犯対策他
街中や公共の場での「視線」の変化
- 「SNS映え」と顔出しNG: カフェや観光地で写真を撮る際に変化があります。それは、他人の顔が写り込まないように配慮するのがマナーになったことです。つまり、デジタル・エチケットというものが生まれました。
- 防犯カメラの一般化: 街中にカメラがあることは許容されつつある状況になっています。しかし、そのデータが、どう使用され、どう破棄されるかへの関心は高まっています。
- レジでの「ポイントカード」確認: 以前は「住所・氏名」を書いて登録するのが当たり前でした。しかし、今はアプリのQRコードのみが主流です。つまり、店員も客の名前を把握しない「ドライで安全な関係」が好まれているようです。
住宅・住環境の変化
- 表札を出さない家: 以前はフルネームの表札を出すのが一般的でした。しかし、最近の戸建てやマンションでは、防犯とプライバシー対策がなされています。そして、名字のみ、あるいは表札を出さない世帯が増えています。
これからのプライバシーは「取捨選択」
- 変化:
- プライバシーは「一律に隠すもの」でした。しかし、状況に応じて「出す・出さない」を判断するリテラシーへと進化しました。
- 名簿がなくなったり名札が変わったりしています。そして、これは、「情報の重み」に気づき始めた証拠になります。
- 大切なのは、形式的な保護に一喜一憂することではないのです。つまり、自分のデータがどこでどう価値を生んでいるかを知り、自律的な管理が必要になってきました。
まとめ
内容の整理
ここまでこのブログでは、なぜ「名前」を隠すようになってきたのか、ニックネーム制が守るもの、防犯対策などについてのプライバシーの変化について説明しました。まず、なぜ「名前」を隠すようになったのかについて、学校の防犯対策、宅配便の「置き配」と「伝票」の影響について説明しました。次に、ニックネーム制が守るものについて、会社・ビジネスシーンでの「フラット化」などから心理的プライバシーについて説明しました。最後に、防犯対策他として、街中や公共の場での「視線」の変化、住宅・住環境の変化を説明しました。
まとめ
インターネットによる情報化により、名前などの情報の拡散範囲が変わりました。つまり、紙媒体の時代(アナログの時代)は、その紙を持っている人やその情報を聞いた人と言ったやや狭い範囲でした。しかし、現在はそこにアクセスできる人が場所を限らず得ることができるようになっています。そして、その情報を悪用しようとしている人も存在しています。このような環境の変化がプライバシーの感覚の変化に影響を及ぼしているような感じがします。そして、プライバシーに対する感覚の変化の影響が表立って現れています。つまり、名前の流出を避けるために名簿などを作成しない。また、公共の場で名前を知られることによる影響を避けるためのニックネームの採用などになります。
ただし、スマホなどからの情報入力については、いろいろなサイトへの攻撃などでの情報漏洩という視点から最低限にするということを強く考えないといけない状況にあるような気がします。つまり、「無料で***を差し上げます」などの情報入力等に注意してリスク低減に配慮する必要があるような気がします。要は、自分から入力する情報なので自分で管理する必要があるという個人の判断が大きくなります。しかし、必要最低限で登録したところが攻撃されるというのも心の底には想定しておくことが必要かもしれません。


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