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“自分は平均よりマシ”と思ってしまう理由:平均以上効果

心理
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 自分の運転技術は平均より上だ自分は他の人より道徳的だなどと思うことがあります。つまり、多くの人が、様々な能力で自分を平均以上だと評価するようです。しかし、統計的に見て、全員が平均以上であることは不可能なような気がします。そして、なぜこれほど多くの人が自分を過大評価するのか?という疑問が浮かびます。また、自分自身についても何故かいろいろなことで平均以上という意識を持っているようです。そして、この平均以上という現象の正体は、脳が心の安定を守るために作り出す「平均以上効果」という強力な心理バイアスにあるようです。

 このブログでは、この自分が平均以上と思ってしまう平均以上効果について、なぜ脳が平均以上と思ってしまうのか、この平均以上効果とどう付き合っていくかなどについて調べましたので以下に説明します。

効果の正体 — 自己奉仕バイアス(Self-serving bias)の一種

 平均以上効果は、自分が他の人と比べ平均以上の能力と過大評価してしまう心理的な傾向です。この効果は、自己肯定感を高める心理的な防衛機制の自己奉仕バイアスの一種とされています。そして、能力や知能だけでなく、運転スキルやリーダーシップなど様々な領域で見られます。また、この心理現象を「レイク・ウォビゴン効果」と呼ぶこともあります。

  • 自己奉仕バイアスとは:
    • 成功自分自身の能力や努力のせいだと考えます。なお、これは内的要因に帰属します。
    • 失敗運や状況のせいだと考える傾向があります。そして、これは外的要因に帰属します。
  • 平均以上効果との関連: このバイアスが、私は優秀で特別な存在であるというポジティブな自己イメージを維持するために働きます。そして、結果として自分を平均以上だと錯覚させます。
  • レイク・ウォビゴン効果の由来: この効果は、作家ギャリソン・キーラーのラジオ番組に由来しています。まず、物語の中に登場する架空の町「レイク・ウォビゴン」があります。住人には「全員が平均以上の美男美女で、子供はみんな平均以上に優れている」設定でした。この物語に由来しており、「全員が平均以上はあり得ない」という矛盾を象徴しています。
  • 注:自己奉仕バイアスについては、以前のブログ「成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい? 自己奉仕バイアス」で取り上げています。興味のある場合は参照してください。

なぜ脳は自分を平均以上だと錯覚させるのか?

 この効果が働く心理的な理由には、「自尊心の維持」という重要な目的があります。

自尊心(Self-esteem)の維持

  • 目的: 人間が「自分は価値のある人間だ」と感じます。そして、この心理は、心の健康と幸福感に不可欠なものです。
  • 機能: 自分を平均以上だと評価します。そして、これによりす自尊心が守られ、精神的な安定が得られます。もし、常に自分が平均以下だと感じていれば、不安や抑うつに陥りやすくなります。
  • 防衛本能: 平均以上効果は、現実の厳しさから守る「心の防具」として機能しています。

曖昧な特性の過大評価

  • メカニズム: 「運転技術」「数学の能力」など、過大評価の度合いは比較的穏やかです。それは、客観的な指標で測定しやすい能力では、能力が測定され理解できると考えられます。
  • しかし、ユーモアのセンス、正直さ、思いやりなどでは自分を過大評価しやすいです。つまり、定義が曖昧で主観的な特性では、自分にとって都合の良い解釈で平均を捉え直します。
  • 例: 「思いやり」=「友達を大切にすること」だと自分の中で定義します。そして、その定義においては自分は平均以上だと考えます。

平均以上効果とどう付き合うか

 このバイアスは私たちを幸福にする反面、危険も伴います。

  • ポジティブな側面:
    • 行動への意欲: 「自分ならできる」という根拠のない自信をもちます。そして、これが新しい挑戦への一歩を踏み出す勇気になります。
    • レジリエンス(回復力): 失敗しても「今回は運が悪かっただけだ」と捉えます。そして、この考えにより、早期の立ち直りにつながります。
  • ネガティブな側面:
    • 過信によるリスク: 自分の能力を過大評価したとします。その結果、準備不足や無謀な行動(例:危険な運転、投資の失敗)につながります。
    • フィードバックの拒否: 他者からのアドバイスをこの人はわかっていないと拒否します。そして、これによりアドバイスによる成長の機会を失います。

まとめ

 ここまで、この自分が平均以上と思ってしまう平均以上効果について、なぜ脳が平均以上と思ってしまうのか、この平均以上効果とどう付き合っていくかなどについて説明しました。まず、効果の正体である自己奉仕バイアス、平均以上効果との関連などについて説明しました。そして、なぜ脳は自分を平均以上だと錯覚させるのか?について、自尊心の維持と曖昧な特性の過大評価という要因を説明しました。最後に、平均以上効果とどう付き合うかとして、ポジティブな側面とネガティブな側面から説明しました。

 「平均以上効果」は、私たちが自分を大切にするための脳の知恵でした。私もいろいろな場面で平均以上という思考が働いていました。また、このような仕組みが無意識のうちに働いていたということは知りませんでした。これは、自分を守ることだったんだということを今回知りました。しかし、その甘い言葉に耳を傾けすぎると、現実が見えなくなる危険があるような気がします。そのため、この効果を理解した上で、「自分の自信は、少し割り引いて考える」という客観性を持つことが、自己成長と賢明な意思決定につながるような気がしました。

 また、平均以上効果との関係は微妙ですが、牛丼などの「」も関係している気がします。それは、「並」=平均値と捉えている可能性があるからです。そこで、並を注文して平均を確保して安心しているということがあるかもしれません。そして、今後、情報社会などの環境の変化で状況が明確になりすぎる部分が多くなり、脳が対応できなくなるのではという不安を感じます。

 

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