仕事ができて、ミスも少なく、いつも冷静で、誰から見ても「完璧」に見える人がいます。ただし、私の周りにはテレビドラマに出てくるレベルの完璧な人はいないような気がします。多少なりともそのような雰囲気の人はいます。しかし、そんな人ほどなぜか距離を置かれたり、親近感を持たれにくい感じがします。そして、尊敬はされるけれど仲良くはなれない、相談しづらいということになります。また、まれには一緒にいると緊張するという人もいます。
そして、こうした現象は多くの人が経験しています。心理学的に明確な理由があるようです。なお、ここ最近のブログで、自分と同じ失敗をする人、弱みを見せる人、失敗談など人間関係に関することを重点的に取り上げています。そのため、共通したキーワードが使われますので関連性に注目してください。
そこで、このブログでは、完璧さが人を遠ざける“親近感の逆効果”に注目しました。そして、類似性、心理的安全性、温かさ、自己防衛バイアス、弱さの共有、物語の共通点について調べましたので以下に説明します。
類似性の原理:完璧な人は「自分と似ていない」と感じる
人は、自分と似た人に親近感を持ちます。そして、これは「類似性の法則」と呼ばれる強力な心理法則です。しかし、完璧な人には以下のような特徴があり、「自分とは違うタイプの人」と感じさせます。
- ミスをしない
- 迷わない
- 常に正しい判断をする
- 感情の揺れが少ない
そして、類似性が低いと、脳は「この人は自分の仲間ではない」と判断し、距離が生まれます。
心理的安全性が低い:弱みを見せられない相手は怖い
完璧な人の前では、 自分の弱みやミスを見せにくくなります。例えば、以下のようなものがります。
- 失敗を見せたら評価されるかも
- 自分の方が劣っていると感じる
- 本音を言うと浮いてしまうかも
そして、こうした不安が生まれ、心理的安全性が低下することになります。そして、心理的安全性が低い相手とは、人は距離を置くようになります。
ウォームス:人は「有能さ」より「温かさ」を重視する
社会心理学では、人が他者を評価するとき、 有能さよりも温かさ(ウォームス)を重視すると言われています。つまり、完璧な人は有能さが高いが、温かさが感じられにくいということになります。例えば、以下のような特徴があります。
- 近寄りがたい
- 冷たく見える
- 感情が読めない
- 人間らしさが少ない
そして、その結果として、尊敬はされるが、好かれにくいということになります。
自己防衛バイアス:完璧な人は「自分を脅かす存在」になる
完璧な人を見ると、人は無意識に自分と比較してしまいます。例えば、以下のようなものがあります。
- 自分の欠点が強調される
- 自分のミスが恥ずかしくなる
- 自分の能力が低く感じる
また、この「自己防衛バイアス」が働くと、脳は完璧な人を “自尊心を脅かす存在”と判断します。そして、その結果、距離を置くことで自尊心を守ろうとします。
完璧さは「弱さの共有」を阻害する
人間関係が深まるのは、強みではなく 弱みの共有のときです。しかし、完璧な人は弱みを見せないため、 相手も弱みを見せられないことになります。つまり、以下のようなことが起きます。
- 相談できない
- 失敗談を話せない
- 本音を出せない
そして、弱みの共有がないと、関係は「表面的な尊敬」で止まり、親近感が生まれないことになります。
完璧な人は「物語の共通点」が少ない
人は他者を物語で理解します。そのため、失敗・葛藤・迷いなどの“物語の山”が共通点になります。しかし、完璧な人は、 物語の山が少ないように見えます。そして、そのため以下のように見えます。
- 苦労していないように見える
- 迷わないように見える
- 失敗しないように見える
そして、このように物語の共通点が少ないと、「この人とは話が合わない」と感じ、距離が生まれてしまいます。
まとめ
内容の整理
ここまで、類似性、心理的安全性、温かさ、自己防衛バイアス、弱さの共有、物語の共通点について説明しました。まず、類似性について、完璧な人は「自分と似ていない」と感じるを説明しました。つぎに、心理的安全性について、弱みを見せられない相手は怖いを説明しました。続いて、温かさについて、人は「有能さ」より「温かさ」を重視するを説明しました。加えて、自己防衛バイアスについて、完璧な人は「自分を脅かす存在」になるをせつめいしました。更に、弱さの共有について、完璧さは「弱さの共有」を阻害するを説明しました。最後に、物語の共通点について、完璧な人は「物語の共通点」が少ないを説明しました。
まとめ
まず、完璧な人が距離を置かれるのは、 単なる「嫉妬」ではありませんでした。そして、そこには複数の心理メカニズムが重なっていました。その複数の心理メカニズムには、以下のようなものがありました。
- 類似性が低く、仲間に感じない
- 心理的安全性が低く、本音を出せない
- 有能さが高すぎて温かさが伝わらない
- 自己防衛バイアスで自尊心が脅かされる
- 弱みの共有ができず、関係が深まらない
- 物語の共通点が少なく、親近感が生まれない
つまり、完璧さは人間関係において“逆効果”になることがあります。つまり、人は完璧さよりも、弱さ、人間らしさ、温かさに惹かれるという特徴がありました。そして、これが「親近感の逆効果」の正体とも言えます。
ただし、私の感覚では完璧な人でなくても、上記の心理メカニズムがはたらいている人がいるような気がしました。完璧ではないのですが、近寄りがたく弱みの共有もできないような状況です。そのため完璧な人と考えるよりも上記のような心理メカニズムが重要な気がしました。ただし、完璧な人ほどこれらの条件に当てはまりやすいというような気がしました。

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