本気を出せばすぐ終わる、明日やれば間に合う、今回は大丈夫などという言葉をよく聞きます。そして、自分にも思い当たる節があります。しかし、そう思っていたのに、実際には想定より時間がかかり、焦ったり、自己嫌悪に陥ったりした経験は誰にでもあるようです。そして、この“楽観的な見積もり”には名前があります。それが 計画錯誤(Planning Fallacy) です。人間は、未来のタスクを一貫して甘く見積もる傾向があり、これは脳の自然なクセによって起きています。
このブログでは、楽観的な見積もりについて、計画錯誤とは何か、計画錯誤が引き起こす問題、少しだけ現実的になるためのヒントについて調べましたので以下に説明します。
計画錯誤とは何か
計画錯誤は、心理学者カーネマンとトヴェルスキーが提唱した概念で、
- 必要な時間を過小評価する
- 自分の能力を過大評価する
- 障害やトラブルを想定しない
という特徴があります。つまり、「やればできる」と思ってしまうのは、脳の仕組みがそうさせているだけなのです。つまり、過去に同様の計画が失敗した経験があっても、新しい計画では「今回はうまくいく」と都合の良いシナリオに集中してしまいます。そして、予期せぬトラブルや他のタスクを考慮できずに、結果として大幅に遅延したり予算オーバーになったりする現象を指します。
未来の自分を過大評価する
私たちは、未来の自分を“今より優秀な別人”のように扱います。例えば、以下のように扱います。
- 未来の自分は集中力がある
- 未来の自分はやる気がある
- 未来の自分は時間管理がうまい
- 未来の自分は疲れていない
しかし、実際の未来の自分も“今の自分と同じ人間”です。そして、急に能力が上がるわけではありません。しかし、それでも楽観的になるのは、脳が未来の自分に過剰な期待をしてしまうからです。
必要な時間・労力を過小評価する
計画錯誤の代表的な特徴は、作業量の見積もりが甘くなることです。
- 「1時間で終わる」→ 実際は3時間
- 「3日あれば十分」→ 実際は1週間
- 「すぐできる」 → 取りかかるまでに時間がかかる
これは、障害やトラブルを想定しないために起こります。
- 集中できない日がある
- 予期せぬ用事が入る
- 思ったより難しい
- 調べ物が増える
そして、計画錯誤ではこうした“現実的な要素”を無視してしまいます。
成功イメージが強すぎる
人間は、未来のことを考えるとき、成功した姿だけを想像しやすい傾向があります。そして、これを「楽観バイアス」と呼びます。なお、楽観バイアスは、自分は他人よりも良い結果になり、悪い結果には見舞われにくいと過度に思い込む心理傾向です。
- うまくいくはず
- 今回は大丈夫
- なんとかなる
つまり、根拠がなくても、成功イメージが強く働いてしまいます。そして、その結果、計画が甘くなりやすいのです。
計画錯誤が引き起こす問題
根拠がなくても、成功イメージを描いてしまう計画錯誤そのものは自然な現象です。しかし、放置すると次のような問題が起きます。
- 先延ばしが習慣化する
- 締め切り前に焦る
- ストレスが増える
- 自己嫌悪に陥る
- 仕事の信頼を失う
「やればできる」は悪い言葉ではありませんが、過信すると自分を苦しめることがあります。
少しだけ現実的になるためのヒント
計画錯誤を完全に消すことはできないようです。しかし、工夫をすることで“現実的な計画”に近づける方法を以下に示します。
- 過去の実績を基準にする:
「前回どれくらい時間がかかったか」を参考にします。つまり、感覚ではなく“データ”で見積もります。 - 見積もり時間を“2倍”にする:
心理学的にも効果がある方法です。これにより、余裕が生まれ、焦りが減ります。 - タスクを細分化する:
「ブログを書く」ではなく、「構成を作る」「導入を書く」「推敲する」などに分けます。そして、細分化することにより見積もりの精度を上げます。 - 未来の自分=今の自分と理解する:
未来の自分は別人ではないことを再認識します。つまり、今の自分ができる範囲で積み重ねるしかないと考えます。
まとめ
ここまでこのブログでは、楽観的な見積もりについて、計画錯誤とは何か、計画錯誤が引き起こす問題、少しだけ現実的になるためのヒントについて説明しました。まず、計画錯誤とは何かについて、未来の自分を過大評価する、必要な時間・労力を過小評価する、成功イメージが強すぎるを説明しました。次に、計画錯誤が引き起こす問題、少しだけ現実的になるためのヒントについて、過去の実績を基準にする、見積もり時間を“2倍”にする、タスクを細分化する、未来の自分=今の自分と理解するを説明しました。
まず、「やればできる」と思うのは、あなたの性格の問題ではなく、脳の自然なクセでした。そして、未来の自分を過大評価し、必要な時間を過小評価してしまうことが計画錯誤の正体でした。そして、大切なのは、未来の希望を持ちながら、現実的な見積もりをすることになります。つまり、今日の小さな一歩が、未来の自分を助けてくれるようになります。この結果は、以前のブログ「なぜ“遠い未来”ほど楽観的になってしまうのか?」に非常に似ているような気がしました。まず、未来に向けて今日具体的な一歩を進めることが対策になるような気がしました。


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