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スマホ認知症ってどういうこと?

科学
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 最近テレビでスマホ認知症ということがあります。スマホ認知症は医学的に正式名称ではないのですが、症状が認知症に似ているようです。調べてみました。

主な症状

 スマホ認知症の症状は、一般的な認知症に似ています。ただし、この認知症の症状の多くは一時的なもので、適切な対策を講じることで回復するとされています。しかし、放置すると若年性認知症につながるリスクも指摘されています。ただし、これらは現時点でわかっていることです。例えば、一時的なものとされて回復しても、同じようなことを繰り返すと将来どうなるかわかりません。また、認知症と似ているだけで、将来、更に大きなダメージにつながるかもしれません。そのため、軽く見ず、注意する必要があると思われます。

具体的な症状

  • 記憶力・集中力の低下: 記憶力の低下として、物忘れの増加、人の名前が出てこない、話していた内容をすぐに忘れるなどの症状があります。また、集中力の低下として仕事や勉強に集中できないなどの症状があります。
  • 注意力散漫: 気が散りやすく、一つのことに集中し続けるのが難しくなります。
  • 言語障害: 伝えたいことをうまく言語化できないといううまく喋れない。そして、気の利いた受け答えができないという言葉での応答ができない。さらに、受け取った言葉を理解するのに時間がかかる。そして、漢字が書けなくなるなど言語に関係するいろいろな症状があります。
  • 遂行実行機能の低下: 物事の段取りを考えるのが難しくなり段取りが悪くなります。そして、意思決定や判断力が鈍るといった症状が見られます。
  • コミュニケーション能力の低下: 対人コミュニケーションの機会が減ることで、会話のスキルや共感能力が低下することがあります。
  • 企画力・創造力の低下: 新しいアイデアが浮かびにくい、といった症状があります。
  • 生活意欲の低下: やる気や興味がわかないといった症状が見られます。
  • 体調不良・情緒不安定: 頭痛、めまい、不眠といった身体的不調。そして、イライラ、気分が落ち込むといった精神的な不調が現れることがあります。

症状について

 頭を使うこと全般に症状があるようです。そして、どの症状ができかも、複数出るかもわからないので怖い症状のような感じがします。ただし、これらの症状は普段の生活でストレスを感じたときにもでそうな症状です。そのため、自分での判断はスマートフォンの使用時間ぐらいで自己判断は難しいような気がします。

原因とされていること

 長時間にわたるスマートフォンの利用が原因とされています。これにより、脳が疲弊し、認知機能に支障をきたしていると見られています。つまり、長時間にわたるスマートフォンの使用による脳の「脳過労」が主な原因とされています。具体的に、どのように言われているかを以下に記載します。

  • 情報過多による脳疲労と機能の偏り: スマートフォンから膨大な情報が脳に入り続けることで、脳の前頭葉が疲弊します。特に、「浅く考える機能」ばかりが使われ、「深く考える機能」や「ぼんやりと考える機能」が使われなくなるため、脳の情報処理能力が低下し、集中力や思考力の低下につながります。
  • 睡眠の質の低下: 就寝前にスマートフォンを使用することでブルーライトを浴び、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されます。その結果、睡眠の質が悪化します。慢性的な睡眠不足は、記憶形成に必要な脳の働きを妨げ、認知機能の低下を招きます。
  • コミュニケーション方法の変化: メールやSNSでのコミュニケーションが主流になり、対面でのコミュニケーションが減少します。これにより、会話能力や非言語的なコミュニケーション能力(身振りや表情など)が衰える可能性があります。
  • 「Google効果」: 検索すればすぐに情報が得られるため、「覚えなくても良い情報」として脳が判断し、記憶に定着しにくくなる現象です。

PCと何が違うの?

 スマートフォンとPCで何が違うかという疑問が浮かびました。特に、3つ目、4つ目の原因は、PCと共通しているような気がします。PCも1日に10時間以上使用している人はザラにいるような気がします。ただし、PCがそれだけ使用されてても、スマホ認知症などと呼ばれてきませんでした。似たような使われ方をすることもありますが、一般的な状況で考えてみます。

情報過多による脳疲労と機能の偏り

 「浅く考える機能」が使われ、「深く考える機能」が使われなくなると指摘されています。この点からPCとスマートフォンの違いを考えてみます。PCは仕事などで使用されることが多。PCで使用されるアプリは、資料の作成のために文書作成、表計算、プレゼン資料作成、プログラム作成、専用ソフトの使用などが多い。これに対し、スマートフォンで使用されている時間が多いのは、Youtubeなどのビデオ鑑賞、TikTok、インスタグラムやゲームなどが多く、自動的に流れるアプリが多い。

 PCとスマートフォンとでは使われ方による違いがあります。大きな違いは、PCは人間が能動的に操作している。これに対し、スマートフォンは受動的に使用されることが多い。能動的と受動的使用の違いは、人間が考えて操作しているか自動的に流れているのを見ているの違いににある。つまり、脳が操作することを考えて情報を得ているか、脳が操作することを考えず脳に情報が入っているかの差になる。これは脳が無防備な状態に多くの情報が入ってきているというように見ることもできます。こう考えると影響が怖く感じられます。

睡眠の質の低下

 PCは仕事に使用する人が多い。これに対し、スマホは仕事にもプライベートにも用いられる。そのため、寝る前の使用は、スマートフォンの使用の方が多いと思われます。ただし、PCでもゲームに使用するなどの用途もありますが、会社や学校で使用するので寝る間際まで使用している人の割合は減少する。寝る前のブルーライトを見る量の差が影響していると考えられます。

見ている距離の違い

 目とスマートフォン、PCの距離を比べるとスマートフォンの方が近い。スマートフォンの方が、PCよりもブルーライトの影響を受けやすくなると考えられます。

PCとの差について

 簡単にまとめると、PCとスマートフォンの使用状況の差は、能動的な使用受動的な使用があります。そして、ディスプレイと目の視距離に違いがあります。両方ともPCよりスマートフォンの方がの上の影響が強いように感じます。

五感から得られる情報

 ここで人間が外環境から得ている情報、五感から得られる情報について考えてみます。人間が五感から得る情報量の割合は、視覚が約8割、聴覚が約1割、残りの嗅覚、触覚、味覚で約1割と言われています。このことから視覚情報がより脳に影響を与える可能性を感じ取ることができます。視覚情報と脳の関係に光過敏性てんかんというものがあります。これについて説明します。

てんかん(光過敏性)

 TVのアニメを見てこれは光過敏性てんかんになったという事件がありました。これは、テレビの画面の光や点滅によって、めまい、不快感、意識のもうろう、手足のけいれんなどの症状が現れるものです。この事件を受け、日本民間放送連盟(民放連)が、「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」を作ったということもがありました。

てんかんとスマホ認知症

 光過敏性てんかんはテレビ画面の光や点滅によって引き起こされていると言われています。これに対し、スマホ認知症は、長時間にわたるスマートフォンの利用が原因と言われています。また、五感から脳の情報の8割は視覚情報と言われていることからスマートフォンの視覚情報が影響しているという見方もできます。

 これらのことから、光過敏性てんかんは、強度の強い視覚情報が入ってきて脳が処理できなくなったと考えることができます。これに対し、スマホ認知症は、光過敏性てんかんの原因ほどではないが、日常生活より多い視覚情報が継続的に入ることにより脳が処理できなくなったと考えることもできそうです。また、ブルーライトが睡眠の質低下に影響をしていると言われています。しかし、睡眠の質低下だけでなく、確認されていないだけで他の影響があるかもしれません。

 スマートフォンを使用していても、静止画より動画の方が強度が強い視覚情報であると考えられます。動画でも場面展開が多い動画の方が強度の強い画像情報と考えることができます。

まとめ

 スマホ認知症ってどういうものか?何に気をつけないといけないのかという視点で症状や原因などについて調べてきました。スマホ認知症で将来どうなるかなどもわかっていません。そのため、長時間のスマホの使用を控える。特に、動画などの強い視覚情報には注意する必要があると感じました。

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