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“気づかないストレス”が心に積もる仕組み

心理
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 ある人を目の前しての緊張、プレゼン前の緊張などではストレスを受けている自覚があります。しかし、いつの間にかやる気が出なくなっている。または、何となく体調がすぐれないなどもあります。これらはストレスを受けているという自覚がないかもしれません。例えば、心から笑えていない、深い呼吸ができていない、検査をしても異常がないのに体がだるいなどもあるかもしれません。

 また、脳が24時間体制でストレスと戦い、エネルギーを使い果たしているかもしれません。そして、心が麻痺している時は、味の濃いものを欲したりするかもしれません。また、普段なら笑える動画で笑えなかったり、『味覚』や『感情の揺れ』に変化が現れるかもしれません。そして、ここでは気づかないストレスについて調べました。

 このブログでは、気つかないストレスの正体、そのメカニズム、対策について調べましたので以下に説明します。

「気づかないストレス」の正体

 なぜストレスに気づけないのか、その正体である適応の罠、感情の「麻痺」、「小さな石」の積み重ねを説明します。

適応の罠(馴化)

 人間には環境に慣れる力がありますが、これが裏目に出ることがあります。例えば、騒音やピリピリした職場の空気も毎日続くと脳がこれが普通と処理してしまいます。そして、意識下でダメージを受け続けていることに気づけなくなります。

感情の「麻痺」

 強いストレスにさらされ続けると、心を守るための防衛反応がでます。そして、感情を動かさないように(感じないように)蓋をしてしまいます。また、これを「解離」や「感情の鈍麻」と呼びます。しかし、本人は「平気だ」と勘違いしてしまいます。

「小さな石」の積み重ね

 1つひとつは取るに足らない不快感です。例えば、靴の中に小石が入っているような感覚です。しかし、それが100個たまると歩けなります。このような、「累積」が影響するという概念です。

気づかないストレスのメカニズム

脳の「順応」と「麻痺」:慣れがもたらす盲点

 人間には、どんな環境にも慣れようとする「ホメオスタシス(恒常性)」があります。そして、慣れすぎるとマヒするという側面があります。

  • 解説: 騒音の激しい場所でもしばらくすると気にならなくなります。同様に、過酷な労働環境やピリピリした人間関係も、毎日続くと脳はそれを「日常」として処理してしまいます。そして、不快な感覚に蓋をすることで、心を守るための「麻痺」が起きます。しかし、意識が「平気だ」と判断していても、脳の深部や自律神経は休むことなくダメージを受け続けています。
  • 交感神経の「アイドリング状態」: 気づかないストレスを受けている間、体は常に「戦うか逃げるか」の戦闘態勢にあります。つまり、アクセルを踏みっぱなしでブレーキが壊れた車のように、エネルギーを激しく消耗している状態です。

「バケツの理論」:最後の一滴が決壊を招く

 ストレスを「水」、心を「バケツ」に例えます。まず、気づかないストレスが水滴とした場合、水滴がずっとバケツに落ち続けるといつかバケツは満タンになり溢れます。

  • 解説: 誰の目にも明らかな大きなトラブル(大雨)なら、私たちはすぐに傘を差します。しかし、日々の小さな我慢や、ちょっとした気遣い、睡眠不足といった「ポタポタと落ちる水滴」には注意を払いません。そして、バケツが満タンに近いとき、「コーヒーをこぼした」「挨拶を返されなかった」といった些細な最後の一滴が加わるだけで、バケツの水は一気に溢れ出します。これが、ある日突然糸が切れたように動けなくなる「メンタルダウン」の正体です。
  • 「バケツの理論」: 心をバケツ、ストレスを水に例えます。蛇口からポタポタと落ちる水(微細なストレス)は、一見溢れるようには見えません。しかし、表面張力で耐えている最後の一滴が加わった瞬間、バケツは一気に溢れ出します。これが「突然のメンタルダウン」の正体です。

「生存優先モード」による感覚の遮断

 脳は、危機的な状況では、感情を感じる機能を後回します。例えば、忙しすぎる、責任が重すぎるなどの状況です。そして、目の前にあるタスクを処理する機能を優先させます。

  • 解説: これは火事場の馬鹿力のようなものです。しかし、このモードに入っている間は「疲れ」や「悲しみ」などのサインが脳に届きません。また、戦場を走り抜けている間は傷の痛みに気づかないのと同様な状態です。つまり、「走り続けている間は、疲労を感知できない」という脳のバグが起きているのです。
  • 脳の疲労と判断力の低下: ストレスがたまると、脳の「前頭葉(理性)」の働きが弱まります。そして、「扁桃体(不安・恐怖)」が過敏になります。これにより、普段なら流せる些細なことにイライラしたり、決断ができなくなったりします。

ストレスをため込まないための対策

「体の言葉」を通訳する:フィジカル・チェック

 心が嘘をついても、体は嘘をつけません。例えば、週に一度、以下の「ストレスの身体化サイン」が出ていないか確認します。そして、無意識のストレスを可視化し、バケツの水を抜く方法を説明します。

  • アクション:
    • 味覚の変化: 以前より「激辛」「極甘」など刺激の強い味を欲していないか?このように問いかけます。そして、これは、脳が手っ取り早い快楽を求めているサインの確認になります。
    • 呼吸の深さ: 気がつくと息を止めていたり、呼吸が浅くなっていたりしないか?このように問いかけます。
    • 筋肉のこわばり: 寝ている間に歯を食いしばっていないか? 肩が耳に近づくほど上がっていないか? このように問いかけます。
    • 「体のサイン」を翻訳する: 心が麻痺していても、体は正直です。そして、体からの微細なSOSをストレスの指標にするようにします。例えば、「理由もなく寝つきが悪い」「甘いものや刺激物を無性に欲しがる」「肩に力が入っている」などです。

「マインド・ダンプ(脳のゴミ出し)」の習慣化

 「何にイライラしているか分からない」という状態が一番のストレスということを認識します。

  • アクション: 毎晩5分だけでいいので、ノートに今の感情を殴り書きします。また、この行動をエクスプレッシブ・ライティングと呼びます。例えば、「部長の言い方が嫌だった」「天気が悪くてだるい」などです。そして、書く内容はどんなに幼稚な不満でも構いません。可視化することで、脳はその情報を「処理済み」としてバケツから排出し始めます。
  • エクスプレッシブ・ライティング(書く瞑想): 1日10分、頭に浮かんだモヤモヤを紙に書き出します。これだけで「気づいていなかった不満」が可視化され、脳のゴミ出しができます。

「積極的休養(アクティブレスト)」を取り入れる

 「ただ寝る」だけでは、蓄積したストレスが抜けきらないことがあります。そのため、積極的な休養を取ります。

  • アクション: 「疲れを癒やすための休み」ではなく、「心を動かすための休み」を作ります。例えば、スマホを置いて自然の中を歩く、好きな香りの入浴剤を使う、無心で料理をするなどです。そして、五感を刺激する活動は、麻痺した感情を優しく解きほぐします。その結果、バケツの底にある古い水を入れ替えてくれます。
  • 「積極的休養」の取り入れ: 疲れてから休むのではなく、「疲れる前に休む」スケジュールを組み込みます。つまり、「何もしない時間」を予定に入れることの重要性を伝えます。

「境界線」を意識的に引く

 気づかないストレスの多くは、他人の感情を自分のバケツに受け入れてしまうことで起こります。

  • アクション: 帰宅して玄関のドアを閉める際、次のように、心の中でつぶやきます。例えば、ここからは私の時間。外のことは外に置いてきたなどです。このように、物理的な動作と結びつけると心理的なオン・オフを切り替えやすくします。

まとめ

 ここまでこのブログでは、気がつかないストレスの正体、そのメカニズム、対策について説明しました。まず、気がつかないストレスの正体について、適応の罠感情の「麻痺」「小さな石」の積み重ねについて説明しました。次に、そのメカニズムについて、脳の「順応」と「麻痺」「バケツの理論」「生存優先モード」による感覚の遮断を説明しました。そして、対策として、「体の言葉」を通訳する「マインド・ダンプ」の習慣化「積極的休養」を取り入れる「境界線」を意識的に引くを説明しました。

 まず、自分の機嫌を自分で取るのは、わがままではなく『メンテナンス』と捉えます。また、スマホの充電を気にするように、自分の心の残量にも目を向けることも必要な気がします。疲れたと言えないのは、自分がそれだけ誰かのために頑張ってきたからかもしれません。しかし、バケツを空にするのは逃げではありません。また、元気に歩き出すための、大切な『補給』と考えた方がよさそうです。ストレスが蓄積して休職休学したり、会社を辞めるようになって自分が壊れてしまってからでは影響が大きくなりすぎると思われます。

 

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