「今日からダイエット!」と決めたはずなのに、目の前のケーキやラーメンの誘惑に負けてしまった。また、これはテレビのダイエット企画などでもよく聞きます。また、誘惑に負けるのは、意志が弱いせいではないようです。そして、「遺伝子」が正しく機能している証拠かもしれません。まず、人間の体は、食べ物がいつ手に入るかわからない「石器時代」に最適化されたままなのです。なぜ脳は高カロリーなものを「美味しい」と感じるように設計されているのか? その進化の歴史からその謎を調べました。また、現在のコンビニ、スーパーなどにあふれている「超加工食品」についても調べました。
このブログでは、甘いものや脂っこいものをやめられないことに対して、目の前の甘いものなどの誘惑、「狩猟採集時代」と「現代」の食べ物の対比、超加工食品について以下に説明しています。
目の前の甘いものなどの誘惑
「甘い・脂っこい」=「生き残るためのエネルギー」
- 進化の背景: 人類の歴史の99%以上は、深刻な飢えとの戦いでした。また、ハイカロリーな食料を見つけた時に、食べれた個体の生存確率が高かったことがあります。そして、そのハイカロリーな食料には糖質(甘いもの)や脂質(脂っこいもの)があります。
- 報酬系の作動: 高カロリーなものを食べた瞬間に脳内でドーパミンが放出されます。そして、その理由は、よくやった!これでもっと生き延びられるぞ!という生物学的な生存報酬です。
現代社会との「ミスマッチ」
- 進化のスピード違反: 農耕が始まりました。しかし、どこでも安く高カロリー食が手に入るのは、人類史で見ればごく最近のことです。そして、人間の体(代謝システムなど)は、この急激な環境変化に追いつけていません。
- 「脂肪を蓄える力」が仇となる: かつては命を救った「脂肪を蓄積する能力」があります。しかし、飽食の現代では肥満や生活習慣病の原因になってしまいます。
本能と上手に付き合うための対策
- 「本能」を否定しない: 「食べたいのは生き物として正常」と受け入れます。そして、自分を責めるストレスを減らします。
- 環境を「石器時代」に近づける: 買い置きをしないようにします。つまり、獲物が見える場所にない状態を作ります。
- 加工食品(脳をバグらせる超加工食品)を避けます。そして、自然に近い姿のもの(フルーツやナッツなど)を食べます。
- 視覚のトリガーを外す: 現代の「食べ物の広告」は脳を直接ハックします。そして、そのためSNSでグルメ垢を見ないなどの「視覚デトックス」をします。
「狩猟採集時代」と「現代」の食べ物の対比
3つの具体的データ
1. 「カロリーの入手効率」が100倍以上に
- 石器時代: 100kcalのエネルギーを得るために、数時間の歩行や獲物を追うエネルギー消費が必要でした。
- 現代: わずか数百円で、500kcal以上のポテトチップスやドーナツが手に入ります。
- ポイント: 「エネルギーのコスパ」が爆発的に良くなりすぎました。そして、これにより脳のブレーキが壊れている状態になります。
2. 「糖分」の摂取量の劇的な変化
- 石器時代: 糖分は貴重な「果物」や「ハチミツ」からしか得られませんでした。そして、それは、年間でもわずかな量でした。
- 現代: 1日1本の清涼飲料水だけで、先祖が1ヶ月かけて摂取した以上の糖分をわずか数分で摂取できてしまいます。
- 解説: 脳は「めったにないチャンス!」と勘違いしてしまっています。そして、「食べられるだけ食べろ」という信号を出し続けます。
3. 「超加工食品」の脳内ハック
- データ: 自然界には「糖質」と「脂質」が同時に大量に含まれる食材はほぼ存在しません。例えば、果物は糖、肉は脂などです。
- 現代: ドーナツ、ピザ、アイスクリームなどは、脳を最も興奮させるように調整されています。これらは「糖質:脂質 = 1:1〜1:2」という黄金比に人工的に調整されています。
- ポイント: これを食べると、脳内の報酬系が「自然界ではありえないレベル」で爆発します。そして、依存(やめられない状態)が起こります。
対比表
| 項目 | 狩猟採集時代(サバンナ) | 現代(飽食の時代) |
| 食事の入手難易度 | 数時間〜数日かけて歩き回り、命がけで獲得 | スマホを数回タップ、またはコンビニで数十秒 |
| 主な摂取カロリー源 | 繊維質の多い植物、種実、野生動物(赤身) | 精製された糖(砂糖)、植物油、超加工食品 |
| カロリー密度 | 低い(100gあたり数十〜百kcal) | 極めて高い(100gあたり数百〜千kcal) |
| 食事の間隔 | 不定期(いつ食べられるかわからない) | 定期的(1日3食+おやつ) |
| 運動量 | 1日平均10〜15kmの移動・狩り | ほぼ座りっぱなし(デスクワーク) |
超加工食品(Ultra-Processed Foods)
「超加工食品」の定義:自然界には存在しない食べ物
ブラジルのサンパウロ大学が考案した「NOVA分類」という基準が一般的です。なお、NOVA分類は、食品を加工の度合いで4つのグループに分けるブラジル発祥の新しい分類法です。まず、特に健康との関連で注目される「超加工食品(グループ4)」を定義しています。その摂取による健康リスク(肥満、糖尿病、がんなど)を指摘しています。なお、新鮮な野菜や果物(グループ1)から、工業的に作られたスナック菓子や清涼飲料水(グループ4)までを分けられています。
- ただの加工食品: 魚の缶詰、チーズ、焼きたてのパンなど(素材の形が残っている)。
- 超加工食品: ポテトチップス、カップ麺、清涼飲料水、菓子パン、大量生産されたスナック菓子など。
- 特徴: 家庭の台所にはない「添加物(乳化剤、香料、着色料、人工甘味料)」を大量に含んでいます。そして、元の食材の形が全くわからないほど工業的に加工されたものです。
脳をハイジャックする「至福点(ブリス・ポイント)」
食品メーカーは、「一口食べたら止まらない」状態になるよう、科学的に計算して味を設計しています。
- 黄金比の設計: 自然界の食材(リンゴや肉)には、糖分・脂肪分・塩分が適度に含まれています。しかし、超加工食品は最も快感を得る「糖質:脂質 = 1:1〜1:2」の至福点を狙っています。
- 報酬系の暴走: この至福点の食べ物が口に入ると、脳内でドーパミンが爆発的に放出されます。そして、これはもはや「栄養補給」ではなく、脳にとっては「カロリー摂取」に近い反応です。
なぜ「超加工食品」はこれほど危険なのか?
単にカロリーが高いだけでなく、「満腹中枢」を破壊する仕組みがあります。
咀嚼(そしゃく)が必要ない:
超加工食品の多くは柔らかく、口の中で溶けるように設計されています。そして、よく噛まないため、満腹信号が脳に届く前に大量に食べてしまいます。
食物繊維の欠如:
加工の過程で食物繊維が取り除かれています。そのため、血糖値が急上昇し、その後の急降下で「偽の空腹感」に襲われます。
「感覚特異的満腹感」の麻痺:
本来、人は一つの味を食べ続けると飽きるようにできています。しかし、超加工食品は絶妙な「塩味・甘味・旨味」のバランスで脳を混乱させています。そして、「飽きた」という信号を出させないようにしています。
「茹でたジャガイモ」と「ポテトチップス」の違い
- 茹でたジャガイモ: 1個食べればお腹がいっぱいになり、それ以上食べたいとは思いません。
- ポテトチップス: 1個分のジャガイモ(約15枚)を食べても全く満たされません。そして、1袋(約3個分以上)をペロリと平らげてしまいます。
これが、食品工学によって「脳のブレーキを壊された」状態になります。
内容の整理とまとめ
内容の整理
ここまでこのブログでは、甘いものや脂っこいものをやめられないことに対して、目の前の甘いものなどの誘惑、「狩猟採集時代」と「現代」の食べ物の対比、超加工食品について説明しました。
まず、目の前の甘いものなどの誘惑について、「甘い・脂っこい」=「生き残るためのエネルギー」、現代社会との「ミスマッチ」、本能と上手に付き合うための対策を説明しました。次に、「狩猟採集時代」と「現代」の食べ物の対比について、3つの具体的データ(「カロリーの入手効率」が100倍以上に、「糖分」の摂取量の劇的な変化、「超加工食品」の脳内ハック)を説明しました。最後に、超加工食品について、「超加工食品」の定義、脳をハイジャックする「至福点」、なぜ「超加工食品」はこれほど危険なのか?、「茹でたジャガイモ」と「ポテトチップス」の違いを説明しました。
対策の一つに超加工食品を控えるようにするという方法があります。まず、パッケージ裏で台所にないカタカナが多いものを避け、原材料名の短いものを選びます。そして、8割は自炊や素材に近いもの、2割は楽しむ超加工食品という「8:2ルール」などを考えます。また、超加工食品が食べたくなった時、冷静になります。そして、これは私の意志ではなく、脳が刺激を欲しがっているだけだと考えます。つまり、「脳がハックされている」と自覚するようにします。それによって行動を変えることができます。
まとめ
当然ですが、人によって甘いもの脂っこいものへの依存度が異なります。つまり、依存度が低く対策が必要でない人、健康に影響があり対策が必要な人などです。そして、健康に影響がある人は真剣に取り組まないといけない課題になります。しかし、その体は、厳しい自然界で生き抜くために進化した『エリートな生存マシン』でもあります。だから、高カロリーなものを欲しがるのは、生きる意欲が強い証拠です。従って、自分を責めるのではなく、この『進化した脳』をどうやってなだめるかというように考える方が良いような気がします。


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