年始に目標を宣言している人が少なからずいます。例えば、「今年こそ毎日運動する」「絶対に資格を取る」「毎朝30分早起きする」などです。そして、目標を宣言した瞬間は、胸が高鳴ります。そして、SNSに投稿したり、友人に話したりすると、まるで一歩前に進んだような気さえしてきます。しかし、数日後にはやる気が薄れ、気づけば宣言したことすら思い出したくなくなることもあるようです。なぜ、目標を宣言すると逆に挫折しやすくなるのかという疑問が浮かびます。そして、そこには、私たちの脳が持つ“意外なクセ”が関係しているようです。
このブログでは、なぜ目標を宣言すると挫折しやすくなることについて、宣言すると挫折しやすくなる心理メカニズム、どうすれば挫折しにくくなるのか?、「目標宣言による挫折」と「三日坊主」について調べましたので以下に説明します。
宣言すると挫折しやすくなる心理メカニズム
宣言しただけで“達成した気”になってしまう
このような現象を心理学では「社会的現実化」と呼ばれているものです。まず、目標を口にすると、脳が“もう達成に近づいた”と錯覚してしまいます。そして、本来の行動エネルギーが弱まってしまいます。そして、その結果この“満足の先取り”が、挫折の第一歩になってしまいます。
- 宣言した。
- みんなが褒めてくれた。
- 達成したような気分になる。
→ 行動しなくても満足してしまう。
注:社会的現実
人々が共通して抱く認識や知識、行動によって形成されます。そして、客観的な事実のように振る舞いながらも、変化しうる社会的なあり方や仕組みのことです。また、法律、制度、文化、常識、人間関係、経済状況など、私たちの周囲にあるほとんど全てのものが含まれます。そして、個人の意識や集団の合意によって生まれ、維持され、変革されるという弁証法的(相互作用的)な関係にあります。
他人からの承認でモチベーションが消える
「すごいね」「応援してるよ」と言われると、達成前なのに承認欲求が満たされてしまいます。本来、目標達成のモチベーションは“自分の内側”から湧くものです。しかし、宣言すると“外側の評価”が先に満たされてしまいます。そして、その結果、行動する理由が弱くなってしまいます。
プレッシャーが増えて行動が重くなる
宣言により「失敗したら恥ずかしい」「続いてる?と聞かれたらどうしよう」というプレッシャーが生まれます。そして、目標が“挑戦”ではなく“義務”に変わると、人は途端にやる気を失います。
目標が“他人の目”に乗っ取られる
宣言した瞬間、目標は「自分のため」から「他人に見せるため」に変わりやすいものです。
- 誰かに見せるための努力
- 誰かに褒められるための行動
- 誰かに評価されるための継続
そして、こうなると、本来の動機が弱まり、続かなくなります。
事例
- SNSに宣言した瞬間だけ気分が高まる。
- 誰かに言った途端、やる気が下がる。
- 「続いてる?」と聞かれるのが怖くなる。
- 宣言したこと自体がストレスになる。
- 目標が“義務”になった瞬間に嫌になる。
そして、こうした経験は、誰にでも起こりうる自然な反応です。
どうすれば挫折しにくくなるのか?
ここでは、日常でできる“軽い”対処法を紹介します。
宣言するのは「行動」ではなく「仕組み」
目標そのものではなく、行動を支える環境や仕組みを宣言をします。
例:
×「毎日走る」
○「走る時間を朝に固定する」
○「靴を玄関に出しておく」
このように仕組みは“やる気”に左右されにくいのがポイントになります。
宣言する相手を“信頼できる一人”に絞る
SNSで広く宣言するより、自分を理解してくれる人にだけ伝えるほうが続きやすいものです。
- プレッシャーが減る。
- 義務感が弱まる。
- 本来の動機が保たれる。
宣言ではなく“記録”を公開する
目標ではなく、「今日やったこと」を淡々と共有します。
- 行動が積み上がる。
- 自分のペースで続けられる。
- 他人の評価に振り回されない。
目標を“他人の評価”から切り離す
「誰かに見せるため」ではなく、「自分の生活を良くするため」に戻します。そして、目標は、自分の人生を豊かにするためのものと考えます。そして、他人の期待に合わせる必要がないことを再認識するようにします。
「目標宣言による挫折」と「三日坊主」
目標を宣言すると挫折しやすい理由
これは主に “外側の要因” が関係します。つまり、宣言することで“外側の評価”が動機を弱めてしまう現象になります。
- 宣言したことで満足してしまう:
→ 脳が「達成した気」になり、行動エネルギーが下がります。 - 他人の承認でモチベーションが消える:
→ 「すごいね」と言われると、達成前に満足してしまいます。 - プレッシャーで行動が重くなる:
→ 「失敗したら恥ずかしい」という不安が増えます。 - 目標が“他人の目”に乗っ取られる:
→ 自分のための目標が、他人の評価のために変わります。
三日坊主のメカニズム
一方で三日坊主は、“内側の要因” が中心です。つまり、行動そのものが続きにくい構造になっている現象になります。
- 行動のハードルが高すぎる:
→ いきなり毎日1時間運動などの自分にとってハードルが高い目標設定です。 - 習慣化の仕組みがない:
→ やる時間・場所・きっかけなどの具体的なものが決まっていません。 - 脳が変化を嫌う:
→ 新しい行動はエネルギーを使うので、脳が抵抗します。 - 報酬が遠すぎる:
→ 効果がすぐに出ないと続かなくなります。
内容の整理
この2つの違いを次表に整理しました。
| テーマ | 原因の中心 | 何が起きているか | 続かない理由のタイプ |
| 目標を宣言すると挫折しやすい | 外側(他人の評価・承認) | 宣言で満足、プレッシャー、動機の弱化 | 心理的・社会的要因 |
| 三日坊主 | 内側(習慣化の仕組み・脳の性質) | 行動のハードルが高い、習慣化できない | 行動科学・習慣形成の要因 |
つまり、次のように単純化して理解するとスッキリします
- 宣言の挫折 → “言ったことで満足してしまう”心理の問題
- 三日坊主 → “行動の仕組みが弱い”習慣化の問題
このように「宣言の挫折」と「三日坊主」どちらも「続かない」という結果は同じです。しかし、原因の方向がまったく違います。つまり、宣言は“外側の評価”が動機を奪います。これに対し、三日坊主は“内側の仕組み”が弱いことに起因しています。そのため、対処法も異なり、宣言は「仕組みを宣言し」、三日坊主は「行動のハードルを下げます」。
まとめ
ここまでこのブログでは、なぜ目標を宣言すると挫折しやすくなることについて、宣言すると挫折しやすくなる心理メカニズム、どうすれば挫折しにくくなるのか?、「目標宣言による挫折」と「三日坊主」について説明しました。まず、宣言すると挫折しやすくなる心理メカニズムについては、宣言しただけで“達成した気”になってしまう、他人からの承認でモチベーションが消える、プレッシャーが増えて行動が重くなるなどについて説明しました。次に、どうすれば挫折しにくくなるのか?について、宣言するのは「行動」ではなく「仕組み」、宣言する相手を“信頼できる一人”に絞るなどについて説明しました。そして、「目標宣言による挫折」と「三日坊主」について、三日坊主のメカニズムなどについて説明しました。
目標を宣言すると挫折しやすいのは、弱さではないことを知ることが第一歩でした。それは、脳の仕組みがそうできているからでした。そして、大切なのは、宣言することよりも、行動を支える“仕組み”を整えることが必要なことでした。(どこかのブログで似たような表現をした自覚があります。)また、目標は他人のためではなく、あなた自身のために存在しているとう認識も必要なことでした。そして、小さな行動を積み重ねるほうが、派手な宣言よりずっと強い力を持っているような気がします。また、私は宣言するタイプではなく、三日坊主にならないように内面の習慣化の仕組みの行動のハードルが高さ、習慣化に注意いなければならないような気がしました。


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