昇進を告げられたとき、周りは「おめでとう」と笑顔で祝ってくれる。また、プレゼンがうまくいき、拍手をもらう。これらの事は、周りから見ると心から嬉しい、喜ぶべきことです。しかし、自分の胸の奥では別のことを考えています。例えば、「今回は運が良かっただけ」、「本当の自分を知られたら、きっと失望される」などです。そして「みんなが思っているほど、私は有能じゃない」と考えることもあります。つまり、努力や経験を積み重ねてきたはずなのに、成果を手にしても喜びより不安が先に立ってしまう。もし、このようなことがあれば、それは“インポスター症候群”のサインかもしれません。
このブログでは、成功しても素直に喜べない心理について、インポスター症候群について、なぜ成功を“自分の力”だと思えないのか、背景にある環境要因、インポスター症候群の例、今日からできる小さな対処法について調べましたので以下に説明します。
インポスター症候群の影響
インポスター症候群とは何か
自分の成功を実力ではなく「偶然」「周囲の誤解」「運」だと感じてしまう心理傾向のことをインポスター症候群と言います。そして、外から見ると十分に成果を出している人ほど、この感覚に悩みやすいと言われています。特徴としては、
- 褒められても素直に受け取れない
- 成功しても「次こそボロが出る」と感じる
- 自分の能力を過小評価しがち
- 完璧にできないと価値がないと思ってしまう
なぜ成功を“自分の力”だと思えないのか
ここでは、心理学的なメカニズムをわかりやすく整理します。いろいろなタイプがありますが、ここでは代表的な4つを説明しています。
- 成功を外部要因に帰属しがち:
「運が良かった」「周りが助けてくれたから」と考えてしまいます。つまり、自分の努力や能力を評価しないクセがついています。 - 失敗は自分の能力不足だと感じる:
成功は“外”、失敗は“内”に原因を求めてしまいます。そのため、成功しても自信につながりにくくなっています。 - 完璧主義の影響:
「100点じゃなければ意味がない」という思い込みを持っています。すると、どれだけ成果を出しても「まだまだ」と感じてしまいます。 - “いつかバレる”という慢性的な不安:
「本当の自分は大したことない」という前提があります。そして、成功するほど「期待に応え続けなければ」というプレッシャーが増します。
背景にある環境要因
インポスター症候群は、個人の性格だけでなく、環境によっても育まれます。
- 家庭での褒められ方:
成果だけを評価される環境で育ちます。すると、「結果=自分の価値」という思い込みが強くなります。 - 学校文化:
テストや偏差値で比較され続ける状況に置かれます。そして、「他人より優れていなければ意味がない」と感じやすくなります。 - 職場の成果主義:
数字や結果が重視される環境では、「次も結果を出さなければ」という不安が強まります。 - SNSによる比較:
他人の成功が常に目に入ります。そのため、「自分はまだまだ」と感じやすくなります。
インポスター症候群の例
- 褒められると否定したくなる。
- 成功すると「次は失敗するかも」と不安になる。
- 仕事を任されると嬉しさよりプレッシャーが先に来る。
- 休むと罪悪感がある。
- 成果を出しても「たまたま」と思ってしまう。
- 周囲の期待に応え続けなければと感じる。
そして、こうした感覚は、真面目で責任感の強い人ほど抱えやすい傾向があります。
今日からできる小さな対処法
専門家のアドバイスのような難しいことを考えず、日常でできる“軽い行動”に落とします。
- 成功したとき、事実だけを書き出す:
「運が良かった」ではなく、自分が実際に行った行動を1つだけ書きます。
例:資料を丁寧に準備した。/ 相手の質問を予測した。 - 努力と環境の両方で考える:
成功は「努力 × 環境」で成り立つものと考えます。そして、どちらか一方だけに原因を求めないようにします。 - 不安を言語化してみる:
信頼できる人に「実は不安で…」と話してみます。すると、声に出して言語化することで頭の中の“誇張された不安”が現実的なサイズに戻ります。 - 完璧ではなく「十分に良い」を目指す:
完璧主義を少し緩めるようにします。そして、これにより成功を受け取る余白が生まれます。 - 成功の記録を残す:
感情ではなく、行動のログを残します。そして、「自分はちゃんとやっている」という事実が積み上がります。また、成功の記録である事実が積みあがっていることを客観的に確認することができます。
まとめ
ここまでこのブログでは、成功しても素直に喜べない心理について、インポスター症候群がどのようなものか、そして、今日からできる小さな対処法について説明しました。まず、成功しても素直に喜べない心理について、インポスター症候群について、なぜ成功を“自分の力”だと思えないのか、背景にある環境要因、インポスター症候群の例について説明しました。次に、今日からできる小さな対処法について、成功したとき、事実だけを書き出す、不安を言語化してみる、成功の記録を残すなどについて説明しました。
また、インポスター症候群は、人間性の弱さではありません。むしろ、真面目さ・責任感・努力家であることの裏返しでした。また、成功を素直に喜べないとき、「自分はダメだ」と責める必要はありません。ただ、事実を丁寧に見つめ直すだけで、少しずつ“自分の成功を自分のものとして受け取る力”が育っていきます。あなたの努力は、偶然ではありません。その積み重ねは、確かにあなた自身の力です。
加えて、以前のブログ「成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい? 自己奉仕バイアス」で取り上げた、「成功は自分のおかげで失敗は他人のせい」にする人が存在していることを知っておくことです。人は色々なタイプがあり成功を自分のおかげとする人もいることを知り、知見を拡げます。そして、その上で、対策をしてみると少しは成功に対する感覚が変わるかもしれないと思われます。


コメント