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年輩の方がアイドルの区別ができにくくなるのはなぜですか? 脳と識別能力4

科学
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 これまで似たような犬を区別できる人とできない人の違い、高級楽器と初心者用楽器の音を聞き分ける人とそうでない人の違い、パートナーの髪を切ったことに気づく人と気つかない人の差はということをテーマにしてきました。次のテーマはといろいろ思いを巡らせた結果、「年輩の方がアイドルの区別ができにくくなるのはなぜ」にしました。

 その発端は、「年配の方がアイドルの区別ができない」というのをTVで何度か見たことを思い出したことです。気になったので、これがどういうことなのかについて調べてみました。

行動認識面で生成AIに聞いてみる

 質問文: 年輩の方がアイドルの区別ができにくくなるのはなぜですか?

1. 顔認識能力の変化

 加齢に伴い、「顔を認識する能力(視覚の短期記憶)」が変化することが指摘されています。20代後半から30代前半をピークに、新しい顔を覚える能力は徐々に低下していく傾向にあります。

 これは、脳の「紡錘状回」という顔の認識に重要な役割を果たす部位の機能が変化すること。および、新しい情報を記憶する「近時記憶」が衰えることと関連しています。

2. アイドルグループの特徴

 現代のアイドルグループには、以下のような特徴があります。これも区別を難しくする要因となります。

  • 「平均顔」の傾向: 心理学的には、人間は「平均的な顔」を魅力的に感じやすいという研究があります。多くのアイドルグループでは、選ばれるメンバーの顔がつきのような基準になっています。「魅力的」とされる顔の基準においては、平均的な顔を持つ傾向がありこれが基準で選ばれています。特に大人数のグループでは、個々の顔が「全体的な顔の平均」に近づきます。そのため、似て見えやすくなります。
  • 人数が多い: AKB48以降、アイドルグループの人数は増える傾向にあり、時には数十人にもなることがあります。人数が多いと、脳が個々の特徴を捉えづらくなります。個々よりも、全体として「顔の統計的平均」を認識しやすくなり、区別がつきにくくなります。
  • 流行のメイクや髪型: 流行のメイクや髪型は、個性を際立たせる一方で、全体として似た印象を与えることもあります。特に若い世代特有の流行は、年配の方にとっては新鮮でなく、判別に時間がかかることがあります。

3. 新しい情報への接触機会の減少

 年齢を重ねると、若い世代との交流が減り、新しい顔に触れる機会が減少する傾向があります。私たちは、よく見慣れた顔であればあるほどしっかりと識別できます。しかし、あまり見慣れていないものは見分けがつきにくいものです。そのため、若いアイドルの顔を見慣れていないことが、区別できない一因となることがあります。

4.まとめ

 以上のように年配の方がアイドルの区別がつきにくくなるのは大きく2つの要因があります。1つ目は、加齢による顔認識能力の変化です。2つ目には、「平均的な顔立ち」や「大人数」、そして「若い世代の流行」といった特徴がです。これらの要因が複合的に影響していると考えられます。

脳科学的側面で生成AIに聞いてみる

  続いて同じ内容を脳科学的側面で生成AIに聞いてみました。

 質問文: 年輩の方がアイドルの区別ができにくくなるのはなぜですか?ということを脳科学的に教えて下さい。

1. 顔認識能力(顔認知能力)のピークと加齢による変化

  • 顔認識能力のピーク: 人の顔を覚える「顔認識能力(顔認知能力)」は、一般的に32歳前後でピークを迎えると言われています。20代後半から32歳くらいまでは向上しますが、それ以降は徐々に低下していく傾向にあります。これは、新しい顔を脳が効率的に処理し、記憶する能力が加齢によって変化することを示唆しています。
  • 「流動性知能」の低下: 顔認識能力は、新しい情報を素早く処理し、問題解決に役立てる「流動性知能」の一部と見なされます。流動性知能は加齢とともに低下していく傾向があります。これに対し、経験や知識に裏打ちされた「結晶性知能」は異なります。結晶性知能は、高齢になっても維持されたり、むしろ向上したりすることがあります。新しいアイドルの顔を覚えることは、まさに流動性知能が関わるタスクと言えます。

2. 脳の特定領域の機能変化

  • 紡錘状回(Fusiform Face Area: FFA): 脳の側頭葉の下面にある「紡錘状回」は、特に顔の認識に特化した領域として知られています。この領域の活動は、顔を識別する際に重要です。加齢に伴い、この紡錘状回の機能が変化します。また、顔と名前を関連付けて記憶する際の活動が若年層と異なります。このような機能の変化が、機能的MRIを用いた研究などで示唆されています。
  • 海馬と近時記憶: 新しい情報を一時的に記憶し、長期記憶へと定着させる役割を担うのが脳の「海馬」です。アイドルの顔と名前を新しく覚えることは、まさにこの「近時記憶」の働きに依存します。加齢によって海馬の機能がわずかに低下します。また、情報の取り込みや定着に時間がかかるようになります。このような機能低下により、新しい顔や名前を覚えることが難しくなります。

3. 注意力や情報処理速度の変化

  • 情報処理速度の低下: 加齢に伴い、一般的に脳の情報処理速度は低下する傾向にあります。大人数のアイドルグループの中から個々のメンバーを見分ける個人を特定する。そのためには、メンバーの特徴を捉え、記憶することが必要になります。これらの一連のプロセスには、素早い情報処理が必要です。この速度の低下が、区別を難しくする要因となります。
  • 注意力の配分: 大人数の中から特定の人物を特定するには、注意を向けることが必要です。その特徴を把握する注意を向ける能力も、加齢によって変化することがあります。また、多くの刺激の中から必要な情報を選び取る「選択的注意」の機能も影響を受ける可能性があります。

4. 既存の知識との関連付けの難しさ

  • 脳は、新しい情報を既存の知識や経験と関連付けることで、より効率的に記憶します。しかし、年配の方にとって、若いアイドルに関する文化や流行は馴染みが薄い場合が多い。そのため、既存の知識との関連付けがしにくいことがあります。これにより、新しい情報を記憶するための「足がかり」が少なくなり、覚えにくさを感じる可能性があります。

5.まとめ

 これらの脳科学的な要因が複合的に作用し、年配の方がアイドルの区別がつきにくくなるという現象につながると考えられます。これは、脳の自然な変化の一部であり、病的なものではないことがほとんどです。

考察

生成AIの回答の整理

 行動・認識面では、次の3項目があげられました。

  • 顔認識能力の変化
  • アイドルグループの特徴
  • 新しい情報への接触機会の減少

 また、脳科学面では、次の4項目があげられていました。

  • 顔認識能力(顔認知能力)のピークと加齢による変化
  • 脳の特定領域の機能変化
  • 注意力や情報処理速度の変化
  • 既存の知識との関連付けの難しさ

  脳科学面の3項目は、アイドルの顔を認識するための脳機能が加齢による変化を示している。また、これは行動認識の1項目目と一致している。加えて、行動認識の3項目目と脳機能の4項目目の内容は同類であると考えられる。これらの2グループはすべて加齢による影響とされている。

 残りの行動認識面の2項目目は脳科学面には提示されていない。アイドルグループの特徴として、平均顔、人数が多い、流行のメイクや髪型が認識しにくくしている要因と指摘している。加齢による影響は一般論的すぎるので、まず、アイドルグループの特徴について分析する。

アイドルグループの特徴についての分析

 行動認識面の2項目目には、「アイドルグループの特徴」として以下の3項目があげられている。

  • 「平均顔」の傾向:似たような顔に見える
  • 人数が多い:個人を区別しにくい
  • 流行のメイクや髪型:全体として似た印象を持つ

 生成AIがあげた以上の3項目は、TVなどで見た時が前提とされている。アイドルグループが楽曲を歌っている、踊っている際に映像を見た時には、人数が多い、似たような顔に見える、全体に似た印象を持つことは個人を識別したり、覚えるのに対し難度を増す。加えて、ダンスで動きまわり 統一感のある衣装を着ていたら更に難度を増すことになります。

 これとは逆の韓流アイドルを押しにする年輩の方がいます。

韓流アイドルに押しにする年輩の方がいる

 テレビなどでも度々目にする韓流のアイドルを押しにする年輩の方がそれなりの方がいる。韓流のアイドルグループも相当数存在している。また、人数が多いグループもあり、流行のメイクや髪型をしている。なおかつ、ダンスで動き回り、統一感のある衣装とい意味では覚えるのに難易度が高い。

 しかし、韓流アイドルを押しの年輩の方は、多くのアイドルから自分の押しを決めている。

ということで

 アイドルの区別に対するメインの要因が顔認識能力の低下ではないと推測させる。以降アイドルが区別できるかできないかが生じている原因について考える。

 アイドルに興味がないと10代の人でも区別はできないことがヒントになる。つまり、興味や関心を持つ1段階目にあると思われる。アイドルを区別することができるようにするためには、アイドルに触れる機会が多くなるということが言える。例えば、雑誌に載っている写真、アクスタ、写真集、グッズなどにふれる機会が多くなる。いつも見ていたいことから、写真や映像を見る頻度が高まる。このような行動の繰り返しがアイドルに対する識別能力が高める。いわゆる学習による効果であると思われる。学習により、本ブログシリーズにもでてきた「ニューロン新生」や「シナプスの可塑性」が起こり、判別能力が上がると思われる。

まとめ

 韓流アイドルに押しがいる年輩の方が区別ができる。これは、アイドルという集団だけではなく、アイドル個人個人に興味関心がある事が重要である。この興味関心があることで区別ができる状態に変化したと思われます。

 しかし、全般として年配になってアイドルに興味がないや他にやることが多いなどで関心の低下から注意が向かなくなる。さらに、アイドルグループが多い、人数が多い、平均顔などの要因が重なり、よりアイドル離れてしまう。接する頻度が少なく、区別ができなくなっていると考えられる。

 

 

 

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