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なぜダイエットや勉強は三日坊主になるのか? 行動を変えるカギ「計画的行動理論」

心理
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 よく今年こそは資格を取る毎日ジョギングを始める等の目標を立てているのを聞きます。しかし、その意欲がすぐに消え、計画が計画だけになり実行を伴わなかった。このようなことをよく耳にします。ただし、私は目標を立てることもしませんのでそこまではいきませんでした。しかし、この失敗をするのは、その人の意志が弱いからではありません。 そして、それはやる気だけではなく、複数の心理的要因により複雑に決定されているからです。

 また、今回調べたのはこの解決方法計画的行動理論(Theory of Planned Behavior)です。また、このモデルは、社会心理学の分野で、この「行動を予測し、変えるメカニズム」を解き明かすために開発された強力なモデルです。そして、この理論TPBは、私たちが特定の行動を「する」か「しない」か、その行動の意図が、たった3つの主要な要因によって形作られることを示しています。そして、目標達成のために「何を」「どう」計画し、実行に移すべきか、その具体的な戦略が見えてくることを目標にしています。

 このブログでは、3日坊主にならないために計画的行動理論の3つの主要因、行動をおこすための戦略について調べましたので以下に説明します。

行動の意図を形作る3つの主要因

 計画的行動理論は、具体的な行動を起こす意図(intention)は、以下の3つの要素によって決定されると考えます。

1. 態度(Attitude Toward the Behavior)

 まず、態度はある行動に対するその人が抱くポジティブネガティブ評価や感情のことです。

  • 定義: 「その行動をすることに価値がある楽しい良いことだと感じるか?」です。
  • 具体例(ジョギング):
    • ポジティブ: ジョギングは健康に良く、気分転換になる。
    • ネガティブ: ジョギングは疲れるし、時間と手間がかかる。
  • ポイント: 行動を変えるには、まずその行動に対する個人的なメリット(信念)をどれだけ強く持てるかが重要です。そして、メリットがデメリットを大きく上回るとき、態度は強固になります。

2. 主観的規範(Subjective Norm)

 次に、主観的規範とは、自分の周りの重要な人々が、その行動をどう考えているかです。そして、その行動を行うべきだと感じているか、という社会的圧力の認識のことです。

  • 定義: 「自分の家族、友人、上司などの重要な他者は、その行動をすることを望んでいるか、支持しているか?」です。
  • 具体例(ジョギング):
    • 肯定的: 配偶者が『一緒にやろう』と誘ってくれている。
    • 否定的: 同僚が『時間の無駄だ』と批判的だ。
  • ポイント: 周囲の期待等(あるいはその逆)は、やるべきという意識を大きく左右します。特に、自分が所属したい集団の規範(グループでの共通認識)は強い影響力を持ちます。

3. 知覚された行動制御(Perceived Behavioral Control, PBC)

 そして、知覚された行動制御は、3つの要素の中で最も重要と言われます。そして、これはその行動をどれだけ簡単に行えると感じているかという自信の度合いです。

  • 定義: 「その行動を実行するためのリソース(資源)やスキルは自分にあるか?」、あるいは「障害を乗り越えることができるか?」です。
  • 具体例(ジョギング):
    • 制御が高い(自信がある):
      「自宅の近くに安全なジョギングコースがある」「早起きは得意だ」「必要な道具(シューズなど)は揃っている。」
    • 制御が低い(自信がない): 「仕事が忙しすぎて時間が取れない」「膝を痛めそうで怖い。」
  • ポイント: この要素は、「自己効力感(Self-Efficacy)」に深く関係します。つまり、「やろう」という意図があっても、「私にはできないかもしれない」という不安や困難の認識が勝ります。そして、その場合には行動は起こされません。

内容の整理

 ここに示した、計画的行動理論の基本的な構造は以下の通りになります。

 つまり、行動を起こすための強い意図を生み出すには、3つの要因全てが高いレベルで揃っている必要があります。そして、3つの要因は、良いことだと感じ(態度)、やるべきだと思い(主観的規範)、自分にもできると確信する(PBC)の3つです。

計画的行動理論を「行動」に変える戦略

 計画的行動理論は、行動を起こすための意図強めることがカギだと示しています。そして、意図は、態度、主観的規範、知覚された行動制御(PBC)の3つの要因で決まります。それゆえ、戦略としてこれら3つを同時に、かつ意識的に強化することに集中します。

1. 「態度」を強化する戦略:メリットの最大化

 行動に対する「良い」という評価を高めます。そして、「やりたい」気持ちを揺るぎないものにします。

  • ベネフィットの明確化(コスト>メリット):
    • 行動によって得られるポジティブな結果を、抽象的ではなく具体的に書き出します。例えば、「健康になる」→「朝、シャキッと目覚められる」「服を自信を持って着られるようになる」です
    • 行動しないことによるデメリットも同時に書き出します。そして、行動への動機を強化します。
  • 楽しさの注入(快楽原則の活用):
    • 行動と報酬を結びつけます。例えば、ジョギング後に好きな音楽を聴きます。または、勉強が30分終わったら高級チョコレートを一切れ食べるなどです。そして、これにより、行動そのものへの評価を高めます。

2. 「主観的規範」を強化する戦略:環境の構築

 周囲の「やるべき」という圧力を、自分へのポジティブなサポートに変えます。

  • コミットメントの公開:
    • 目標を信頼できる家族や友人に宣言します。そして、これにより「逃げられない」環境を作ります。その結果、周りの期待が強力な主観的規範として働きます。
  • 仲間やロールモデルの発見:
    • 目標を達成している成功者(ロールモデル)を探します。そして、彼らの習慣や考え方を参考にします。または、同じ目標を持つコミュニティに参加します。これらにより、「みんなやっている」という規範を自分の中に作り出します。

3. 「知覚された行動制御(PBC)」を強化する戦略:自信と実行可能性の確保

 行動を「簡単にできる」状態にします。そして、これにより、「自分にもできる」という自信(自己効力感)を確保します。これがTPBにおける最も重要な実行テクニックです。

3-1. 目標を細分化する(スモールステップ)

 自信がない大きな目標を、すぐに達成できるレベルに下げます。

  • 例: 毎日3時間勉強する。
        → まず、10分間だけ参考書を開く。
  • 効果: 小さな成功体験を積み重ねます。そして、成功体験の積み重ねで、自分はできるというPBCを段階的に高めます。

3-2. 障害を計画する(実装意図)

 行動を妨げる「もしも」の事態を想定します。そして、そのために対処法を事前に決めておきます。

  • 「もし(If)〜なら、必ず(Then)〜する」の形式で計画を立てます。
    • 例(ジョギング): 「もし朝、雨が降っていたら、家の中でYouTubeの15分フィットネスをする。」
    • 例(勉強): 「もし疲れて帰宅したら、机に座る前にまずシャワーを浴びて気持ちをリセットする。」
  • 効果: 予測される障害がPBCを低下させることを防ぐことができます。また、無意識に行動に移せるように準備します。

3-3. 環境を整える

 行動の実行を容易にします。そして、行動への抵抗を最小限にします。

  • 例(ジョギング): 前日の夜にシューズとウェアを玄関に置いておきます。
  • 例(ダイエット): 間食の誘惑をなくすため、家に高カロリーな食品を置かないようにします。

内容の整理

 これらの戦略は、バラバラな実行ではなく、3つの要素全てへのアプローチが成功の秘訣です。そして、行動が変わらないのは、自分の意志のせいではありません。それは、3つの要因のどれかが不足しているからです。 つまり、これらをバランスよく強化することで、自分の行動の意図は確固たるものになります。そして、目標は単なる夢ではなく、達成される計画へと変えることができるようになります。

まとめ

 ここまで、3日坊主にならないために計画的行動理論の3つの主要因、行動をおこすための戦略について説明しました。まず、計画的行動理論の3つの主要因の態度主観的規範、知覚された行動制御がどのようなものかについて説明しました。そして、「行動に変える戦略として、態度主観的規範知覚された行動制御(PCB)のそれぞれを強化する戦略を説明しました。

 つまり、計画的行動理論は、やりたい(態度)やるべき(主観的規範)できる(PBC)の3つのエンジンが揃って初めて意図が生まれます。そして、行動につながることを示しています。

 ここまで計画的行動理論について書いてきました。しかし、これまでいろいろなことを実行するのにこのような要素があるとは考えたことがありませんでした。そして、何かを実行に移す際には、自分の目標をTPBの3要素で分析してみることも面白いのではないかと感じました。

 

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