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場の空気に流され、集団で非合理的な意思決定をしてしまう現象 : 集団思考

心理
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 会議は、いつもスムーズに、異論なく終わることが多いような気がします。また、誰も否定的な発言をせず、場の空気に流されるまま終わることが多いような気がします。そして、これは和を乱したくないという心理が引き起しているようです。この集団での非合理的な意思決定を、心理学では「集団思考(グループシンク)」と呼びます。これは、仲が良い、あるいは結束力が高い優秀な集団ほど陥りやすいようです。そして、これは恐るべき意思決定の罠とも言えます。

 このブログでは、集団思考が生まれるメカニズムと会社やチームの創造性、そして合理性を破壊する8つの兆候について調べました。この調べた結果と、場の空気に流されずに「最善の決定」を下すための具体的な防止策を以下に説明します。

集団思考(グループシンク)のメカニズム

定義と提唱者

  • 定義: 意見の一致を求める圧力が、現実的な評価や批判的な思考を阻害します。そして、その結果に非合理的な意思決定に至る現象です。特に、結束力の高い集団において多く起こります。
  • 提唱者: 心理学者アーヴィング・ジャニス(Irving Janis)です。彼が研究した歴史的な事例(ピッグス湾事件など)を紹介します。
  • ピッグス湾事件:1961年にアメリカがキューバのカストロ政権打倒を目指して行った侵攻作戦です。そして、作戦は失敗に終わりました。これは、集団での意思決定時、個人の批判的な意見が抑圧される集団思考の代表例です。 
  • チャレンジャー号事故:技術者からの失敗への懸念がありました。しかし、 打上げ延期による予算縮小の懸念、プレッシャー、ストレスなどもあり、打上げが強行され、直後にチャレンジャー号は爆発し、乗組員7名が犠牲となりました。 

集団思考が起きる背景(発生要因)

 以下の3つの要因が揃うことで集団思考が起こりやすくなります。

  1. 集団の凝集性(結束力)が高い: 仲が良すぎる、または排他的な集団ほど起きやすくなります。つまり、和を乱したくないという心理が強くなります。
  2. 外部からの孤立: 外部の意見や情報に耳を貸さず、閉鎖的な情報空間になっています。
  3. リーダーシップのスタイル: リーダーが独断的であったり、最初から結論を決めていたりする場合です。

集団思考の8つの症状(具体的な兆候)

 上記のアーヴィング・ジャニスが指摘した、集団思考が起きている具体的なサインを示します。ここでは、代表的なものを4項目ピックアップします。

  • 無謬性の幻想: 「この集団は絶対に間違えない。」または、「自分たちの集団は失敗しない。」このように過信することです。
  • 批判の自己検閲: 「集団反対意見や疑問点を自ら発言しないように抑制する。」または、「自分の疑問を「和を乱す」として自分自身で抑え込んでしまう」ことです。
  • 満場一致の幻想: メンバーが沈黙している場合、全員が賛成していると思い込むことです。
  • 監視役の存在: 異論を唱えるメンバーを黙らせる役が存在していることです。

集団思考のデメリットと克服策

デメリット

  • 非効率な決定: 最良の選択肢ではなく、「最も抵抗の少ない」選択肢を選んでしまいます。
  • リスクの過小評価: 集団で決定したことで、「大丈夫だろう」とリスクを軽く見ています。そして、これをリスキーシフトと言います。リスキーシフトは、集団での意思決定が個人で判断よりもリスクの高い方向へ傾く心理現象です。個々では慎重な人が集まることで、議論でより大胆な結論に至りやすくなることを指します。この現象は集団極性化の一つで、集団で責任が分散されることなどが原因とされています。 
  • イノベーションの阻害: 異端なアイデアや新しい視点が、集団の空気によって潰されてしまいます。

集団思考を避けるための克服策(賢い組織作り)

  • 悪魔の代弁者(デビルズ・アドボケート)を任命する: 決定前に、あえて反対意見を述べる役割を持つ人物を置きます。そして、批判的な議論を促します。
  • 外部の意見を取り入れる: 決定に直接関わらない第三者や専門家の意見を定期的に聞きます。
  • リーダーは沈黙する: リーダーは会議の冒頭で自分の意見を言いません。メンバー全員の自由な発言を促した後で意見を述べます。
  • 匿名での意見収集: 場の空気や人間関係を気にせず意見を言えるようします。例えば、アンケートや匿名投票の仕組みを取り入れます。

まとめ

 ここまで集団思考が生まれるメカニズム、場の空気に流されずに「最善の決定」を下すための具体的な防止策を以下に説明しました。まず、集団思考のメカニズムについて、集団思考が起きる背景と集団思考の8つの症状の中の4つを挙げ説明しました。次に、集団思考のデメリットと克服策について説明しました。

 そして、集団思考は、仲の良さや結束力といったポジティブな感情の裏側に潜むリスクでした。また、メンバーの沈黙を全員の賛成と捉えてしまうことがありました。そのため、重要なのは「意見の一致」ではなく「最善の決定」を目指すことにすることが対策になるような気がしました。そして、異論や批判を歓迎する風土、多様な意見が飛び交う風通しの良い環境作りが良い結果をもたらすような気がしました。

 

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