モノを買って手に入れても、どこか満たされない。また、趣味があっても、すぐに飽きてしまう。そして、SNSで他人の生活を見て、漠然とした焦りを感じてしまう。これには、「心理的所有感」が深く関わっているようです。つまり、物質的な所有や消費だけでは、真の満足感は得られない。そして、ここでカギになるのが「心理的所有感」です。つまり、物や場所、アイデアなどを「自分のものだ」と感じる心理的な感覚が重要になります。
また、近年の研究では、ネットショッピングにおいて、PCよりもタブレットを使う方が購買行動が増えるという指摘があります。つまり、タブレットの方がPCよりも心理的所有感が高くなるということのようです。
このブログでは、所有感の重要性、そして、所有に関する心理的感覚の心理的所有感、日常での活かし方、所有感を育むための方法、タブレットで購入意欲が高まる理由などについて調べましたので、以下に説明します。
なぜ「所有感」が重要なのか?
実際にモノを持っているという所有があります。そして、アイデアなどの無形なものについても所有があります。これらはの所有は、法的な所有権になります。これに対し、所有感は対象が「自分のものだ」と感じる個人的な感覚です。ここでは、この所有感この感覚が私たちの行動や幸福にどう影響するかを掘り下げます。
- モチベーションとエンゲージメントの向上:
- 仕事の質: 自分のプロジェクトに「所有感」を持ちます。そして、当事者意識が生まれ、より良い成果を出そうと努力するようになります。
- コミットメント: 組織やコミュニティに対する愛着や貢献意欲が高まります。
- 満足度と幸福感への影響:
- 自己効力感: 「自分がこれを成し遂げた」という感覚が自信につながります。
- 居場所感: 物理的な所有ではなく、自分の貢献や努力が認められた場所に感じる「安心感」。
- 所有感の「3つの源泉」(例):
- 努力の投入: 自分で時間や労力をかけたものに対するものです。例えば、自分で育てた植物や長期間準備した企画などです。
- 自己との一体化: それが「自分らしさ」を表現するものです。例えば、趣味、ファッション、カスタマイズされたツールなどです。
- 深い理解と知識: その分野のプロフェッショナルであることです。例えば、特定のスキル、専門知識などです。
日常生活における「心理的所有感」について
この心理的所有感が、具体的にどのような行動や環境で生まれるかを説明します。
| 源泉 | 説明 | 日常の具体例 |
|---|---|---|
| ① 努力の投入 | 自分の時間や労力を費やしたこと。そして、手間をかけたという感覚。 | 自炊した料理とコンビニや店で購入してきたものを比較します。自炊した料理の方が自分のものという感覚が強くなります。 |
| 手入れした道具:使い込むほど手に馴染み、手放せなくなります。 | ||
| ネットショッピングでのタッチ操作: 画面に直接触れて操作します。これにより、「自分の手で選んだ」という身体的な関与が生まれます。その結果、所有感が高まりやすいです。 | ||
| ② 自己との一体化 | それが「自分らしさ」の表現。自分専用であるという感覚。 | 自分の部屋の「居心地の良い一角」を徹底的に整えます。 |
| 手帳やアプリを自分好みにカスタマイズし、使いこなします。 | ||
| ③ 知識と理解 | それについて深く知ります。加えて、使いこなしているという支配感・習熟感。 | 特定の趣味の道具や歴史、テクニックを学び尽くします。 |
| 健康法や美容法を徹底的に調べ、実践し、自分のものにします。 | ||
| ネットショッピングの没入感: タブレットは全画面で集中しやすい状態です。そして、商品の詳細やレビューを深く読み込みます。そして、「その商品について知っている」という感覚が所有感につながります。 |
日常生活での活かし方
- 仕事編:
- 「責任」を「権限」に: チームで、メンバーに裁量と意思決定権を与えます。そして、プロジェクトへの所有感を高めます。
- カスタマイズの推奨: 自分のツールや作業環境を「自分のもの」にする工夫を促します。
- 生活編:
- 「手間をかける」価値: モノを所有することが最終目的でないと考えます。そして、体験やスキルに手間をかけることの重要性を認識します。
- デジタル所有感: SNSやオンラインコミュニティでの「自分のアカウント」「自分のスペース」を意識的に構築します。
「所有感」を育む日常の小さな習慣
真の満足感は、高価なモノを買うことではありません。自分の時間と愛情を「注ぐ」プロセスから生まれます。ここでは、あなたの日常を豊かにする3つの習慣を紹介します。
「自分の場所」を聖域化する(場所の所有感)
- デスク周りの「マイ・ルール」を作る: 会社のデスク、自宅のリモートワークスペース、キッチンの一角などです。つまり、日常で最も長く過ごす場所を、自分のためだけの空間として徹底的に整えます。
- 例: 常に好きなアロマを置く。PCの壁紙を気分が上がるものにする。引き出しの中の配置にこだわる。
- 効果: 物理的な空間をコントロールし、「ここは自分の支配領域だ」と感じます。すると、安心感と自己決定感が強まります。それは、家全体を持っていなくても得られます。これは、確かな「居場所感」となります。
「育てて楽しむ」時間を意識的につくる(プロセスの所有感)
- 「成長」を楽しむ対象を見つける: 一度買ったら終わりではなく、時間と手間をかけます。そして、「変化・成長」する要素のある活動を取り入れます。
- 例:
- 観葉植物: 観葉植物を世話をします。これにより、目に見える成長が「努力の投入」を実感させてくれます。
- 貯金や投資のログ: 毎日・毎月の推移を記録します。そして、その成長を「自分の努力の結果」として視覚化します。
- 特定のスキル(語学、楽器): 練習ノートや学習記録をつけます。これにより、習熟度を「自分のもの」として意識します。
- 例:
- 効果: 努力のプロセスそのものが「心の資産」となります。そして、時間をかけた分だけ自分に返ってくる所有感が高い達成感と満足感に繋がります。
「ルーティン」を自分だけの作品にする(時間の所有感)
- 朝晩のルーティンを「デザイン」する: 毎日何気なく行っている習慣をデザインします。例えば、朝起きてから家を出るまで、寝る前などです。つまり、「誰にも邪魔されない自分だけのオリジナルな流れ」を確立することです。
- 例: 朝、コーヒーを淹れる。また、お気に入りの音楽を聴きながらストレッチをする。このような一つ一つの行動に、意識的に意味とこだわりを持たせます。
- 効果: 自分の時間の流れを自分でデザインし、支配している感覚をもちます。これが、自己効力感と高い満足感を高めます。つまり、人生の主導権を握っているという感覚が、最も強力な心理的所有感の一つです。
タブレットでの購入意欲が高まる理由
これは、タブレットの持つ物理的な特性とそれが引き起こす心理的な効果が関係しています。つまり、モノに対する真の満足感とは、物理的な購入ボタンを押す前からあります。つまり、どれだけ「心を投入したか」によるものが関与しています。
タッチ操作による「触覚的な関与」
- PCのカーソル操作と違い、タブレットは画面に直接触れて操作します。タブレットでは、商品をスワイプしたり、タップしてカートに入れたりする行為をします。これは、対象物に自分の身体的な関与(労力)を投入している感覚を生み出します。
- この「自分の手で触れた」という感覚が、商品に対する「一時的な所有感」を高めます。そして、購入への抵抗感を下げる可能性があります。
没入感(没頭)の高さ
- タブレットはPCと比べて、画面を近くで持ち、全画面でアプリを利用することが多いです。そのため、ショッピング体験への没入度が高くなります。
- PCでは、複数のウィンドウを開いたり、仕事の通知が入ったりする環境です。それに比べて、タブレットはショッピングの体験に集中しやすくなります。そして、この没入感の中で、商品の詳細やレビューを深く掘り下げます。そして、その商品に対する「知識と理解」が高まり、それが所有感につながります。
リラックスした環境での利用
- タブレットはソファやベッドなど、リラックスした個人的な空間で使われることが多いです。
- リラックスした状態では、衝動的な購入や感情的な意思決定が起こりやすい傾向があります。また、プライベートな環境での使用で自分の時間が商品選びをしている感覚が強まります。そして、その結果所有感を補強する場合があります。
まとめ
ここまで心理的所有感の重要性、所有に関する心理的感覚の心理的所有感、日常での活かし方、所有感を育むための方法、タブレットで購入意欲が高まる理由などについて説明しました。また、タブレットでネットショッピングなどで買い物をする際は注意が必要であることを説明しました。
昔から多く所有すること=豊かさという価値観があります。しかし、高価なモノを買っても、すぐに次のモノが欲しくなるというのを聞いたことがあります。これは、物質的な所有感は一時的だからのようです。つまり、真の豊かさは、お金やモノをどれだけ消費したかではなく、「自分の人生、自分の時間、自分の環境をどれだけ自分のものとして創造し、支配できているかのようです。つまり、これこそが「心理的所有感」のような気がします。
また、身の回りに机の上、毎朝のルーティン、長年使い込んだお気に入りの道具等があります。その中に心を注いだ自分だけの所有物が必ずあるような気がします。そして、それを意識的に愛着を持ち大切にする。この小さな習慣こそが、毎日をより深く、満たされたもの、心理的所有感を高めるような気がしました。


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